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新郎新婦のプロフィール紹介いる?いらない?
なんと!9月も最終日。明日から10月。今年もあと3か月…信じがたい事実です(笑)
私たちブライダルMCにとってのトップシーズン。よく寝て、よく食べて、よく動く。生活習慣整えながら秋も乗り切りましょう!
さて。そんな今日は先日、あるMCさんから届いたご質問
「司会者からの新郎新婦さんのプロフィール紹介って必要でしょうか?」
まだご経験が浅い司会者さんから届いた素朴な疑問。司会者からのプロフィール紹介を入れないケースもある中、これって必要なのかな?とお感じになったそうです。
今日はこのテーマについて私なりの考えをお伝えしてみますね。
たしかに、最近のウェディングでは、お2人のご意向ないしは式場やプランナーさんのスタイルとして「司会者からのプロフィール紹介はナシ」も増えてきてはいますよね。
今のウェディングでは新郎新婦さまの思い出をまとめたプロフィールムービーを上映することがとても多く、映像で見てもらうんだからそれでいい、とのお考えもあります。
プロフィール紹介の有無どう判断する?
そんななか、司会者が原稿を読み上げる形でのプロフィール紹介って必要なんだろうか?と疑問を持つのは至極自然なことだし、こーゆー問いに向き合うことは『より良いウェディング』について考えるうえで、とても大切なことだと思います。
さて。皆さんはどうお考えになりますか?司会者からのプロフィール紹介、本当に必要?
まずはっきりさせておきたいのは、プロフィール紹介が必要かどうかを決めるのは、私たち司会者でもプランナーさんでもなく、新郎新婦ご本人だということ。
結婚するカップルさんが自分達や大切な方々を想って挙げるお式や披露宴なのですから、意味があるかどうか?を判断するのはお2人ご自身であるはず。
(先にも述べた、式場様やプランナーさんのご意向で司会者からのプロフィール紹介はナシを“スタイル”としている会場さんの場合は、それぞれお考えがあってのことだと思うので、一旦ここでは置いておきましょう)
プロフィール紹介の有無を司会者がご提案できる場合において、私たちがすべきことは、お2人が『納得して選べるように』して差し上げること。
そして、お2人が司会者からのプロフィール紹介を望まれた時にはお2人の人となりが伝わるような『魅力的なプロフィール紹介』を叶えること。
『司会者からのプロフィール紹介』がない披露宴ばかり担当している司会者さんの中には、プロフィール紹介文の作り方が分からない、自信がない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、オールラウンダーとして活躍するブライダルMCであるためには、やはりそれでは役不足。いつでもお2人のリクエストにお応えできるように、準備だけはしておくことをお勧めします。
司会者からのプロフィール紹介って、意味あるの?
実はこの新人MCさんのご質問には続きがありました。
「司会者からの新郎新婦さんのプロフィール紹介って必要でしょうか?」という疑問に続いて「あの時間にあまり意味を感じられなくて...」とおっしゃったんです。
こうした言葉が出てくるのも理解はできるし、私も新人の頃ならそう感じていたかもしれません。でも今は断言できます。
司会者からのプロフィール紹介、意味、あります。
というか、このプロフィール紹介に意味を持たせられるかどうかは、司会者次第なんですよね。
もし、司会者からのプロフィール紹介が「意味を感じない」時間になってしまっているとしたら、それは作り手側である私たちがそうさせてしまっているに他なりません。
ということで、ここからは更に掘り下げて、結婚式における『司会者からのプロフィール紹介』の存在意義について考えてみましょう。
プロフィール紹介の本当の意味
そもそも、プロフィール紹介って何のためにするんでしょうか?
それは他でもない、大切なゲストに自分たちのことをよりよく知ってもらうため。
『ゲストの皆さんに私達のことを知っていただきたい』
これは新郎新婦さまがお式や披露宴を挙げる目的としてよくおっしゃることです。
『プロフィール紹介は新郎新婦のことをよりよく知ってもらうため』
ごく当たり前のことを言っているように思えるかもしれませんが、『新郎新婦のことをよく知ってもらうため』のプロフィール紹介、できているでしょうか?
それは決して生年月日や出身地、出身校、勤務先、趣味を並べた文章ではありません。
あくまでも、『新郎新婦の“人となり”が伝わる』ようなご紹介ができて初めて、存在価値のあるプロフィール紹介になると思うのです。
そうしたご紹介ができれば、初めてお会いするお互いのゲストに、パートナーの人となりを知っていただくのはもちろん、自分のゲストに対しても、まだ出会っていない時期のことや意外な一面を知ってもらうこともできますし、
学生時代の友人や勤め先の上司・同僚などにとっては、改めて人柄を感じ今後の関係構築にも影響を与えるかもしれません。親御様や兄弟姉妹、祖父母などの身近な人たちにとっては懐かしさや成長を感じられる時間になるでしょう。
そんなプロフィール紹介であれば、
「あーそんなことあったあった!(懐かしいね)」
「え!真面目そうに見えるのにそんな一面もあったんだ!(意外だね)」と
ゲストの心も動き、お2人とゲストの間に、ゲスト同士の間に様々な形で“思い出”や“気持ち”が共有され、共感や共鳴が生まれる=場の温度を上げることにも繋がるのです。
一般的にプロフィール紹介に使われる時間はおよそ3〜5分。たった数分と思われるかもしれませんが、披露宴においてこのまとまった数分はとても貴重で有用ですよね。その数分は、その場にいるゲストの心を動かし、場を温めるのに充分な時間です。
司会者だからこそできること
そして、もう一つ。忘れてはならない司会者からのプロフィール紹介の重要な役割があります。しかもこれは『司会者が紹介するからこそ』発揮できる超重要な役割です。
第三者であるプロ司会者だからこそ語れることがある
多くの新郎新婦は謙遜してご自身のことを控えめに語りがちです。日本人のさがと言えるかもしれませんが、第三者が思わず特筆したくなるような華々しい学歴や受賞歴といった過去の実績や活躍を自ら人前で語るのはなんだか気が引ける…という方も少なくありません。
例えばこんなご新郎がいらっしゃいました。司会とのお打合せでのこと。
事前にご記入いただいたプロフィールシートに学生時代の思い出はお書きくださっていましたが、出身校の記載は一切ありませんでした。出身校名をご紹介に含めるかどうかについて伺うと「紹介しなくていいです」とおっしゃったのであまり言いたくないのかな?とも想像し、そこについて深く掘り下げることは一旦控えたのです。
しかし、その後学生時代の思い出や現在のご職業をお伺いするうち、実は有名国立大学のご出身であることやさらには大学院で学ばれていたお話、おまけに3兄弟全員が同じ国立大学ご出身というお話まで出てきたのです。
そこで私は今一度お尋ねしてみました。「先ほどは紹介しなくていい、とのことでしたが、親御様のお気持ちを想像した時いかがですか?もし私が〇〇さんの親だったら、声を大にして自慢したいです(笑)」と冗談も交えながら…
すると、「あぁ…たしかに」と考えるご様子のご新郎と、「そうだよ。ちゃんと紹介してあげた方がいいよ」とおっしゃるご新婦。結果、プロフィール紹介に出身校も含めることになりました。
努力して華々しい結果を手にしたのは新郎新婦ご本人であることに違いありませんが、それを語られて嬉しいのは、ご本人達以上にサポートし続けた親御さんでもあるでしょう。
この時改めて、『第三者であるプロ司会者だから叶うプロフィール紹介』の価値と存在意義を実感したのでした。
「平凡な人生」のお取り扱い
その一方で、「取り立てて語れるようなことがなくて…」とおっしゃる新郎新婦さまも多くいらっしゃいます。ご自身の半生を「とりとめもない」「ごくふつーの人生」と捉えていらっしゃるケースもとても多いですよね。
そんな時、プロフィール紹介はどんなふうにまとめたらよいでしょう?
言わずもがな。人の人生は十人十色。その人が経験してきた出来事や思い出、出逢いのひとつひとつすべてが、その方の人生を織りなす大切なピースです。本人達が「平凡な人生」とおっしゃる日々の中にも必ず、その人なりのドラマがあります。
お2人の言葉に耳を傾け、想いを汲み取り、ご本人達のおっしゃる『平凡な人生』のなかに、どんなピースを見つけ、どんな物語としてまとめあげるか?はまさに司会者の感度や腕に拠るところ。
そうしてまとめた『プロフィール紹介』にお2人が喜んでくださったとき、「私の人生も捨てたもんじゃないですね」と感激してくださったとき、得も言われぬやりがいや充実感に満たされるのは私だけではないはずです。
むすびに
いかがでしたか?
皆さんは普段、どんなプロフィール紹介をしていますか?その数分とどんな想いで向き合っていますか?
是非、お2人や親御様にとっても嬉しく、ゲストにとっても心温まる『物語』のようなプロフィール紹介で、有意義なひと時を演出しましょう。
繰り返しになりますが、プロフィール紹介は、決して形式的なものではありません。しなければならないものでもありません。けれどその時間があるとしたらそれは、新郎新婦の人生を言葉で紡ぎ、ゲストの心を温め、そして大切な1日を『より価値ある』1日にできる大切な時間なのです。
その物語を紡ぎ出し、伝えるのは他でもない私たちブライダルMCです。
この役割の重要性を心に留め、これからも目の前のお2人に向き合っていきましょう♡
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