【初心者向け】普遍的エクスペディションガイド【改】
2020/12/15にDEKKI.JPに投稿した記事の改稿です。
◆ここちいについて
はじめまして。
リミテッドメインのプレイヤーです。
ルーンテラでは、構築戦も、シーズントーナメントプレイオフ、世界大会 出場。
エクスペディション、7勝31連続、35連勝、7勝終了率 霊峰71/81 帝国67/75 バンドル46/54 など。
◆エクスペディションとは?
「Legends of Runeterra」の独特なシステムで行われる
即席デッキでの対戦モードです。
毎試合終了時にデッキ内容が向上できるため、さながらexpedition(探検、遠征)する気分が味わえます。
これまで経験した他のゲームの即席デッキモードとは圧倒的に異なっており、選んだアーキタイプから出現するカードが絞られているため、即席でありながら意図してシナジーしたデッキになるのも魅力です。
ルーンテラのエクスペディションは頭二つほど抜けている面白さだと思っています。素晴らしいです。
即席モード共通の魅力として、毎回異なるデッキが出来上がり、相手のデッキもより多岐にわたるため、飽きにくく、発見が多いです。
「よくわからない、だから面白くない」、という方を、「よくわかった!面白い!もっとやってみよう!」と変化させたいなと思いながら執筆しました。
よろしくお願いします。
◆構築戦との主な相違点
即席デッキであるということ
当たり前な事実ですが、どういう影響があるか考えます。 ドラフトの掲示カードには運が絡みます。ある程度収束し選択の余地があると考えても運が悪く弱いデッキができることもありえます。逆もしかりです。
デッキの中身を記憶しづらいです。慣れてないうちはデッキの中身を確認できる状態にして対戦に進むのが望ましいと思います。
デッキに付け入る隙が生まれやすいです。意識して隙を埋めた方が良いと思います。押し付ける側に回れるならその限りではありません。
デッキ枚数
0勝時は30枚。1-2勝時は33枚。3勝以降は36枚デッキになります。 デッキ切れによって負けない限りは枚数が少ない方が圧縮率が高く強い状態とみなすことができます。 デッキ圧縮の追い風を過剰に受けるディープ持ちカード達は、エクスペディションの序盤で猛威を奮います。中盤以降も強いです。チャンピオンが少ないことによる影響
構築デッキであれば、40枚のデッキの中に6枚のチャンピオンが搭載できます。 2種類の高相性チャンピオンを3枚ずつ積むといった構築デッキはエクスペディションでは組めません。 エクスペディションでは、30枚の中に2枚。33枚の中に3枚。36枚の中に4枚です。
しかし、1種類3枚までは確実に狙えるため、メインチャンピオン1枚で回るデッキであるならば構築よりも安定させることができます。 問題は1勝目です。まず、30枚中チャンピオン2種類各1枚の状態で2敗する前に1勝しなければなりません。
カード枚数制限がない影響
同カード3枚制限がエクスペディションでは無制限です。コモンは特に集めやすく、レアもそれなりに集まります。 圧縮された30枚デッキの中で、強力なコンボが2枚ずつでも構築と遜色なく、それより多ければ多いほど安定します。 コモンで完結する戦略はエクスペディションではとても強力なものになります。 なお、チャンピオンもトレードピックで4枚体制にできることがあります。 チャンピオンなので相手にバレてしまいますが、シナジーしてレベルアップできるならば凄まじいデッキパワーを発揮するでしょう。3地域デッキを組むことができる影響
これも構築戦では不可能なデッキを再現することを可能にします。 ケアの観点でも3地域デッキは対策困難で強力ですが、肝心な自分のデッキのシナジーが薄くなるという弱点もあります。 ハイマーディンガー + ラックス といったスペルコンボチャンピオンの組み合わせに、 復讐 といった確定除去を持たせることができます。 多様性を活かしやすい、コントロール・コンボデッキなどに大きな恩恵があります。 優秀なカードをタッチするために地域を広げる戦略ももちろん有効です。
◆ドラフト指針
まず、リミテッドの基本ともいえる部分を箇条書きで紹介します。 ルーンテラのエクスペディションはこの限りではないので、慣れてきたら頭の片隅に追いやって大丈夫です。
・コスト比基本ステータスの大きいユニットは強い
・イルーシブは強い
・ユニットを直接倒すことのできるスペルは強い
・コンバットトリック(戦闘補助スペル)は強い
・コンボデッキは成立が困難で弱い
・地域評価
各地域を扱いやすさ順で紹介します。強さランキングではありません。
・デマーシア 扱いやすさ5
サイズの優秀なカードが多く、安定していて使いやすい。チャンピオンも分かりやすい。戦闘補助スペルも優秀。 グッドスタッフ構築の適正がもっとも高い安定地域。
・ノクサス 扱いやすさ5
低コストが良質で、高コストもオーバーパワーを持っており、ライフダメージ効果も多く攻めの一貫性がある。 スペルも独特で強い。チャンピオンは脳筋と曲者に分かれるが全てノクサスの一貫性には添う。
・フレヨルド 扱いやすさ4
デマーシア同様サイズが優秀なカードが多い。低コストには即座に強いカードが少なく、中盤以降のコスト帯にて強力なカードを展開できる。 チャンピオンの性能は随一。スペルには扱いづらいものが混ざっており、イエティ・エルヌックといったリスクもあるため扱いやすさ4。
・シュリーマ 扱いやすさ4
ユニットサイズ、効果ともに高水準。無防備付与が多く存在し、相手のシステムユニット処理能力が高い。ランドマークを絡めたコンボはドラフト難度高めである。スペルは使いにくいものが目立つ。
・バンドルシティ 扱いやすさ4
カードを生成する能力が異常に高い最終地域。トリスターナ以外のチャンピオンが複合地域持ちであり、各地域の強みをさらに伸ばせるような安定感がある。リミテッドでのリソース供給力は単純かつ強力。
・アイオニア 扱いやすさ3
豊富なイルーシブを持つ地域。分かりやすい攻めチャンピオンである ゼド がいるが、残りのチャンピオンはテクニカルなものしかいない。スペルも強力だが曲者揃い。 ゼド とイルーシブを集めるつもりならば扱いやすさは5でいいのだが、総合的に見てそこまで扱いやすいとは言えない。
・ターゴン 扱いやすさ3
霊峰の呼び声で登場した地域。霊峰環境を通して繰り返し弱体化をうけたが、いまだ群を抜いて強力。 特筆すべきは「招来」。若干のテンポロスこそあれ、3択から状況に応じた都合のよいカードを取り出すことができ、状況解決や警戒、フィニッシャーの調達など、異常なパフォーマンスを見せる。 パーツ取りでも優秀。
・シャドウアイル 扱いやすさ2
ラストブレス、エフェメラルと言った死が絡むシナジー地域。全地域の中で最も単地域が推奨され、チャンピオンもシナジーを要求してくるため、ピックが難しい。 除去スペルは全地域最高のものを持っている。そのためタッチの需要は高い。
・ビルジウォーター 扱いやすさ2
かつては汎用的な地域であったが、タムケンチ、パイクなど、コンセプトに特化すべきチャンピオンが後発で追加されたため扱いやすさが低下した。ミス・フォーチュン、ガングプランクなどのビートダウンチャンピオンは扱いやすい。 特筆すべき「ディープ」を持つカードが最序盤で非常に強力。
・ピルトーヴァー&ゾウン 扱いやすさ1
ユニットサイズが低め。癖の強いカードしかない。ダメージスペルは優秀。一部はライフダメージにすることもできる汎用性の高さ。 チャンピオンはアグロとコンボに2分される。コンボデッキはエクスペディションに慣れてきたらやってみてください。
・チャンピオンピック
開幕に2回、1勝時と3勝時にも発生する最も重要なピックフェイズです。
1stチャンピオンピックはランダムです。
2ndチャンピオンピックでは、1stチャンピオンピックで2地域のアーキタイプを選んでいる場合、対応する地域が1枠確定で選出されます。 そこで出現するアーキタイプおよびチャンピオンはランダムです。 1stのアーキタイプの対応地域側に欲しいカードが多い場合などにこの連鎖を利用するといいでしょう。
画像は開幕チャンピオンピックと2ndピックです。 「シールドウォール」の シェン は主軸に据えるならばデマーシアに連鎖して「チャレンジャー」を収集していきたいので、連鎖を前提にピックするべきチャンピオンと言えるでしょう。
1勝後と3勝後のチャンピオンピックは、今まで選んだチャンピオンピックのチャンピオンが確定で出現します。 空きがあればデッキの中に含まれるカードの傾向から3種類目が決定されます。 エクスペディションの仕様に理解があれば、3種類目のチャンピオンを操作することも可能となっています。
・シナジーピック
対戦前の最初のドラフトでワイルドピックと交互に6回行うピックです。 デッキに含まれる傾向が高いものが選出されます。 直前のワイルドピックで選択したアーキタイプも、確定ではないが補正を受けて出やすくなっているように思います。 チャンピオンを活かすシナジーデッキが組めるのはこのフェイズのお蔭ですね。
・ワイルドピック
対戦前の最初のドラフトでシナジーピックの直後に6回くるピックです。 基本的にはデッキの傾向の影響を受けず、選出されます。フェイズ6までは3地域目を取るチャンスも来ます。
このワイルドピックには2種類の作用があり、
・ワイルドピックボーナス確率
自分のデッキの一番強い傾向のアーキタイプがこのボーナスを持っている場合、そのアーキタイプがワイルドピックで出る確率が上昇します。
・自己依存度評価値
汎用性の低いシナジー寄りのアーキタイプほど、それらの要素をデッキに含まなければワイルドピックからタイミングを境に出なくなる仕様です。 よって、ワイルドピックも終盤にかけて質が安定していきます。
・トレードピック
デッキ中のカードを3択から交換するピックです。 試合前の最後に1回、脱落にならない敗北時、1・3勝以外の勝利時に発生します。 6勝目後のトレードピックはそれまで無敗であれば7回。敗北時のトレードピックを行った回数に応じて回数が減ります。 このトレードピックがあるからこそ、"強いカードと弱いカードのセット"を取るという選択肢が生まれるのが良いですね。
◆プレイング
・自分のデッキで狙うべき勝ち筋を理解する
構築戦でも当然同じことが言えますね。 即席デッキ対決かつ、相手との噛み合わせありき、手札や戦局によって最適なプランが変わるなどと難易度は上がります。
普遍的なこととしては、
・アグロデッキならば全力でライフを削る動きを
・ミッドレンジデッキならば強力な盤面を形成し、差分のダメージで圧倒する
・コントロールデッキならば良効率ユニットや除去呪文でアドバンテージを稼ぎ、フィニッシャーにて終局
といったところでしょうか。
・マリガン(開幕引き直し)
デッキは即席。構築戦とも条件が大きく異なるため、独自の考え方が必要です。「構築戦との主な相違点」を再確認してみてください。もちろん自分のデッキの中身と相手から得られる情報、チェンジ前の手札によって最適なプレイは変動します。安定・強気それぞれにメリットデメリットがあるため、明確に理由づけできていればいいと思います。
・序盤のテンポ(展開・処理とその効率)は超重要
"コモンを軸にした戦略は構築戦を超える"と「カード枚数制限がない影響」で説明しました。 序盤で登場する低コストカードにはコモンが多いです。 2ターン目までに計3マナを使えますが、先行後攻問わず、2ターン目に形成した盤面で殴ることはできます。 アグロデッキが全力の展開を成功させて、2Tまでに何もできない状態であると、ライフの半分程度を失ってしまいます。 もちろんアグロ側も事故・アドバンテージ・解答のリスクを負っています。 どこまで意識するかどうかもメタゲームのチキンレースなのですが、どんなデッキであっても最序盤の動きは確保したいです。
・そもそも防御側が有利なシステムである影響
アグロデッキの全力展開が強烈であることは説明しましたが、アグロデッキだらけにならない背景として、 "同程度の盤面であれば防御側が任意の戦闘を行えるため有利"であるルーンテラのシステムが影響しています。 序盤から隙を見せないミッドレンジデッキが最多勢力であり、ミッドレンジに対してアグロデッキは大幅に不利です。 アグロに限らず盤面が拮抗すると攻める側が不利なため、 「クイックアタック」「チャレンジャー」「オーバーパワー」などを絡めたり、 「イルーシブ」で空中戦を仕掛ける、といったキーワード能力が攻めるにあたって重要にもなります。
・ミスをしやすいことと対策
即席デッキであり、普段見ない・使わないカードも飛び交うエクスペディション。 最大でも10戦程度で消えてしまうデッキであるため、そもそもデッキに慣れることが難しくミスが多発します。 ルーンテラというゲームはそもそもプレイ難度も高く、即席デッキでもミスをしにくいプレイヤーは単純に強いはずですよね。
対策の基本は、"じっくり時間を使って考えること"です。手なりでプレイするのは避けましょう。 相手がじっくり考えている間も、なにかしらの思考を巡らせておくといいプレイに繋がると思います。
「オラクルの瞳」を活用するのはかなり有効です。
◆その後のステップアップ
上達におけるポイントをざっと箇条書きでまとめてみました。
・全カードの把握
・アーキタイプと対応チャンピオンの把握
・ピック時にアーキタイプを確認して後の影響を考慮する
・チャンピオンと色、出してきたカードから相手のデッキの中身を想像する
・相手の手札を想像する
・相手が自分の動きに対して解答を持っている場合のリスク管理
・割り切ったプレイに切り替える基準を決めておく
・相手のプレイの真意を探る
◆あとがき
現パッチでしか通用しない内容を極力避けて、長期的に有用なガイドを目指しました。
史上最高のリミテッドモードであるエクスペディションを楽しめる方が一人でも増えれば嬉しく思います。
質問や意見交換なども大歓迎です。
YouTubeには動画があります。ドラフトやプレイを参考にしたい方はぜひご覧ください。 https://www.youtube.com/channel/UC9Lk9LCxwjAGxaRTkFrmN6A
twitterもやっています。 https://twitter.com/cococheech
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?