バツ2になるのか。

度々、夫の不機嫌に付き合ってきたのだが…
男の更年期か?とか
インナーチャイルドが…とか
何かしら理由をつけて
不機嫌な時間(10日から2週間)を
やり過ごせばまた普通に戻るので
その時間だけ我慢すればいいと思っていた。


しかし…
この数ヶ月の間に
不機嫌の度を超して
どっかおかしいと思わせるような
言動が目立った。
特に長男に対しての当たりの強さ。
言葉での攻撃、精神的攻撃。
それプラス、言ってることとやってること
違うんじゃない?って思わせる出来事も
チラホラ。 


とうとう昨日。
長男に対して突然怒って怒鳴り散らし
バカだアホだと散々言い放ち
終いには出て行け!と
胸ぐら掴んで外へ出したのだ。
真冬の北海道。
家の中は常夏なので長男の服装は
半袖Tシャツにハワイ風のハーフパンツ。
そして裸足。
見かねて長男を家に入れれば
お前は甘いとまた外へ。
出て行け!を繰り返す。


ならば、わたしも出て行きますと言い
長男の上着とズボンを取りに行き
急いで玄関へ走ったが
既に長男の姿は無かった。

彼は自閉スペクトラムがある。
特性ゆえに生きにくさや困難さもあり
自己肯定感も低い。
そして思考回路が想像を軽く超えた
全く予想できない方に進んだりする。
そんな長男へ
バカだアホだと蔑む言葉をかけ
人格を否定し
出て行けと言う。
彼にはお世辞や遠回しな表現、比喩なんかも
通じないことが多いのに。

最悪の場面ばかりが頭をよぎる。
上着とズボンを抱えて
名前を呼びながら
どこへ向かえばいいのかわからぬまま
歩いて、探して…
涙は溢れてくるし
上着からは微かに長男の匂いがするし
わたしはパニックだった。

10分ほど歩いた先に交番があり
ちょうどお巡りさんがパトロールに出るところだった。
慌てて駆け寄り事情を説明した。
帰宅するかもしれないので
自宅で事情を聞かせて欲しいと言われ
自宅へ向かう。
自宅に着くと、ちょうど夫が長男を見つけたようで
長袖長ズボンを上から着て
玄関にいた。
夫が警察に事情など聞かれている間
長男は虐待などないか身体をみられた。
心の傷が見えたなら
きっと血まみれだったのに…


警察が帰ると
さらに機嫌を損ねた夫から
『警察まで呼んでとんだ茶番だ』と言われた。
本氣で出て行かせるつもりなどなく
少し頭を冷やしたら
家に入れるつもりだったと。
愕然とした。
長男の特性を理解していたら
低い自己肯定感を更にえぐるような言葉を浴びせ
出て行け!と言われたら…
自己の存在を否定されて
もしかしたら雪の中
家の裏側を流れる豊平川へと
吸い込まれるように歩いたかも知れないのに。

散々否定された長男に対して
あなたは大切な存在。
バカなんかじゃないよ。
1番大事に思っている。
そう伝えても、どれだけ凹んだ心を
膨らませることができるだろうか。

夫が出掛けた隙に
相談ダイヤルに電話した。
立派なDVだと言われた。
これからしておくべき事もアドバイスされた。
長男へ、一緒に出て行こうと伝えると
『俺が悪いから。大丈夫。』と言う。
古くからの友に言われた言葉を思い出す。
『大丈夫』
その言葉を使う場面がある事自体
大丈夫なんかじゃない。
大丈夫なんて言葉を使わなくてもいい状況が
本当の大丈夫なんだ。と。

バツ2なんて屁でもない。
しかしながら、長男は学校を変えなくてはならない。
娘は置いて行けと言われるだろうか。
幼稚園や療育、数々の病院受診。
手順を知らない夫へメモだけで伝わるだろうか。
貯金は足りるか。
どこに家を探そうか。
何を持って行き、何を処分しようか。
仕事はどうしようか。
色々な事が頭を巡る。

出ていく事を考えれば
持ち物は少なくていいのか。
断捨離のいい機会だ。

そんな中
一日中、口をきかず目も合わさず
夕飯を作っている横でカップラーメンを食べられる。
一緒にいる意味。
夫婦はお互い見つめ合うのではなく
同じ方向を見て歩みを進めて行くものではないのか。
少なくとも、わたしが望む夫婦はそうだ。
見つめ合うこともなく
見ている方向も違って
どうして一緒にいられようか。

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