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「お兄ちゃんはおしまい!」2話に気づいた所。※生理ネタ
2023年の冬アニメ「お兄ちゃんはおしまい!」で気づいた点いろいろ。
このアニメのストーリーを簡単に説明すると自堕落なニート生活を送っていた「お兄ちゃん」こと「緒山まひろ」に、博学な妹「みはり」が「女性になる薬」を一服盛る、というTSF(性転換)コメディ作品です。
そんな作品の2話で気づいたところをちょくちょく。
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2話、女の子に改造されてしまった「(元)お兄ちゃん」ですがそれで避けられない展開が。タイトルに有るように「まひろと女の子の日」、直接的にいうなら「生理」の描写です。
監督が言っていましたが、どうしても男性視点的な「濃い」描写になってしまうため、女性脚本家を取り入れて中和?しているのですが、今回コンテを書いた「伊礼えり」さんがすごい。
この方は「虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」1期11話でとんでもないシーンをぶち込んでネットを騒然とさせた方で、「虹ヶ咲」のこの回は多くのメタファーが含まれていた回でも有りました。
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そして「お兄ちゃんはおしまい!」2話もまたメタファーがあります。この作品には1話から共通して描写されているものとして鳥の「スズメ」と植物の「花」があります。スズメは見れば分かることですがキャラクターたちの心情をスズメたちの動きで表しています。注目してみてください。
そして「花」。
こちらは「花言葉」。花にはそれに基づいた言葉が存在します。
1話はブラジャーを買ったシーンの直後の「アザミ」で、「アザミ」の花言葉で有名なのは「触れないで」ですが、これはお兄ちゃんの女の子扱いされる葛藤への心情をよく表しています。
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そして2話は生理が発覚し混乱するお兄ちゃんの直後のカットで「椿」のカットがあるわけですが、「椿」の花言葉は「誇り」「控えめな優しさ」であり、これは女性であることの「誇り」を表しており、また兄を気遣う妹の優しさを、この花で表現したのだと思います。
そしてもう一つのメタファーがここ。
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お兄ちゃんは女性のトイレの仕方が分からずロングスカートをガバッと頭に被せるという珍妙な格好をしているのですが、なにかに気づくかと思いますがここ「修道女メタファー」なんですよね。
一般的にはキリスト教では処女性が重視されますが、元男のお兄ちゃんに処女性のメタファーをぶっこんでくる、ある種の皮肉描写であり、「伊礼えり」さんキレキレです。
ちなみに左下にちらっとビデが写り込んでるのも偶然では無いでしょう。
実は生理に関する伏線はAパートのお風呂シーンにもあります。
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ケロリン桶。昨今は馴染みが無いでしょうが、昔の銭湯にはほぼ必ずあった有名な「桶(おけ)」です。これはとある薬の宣伝として全国の銭湯に配られたものですが、その薬というのが
「頭痛・生理痛薬 ケロリン」
AパートとBパートは話に直接関連性がないのにBパートの示唆になってるというわけです。
この回は特に伏線、メタファーなシーンが多く、語り尽くせません。
「伊礼えり」おそるべし。
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色々書いてみたらずいぶんヤバい文章になってしまいましたが、基本的には兄妹による軽いコメディです。もしよろしければご覧になってください。
配信等はこちら。
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