ななみとまおこの楽しい毎日 第一〇話
ある日、くまがショッピングセンターに行きました。
すると、店の入り口で、かわいい女の子が金魚すくいの屋台をひらいています。
「じょうさん、おれと少しデートしませんか?」
くまは、そう言って女の子をさそいます。女の子は、あいまいに笑って首をふります。
くまはなんとかしてこの女の子をデートにさそおうと思いました。そしてショッピングセンターに入り、おいしそうなチョコを買います。
「今はバレンタインじゃないけど、おれがバレンタインだと思ったら、周囲もそれに合わせなきゃいけないんだよ。キサマわかったかゴルァ!」
くまはそう言って、店員さんに胸をはります。
さて、くまがチョコレートを持って外に出ると、女の子はいませんでした。かわりに、ななみが金魚すくいをしていました。
「ななみさま、ここらへんにかわいい女の子がいませんでしたか?」
くまは、ななみにたずねます。
「なぁに、かわいい女の子はわたししかこの世にいないでしょ!」
ななみはそう言って、ロックを踊ります。
くまは、ななみだけは殴らないと心に決めていましたが、もうがまんの限界でした。
いきなり、殴りかかってきます。
ななみは、これをひょいとかわしました。くまは、いきおいあまって、床に頭をうちつけます。
ドスン!
くまは、ふしぎなことに気付きました。床にものが当たるひびきが、いつもと違うんです。
くまは、頭をうちつけた床を見てみます。
すると、とてもわかりにくいマンホールになっているではありませんか。
くまは、マンホールを開けてみました。そこに、さっきの女の子がいました。悪の組織に、閉じ込められてしまっていたのです。
かわいい女の子は、言いました。
「くまちゃん、ありがとう! 大好きっ!」
それを聞いたくまの頭から、マグマが大量発生しました。
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