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【左脳と右脳の不思議な関係:脳、意識、私たちの存在とは/ジルボルトテイラー著ホールブレインから見た私】

左脳と右脳の不思議な関係:脳、意識、そして私たちの存在

ジル・ボルト・テイラー博士の著書『ホールブレイン』は、彼女自身が脳卒中を経験し、左脳が機能を失った状態でどのように右脳がその役割をカバーしたかを詳述しています。

この体験を通じて、私たちは脳の働きについて新たな視点を得ることができます。この記事では、左脳と右脳の役割、意識の本質、そして脳科学や量子力学の知見をもとに、私たちの脳がどのように意識を形成しているのかを探ります。

左脳と右脳の役割:独立と統一の視点

左脳は、主に論理的思考、言語、計算、分析などを司り、私たちが自分を「一人の独立した存在」として認識するのに重要な役割を果たします。

左脳が正常に機能している時、私たちは物事を文脈に基づいて理解し、過去の経験や知識に基づいて将来を予測する能力を持っています。

これが、私たちが日常生活を送り、社会的な文脈の中で自己を認識するための基盤となっています。

一方、右脳は、空間認識、直感、創造性、そして感情の理解を担当しています。ジル・ボルト・テイラー博士が脳卒中を経験した際、左脳の機能が失われた結果、右脳が世界との統一感を強く感じさせました。

右脳は、私たちを「個」としてではなく、世界と一体化した存在として感じさせる役割を持っています。

右脳が支配的になると、私たちは自分と他人との境界が薄れ、全体としての「一つの存在」として世界を認識するようになります。



意識と脳:どちらが先か?

このように、左脳と右脳がそれぞれ異なる役割を果たすことで、私たちの意識は「個」としての自分と「全体」としての世界の間で揺れ動きます。

しかし、ここで重要な問いが浮かび上がります。

意識とは一体何なのでしょうか?

脳が意識を作り出しているのか、それとも意識が脳を通して私たちに現れているのか?

脳科学者たちは、意識が脳の神経活動の結果であると考えることが一般的です。

神経科学者クリストフ・コッホ(Christof Koch)は、意識を「脳の中で何が起こっているかを私たちに知らせるためのシステム」と定義し、意識が脳の特定の神経ネットワークによって生み出されていると主張しています。

しかし、量子力学の視点からは、意識が物理的な脳の外にある可能性も考えられます。

量子物理学者デイヴィッド・ボーム(David Bohm)は、意識が宇宙全体の一部であり、私たちが知覚している現実はその一部が脳を通じて現れているに過ぎないと提案しています

。この考えに基づけば、脳は単なる「受信装置」であり、意識はより広範な現実から「降りてくる」ものとして捉えることができます。



量子力学と意識の関係

量子力学の世界では、観測されるまで物質は波の状態にあり、観測されることで初めて粒子として存在が確定するという「観測者効果」があります。

この現象は、私たちの意識が現実を作り出しているという考え方を支持するものです。

もし意識が脳によって作られているのではなく、量子的なプロセスによって生成されるものであるなら、私たちの認識している世界は、意識によって構築された「仮想現実」に過ぎない可能性があります。

この考えは、意識がどのように私たちの現実を形作っているのか、そしてそれが物理的な脳の活動とどのように関連しているのかを考える上で重要な視点を提供します。



結論:脳とは何か、意識とは何か?

ジル・ボルト・テイラー博士の体験を通じて、私たちは左脳と右脳がどのように異なる視点から世界を認識しているかを学ぶことができます。

左脳が機能を失っても右脳がそれを補い、私たちが一体化した世界を感じることができるという事実は、意識がどのようにして私たちの存在を形作っているのかについて深い考察を促します。

しかし、意識が本当に何なのか、そしてそれがどのように脳と結びついているのかについては、まだ多くの謎が残されています。

脳科学と量子力学の知見を組み合わせることで、私たちは意識の本質に一歩近づくことができるかもしれません。

最終的には、意識とは何か、脳とは何かという問いに対する答えを求めて、私たちは新たな理解の扉を開く必要があるでしょう。


参考文献

  1. Taylor, J.B. (2006). My Stroke of Insight: A Brain Scientist's Personal Journey. Viking Penguin.

  2. Koch, C. (2004). The Quest for Consciousness: A Neurobiological Approach. Roberts and Company Publishers.

  3. Bohm, D. (1980). Wholeness and the Implicate Order. Routledge.

  4. Penrose, R. (1994). Shadows of the Mind: A Search for the Missing Science of Consciousness. Oxford University Press.

  5. Hameroff, S., & Penrose, R. (1996). "Orchestrated Reduction of Quantum Coherence in Brain Microtubules: A Model for Consciousness". Mathematics and Computers in Simulation, 40(3-4), 453-480.


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