『数字の象形』《おとぎばなし》「13」最終話(777文字)
「13」
これから、どうなっていくかじゃと?
そうじゃのう。
世の中は、平和に向かっていくはずじゃろう。
いまは社会情勢が、とても不穏になっておるがの。
人々の意識は今、大きく変わろうとしておる。
「13」は、不吉な数と言われとった。
ときに、ある宗教の教義においてな。
じゃが、この数の本質的な意味を知れば、それが、吉の前兆、「吉兆」を示す数字であることが分かるはずじゃ。
教義によって大衆を畏れさせ、この数を人々から遠ざけ忌み嫌う数として封印してきたのじゃ。
それは、じつは全くの反対だったのじゃ。
この不穏な世の中を、含んで超えていくには、この「吉兆」の数字の象形に潜む意味を知ることじゃ。
「3」のところですでに話したが、それは、そもそも他者視点の認識じゃった。
「3」では、上下の視点は未だ単に存在という段階じゃった。
これに十の位の「1」が加わることで、これら二つの視点が「合一する」ことを表しておるのじゃ。
存在の意味をより深く認識するということじゃな。
どうかな、この意味はとても深淵じゃが、結局のところ、「我ー汝(他者)」の関係に他ならぬのじゃ。
自分という「我」が、「13 」の意味を知ることで初めて「我」に還る、ということじゃ。
そうすることで、本来の自分に戻り、忘れていた「我」を取り戻していく、という物語なのじゃ。
「数字の象形」最後の物語じゃ。
神は申された。
神は其方自身の中に在る、と。
これで、このお話はおしまいじゃ。
また、どこかで、きっとこのお話の続きを聞くことがあるじゃろう。そのときは、このことを思い出すと良い。
また出会える日が必ずくる。
それまで、この不吉な「13」という象形に、反対の意図が含まれていることを覚えておくとよい。
それでは、またどこかでお会いしよう。
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