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走るぐらいなら遅刻した方がマシである。

 走っていて足がもつれて転ぶ……

 そんなシーンを何度も目にしてきたボクなのだけど、若い頃はなんで転んでしまうのかよくわかっていなかった。
 足がもつれるという感覚が今ひとつわからなかったのである。

 そもそも鈍足なボク。
 子供の頃から走るのは遅かった。
 走るのが速い子というのは小学生では、もてはやされる。
 幼少期に走るのが遅かったボクは小学生時代に自分には運動は向いていないという思いを自分自身で刷り込んでしまった。
 これは後になって気づいたのだけど、足の速さと運動神経にはまったく因果関係はない。

 瞬発力を鍛えるために、短距離を何度も走ったり、スタミナをつけるために長距離を走ったりすることは、どのスポーツにおいても必要なトレーニングではある。
 だけど走るのが苦手なボクはずっとそういうトレーニングを避けて生きてきた。

 未だにそうなのだけど走ることはあまり好きではない。
 特にスポーツを楽しんでいる時に走るのはいいのだけど、日常生活の中で急がなければいけないシーンに出くわして走るのはホントに嫌だ。

 学生時代から今に至るまで、時間が守れないボクは何度も遅刻しそうになる憂き目にあっていた。
 そんな時、周りの友人達は走って遅刻を回避していた。
 でもボクは走るのが嫌だったので歩いていってそのまま遅刻した。

 なんでそんなに急ぐ必要があるのだろうか?

 いや……
 まあ、遅刻するからだろうけど……
 そして遅刻したら人に迷惑をかけるからだろうけど……

 だけど、そんなに走って、はあはあ言いながら息を切らして余裕のない状態で到着するぐらいなら、もう遅れてもいいや……そんなふうにボクは考えてしまうのだ。

 このあたりが社会不適合者なのだろう。

 でもこれでもなんとか社会で仕事はできている。
 焦って失敗するぐらいなら多少遅れたほうがいいのだ。
 遅刻はいけないことなので時間に余裕をもって行動するために何ができるかを考えなければボクのような人間は遅刻を繰り返してしまう。
 自宅にいるときは妻に早めに声をかけてもらうようにしているし、仕事のときは出発しようと思う30分前には何も仕事をしないようにしている。
 こうやって努力しているにもかかわらず出る寸前に電話が鳴ったりして遅刻してしまうこともあるのだけど、これだけでだいぶん、時間は守れるようになった。

 電話にしても、今から出かけるからと言って断ればいいのだけど、断ったら用件だけが気になってしまい外出先での仕事に集中できない。
 だから仕方なく対応してしまうのだ。

 ボクのような人間にはメールを活用してくれないかなと本当に思うのだけど、ボクが時間が守れない社会不適合者ということを周りは知らないしこちらから伝えるわけにもいかないからこればかりはどうしようもない。

 話を元に戻したい。

 遅刻しそうにもかかわらず走るのが嫌なボクだけど、若い頃はちょっと走っても転ぶことはなかった。
 ところがここ最近。

 足が前に出ないのだ。
 気がついたらバランスを崩していることが多い。
 そして転ぶことが多い。
 だから余計に走りたくない。
 普段から身体を動かすことはあまりしないから、これからこれが改善されることはなさそうだ。

 時間を守ることは工夫一つで解決できたが、身体を動かして健康を保つことに関しては工夫も何も、とにかく自分を律して運動するしかないのだ。

 うん。
 そんなことボクにできるわけがない。

 まったくもって不健康なことこの上ないが、もしできるようになったらどうやってできたのかを書いてみたいと思う。

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