【ココロハチマキ】旅は人生のお師匠さん#8
ラオス・カンボジア編8
カンボジア シェムリアップ郊外
カンボジア、アンコール遺跡のひとつ、バコン。
その入り口に自転車を止めて入っていくと、
遺跡の手前で座り込んでいる女の子が目に止まった。
膝の上にノートを広げ、となりの石の上に教科書を広げている。
この遺跡の受付で働くお母さんを待っているのだろうか。
そっと覗いてみると、
ノートにはびっしりとクメール文字がならぶ。
ときどき教科書に目をやりながら
ぼくの存在に気づかず
黙々と鉛筆を走らせていた。
遺跡を見学し戻ってきても、
まだ彼女は同じ場所で、同じように勉強をしている。
勉強が好きなのだろうか。
いや、好き嫌いではなく、
彼女は自分の未来を鉛筆を走らせる延長線上に
しっかりと見据えているのではないか。
どこか凄みを感じる彼女の姿が
そう物語っているようだった。
難しいことや、わからないことが
目の前にやってきた時
ついついできない理由を探してしまう。
時間がない、環境が整っていない、ネットワークがない・・・
自分を守るための、できない理由探しは、同時に
チャンスを逃す理由探しにもなっているんじゃないか。
やるべきことに環境は関係ないよ。
彼女がそう教えてくれているようだった。