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Cocoda Trainingをクローズする理由と、これからCocodaが目指す「しくみ」の民主化

Cocoda Training(デザインのトレーニング機能)を、2022年9月30日にサービス終了するお知らせを本日公開しました。

このnoteでは、2018年5月のβ版リリースから4年4ヶ月の間提供してきたCocoda Trainingをクローズする理由と、これからCocodaが目指すものについてまとめています。

なお、これまで投稿いただいた作品の返却など、クローズに関する詳細な対応に関しては、登録ユーザーの方にメールをお送りしていますので、そちらをご参照ください。(お問い合わせはこちら)

Cocoda Training「デザインのトレーニング機能」が生まれた背景

Cocoda Trainingは、2017年末に創業メンバーの友人から言われた「デザイナーになりたいけど、どうすればいいか分からない。助けて欲しい。」という一言からはじまりました。

お題に取り組みながらデザインを身につけるCocoda Training

当時、デザインを学ぶ環境はスクールか美大しか思いつかないような状況でした。誰でもオンラインでデザインを実践的に学べるCocoda Trainingという選択肢は、多くの方に受け入れられるものになりました。


2018年5月にβ版をリリース、2018年9月に正式版をリリース、以降も「企業コラボお題」「Daily Cocoda」などデザインを実践的に取り組めるようになる機能を数多く提供してきました。

UI, グラフィックなど、50のお題に取り組めるDailly Cocoda
オイシックス・ラ・大地さんと共同開発、研修にも使っていただいたコンテンツ

4年間で、Cocoda Trainingには35,000人を超えるユーザーの方々が登録してくれました。また、Cocoda Trainingの公開以降、デザインの学習サービスがいくつも生まれています。

4年間で35,000人を超えるユーザーの方からの登録

これまで独学でしか学べない印象があったデザインを、オンラインで手を動かしながら学ぶ、という解決策が受け入れられたということだと考えています。

結果として、Cocoda Trainingを通してデザイナーとして働き始めた人も多く生まれました。自分たちの思想が受け入れられ、誰かを助けることができたのだと実感できました。

4年間、「デザインを誰もが扱えるものにする」という思想を常に掲げ、改善を繰り返してきました。


「見た目のデザインを身に付ける機会」だけでは解決しないもの

一方で、Cocoda Trainingを通して解決できないことも見えてきました。

経験豊富なデザイナーの採用

この数年間、デザイナー採用の現場では「経験豊富なデザイナーを採用したいけど難しい」という声がしきりにあげられています。

その背景の多くは、組織としてデザインへの投資を増やしたいが、どのように取り組めば良いか分からないので、そもそも経験が豊富な人を採用していきたいというものです。

しかし、国内でデジタルプロダクトのデザインに関わる人口はおよそ1万人ほどしかおらず、その中で経験豊富なデザイナーを採用しようとしても難しいため、デザイン組織づくりが進んでいるチームはごくわずかです。

このような状況の中で、Cocoda Trainingを通じて「見た目のデザイン」を学習する人が増えても採用が行われないような場面に多く出会ってきました。


幅広いデザイン業務のアウトプット

また、前回のnoteで述べたように、デザイン業務に取り組む場面では、「見た目のデザイン」以上に幅広いアウトプットが求められることが増えています。

例えば、以下のような取り組み。

デザインの役割が広がる中で、これらの取り組みもすべて、デザイン活動として扱われるようになっています。

もはや「見た目のデザイン」を身に付けるだけではデザイン業務を進めることができないような状況の中で、Cocoda Trainingの内容と企業内のデザイン活動との差分が浮き彫りになってきました。


Cocoda Trainingのクローズと、Cocodaへの注力

「見た目のデザインを身に付ける機会」を広げた、Cocoda Trainingのクローズ

Cocoda Trainingが「見た目のデザインを身に付ける機会」を世の中に広げたこと、そしてそれでも解決されない課題があることを認識した上で、Cocoda Trainingはサービスとしてクローズすることを決めました。

常に掲げていた「デザインを誰もが扱えるものにする」という思想に対しては、先述したように「見た目のデザインを身に付ける」だけでは不十分であることが分かったためです。


Cocodaで「人がより良く行動できるしくみ」を民主化する

今後は、「デザイン組織づくり」「デザイン業務の進めづらさ」の両方の課題を解決できるサービスとして、Cocodaに注力していきます。

Cocodaには、プロダクトデザイン・コミュニケーションデザイン・組織デザインなど幅広い場面での、現場の「しくみ」づくりの事例(デザインケース)がさまざまなチームから集まっています。

Cocodaに集まるのは、人がより良く行動できるしくみの事例です。これらがオープンに活用されることで、デザイン活動に取り組みやすく、デザインに取り組む組織が増えていくことに繋がると考えています。

それは、これまでCocoda Trainingを通じてデザイナーになった人たちを支え続けることでもあります。


Cocoda Trainingでは「見た目のデザインを身に着ける機会」の民主化に取り組んできました。

これからは、「人がより良く行動できるための『しくみ』」の民主化に、Cocodaで取り組んでいきます。


デザインを誰もが扱えるものに

これまでCocoda Trainingを利用してくれた全ての方に、深く感謝しています。本当に、ありがとうございました。

Cocoda Trainingの実験を経て、almaは多くの学びを得ることができました。その学びから、Cocodaをはじめ複数のプロダクトをつくることができています。

Cocoda Trainingは、1人の「助けて欲しい」という声から始まりました。almaの原点は、あくまで1人の熱狂に寄り添うことだと心に刻みつつ、これからも、デザインを誰もが扱えるものにするための実験を繰り返していきます。

このnoteに対する感想やこれからのデザインの未来についてお話ししたい方は、こちらからお気軽にご連絡いただければ嬉しいです。


*今回のCocoda Trainingクローズに関するご質問などはこちらのフォームよりお問い合わせください。


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