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【猫噺#26】さくら猫の季節
3月22日は、さくら猫の日です(どうぶつ基金による)。
さくら猫とは、地域猫の保護活動を行うボランティアや動物病院の協力によって、生まれる猫たちのこと。
地域猫を一時的に捕獲して、避妊や去勢の手術をおこなったのち、リリースする活動を”TNR”と言います。
この活動によって去勢された猫は、目印として片方の耳の先端をV字型にカットされます。この耳の形が、さくらの花びらのようなので「さくら猫」。
さくらの季節に、さくら猫の話題です。
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TNR活動とは?
TNR活動とは、Trap(捕獲)-Neuter(不妊手術)-Return(元の場所に戻す)という一連の作業を指す。
このとき目印として、不妊手術をした猫の片耳をV字型にカットする。そして可能ならば寄生虫の駆除や、ワクチンを施したあとでリリースするのだ。
TNR活動の目的は、ノラ猫に不妊手術をすることで繁殖をコントロールすること。またオス猫を去勢すると、ケンカや尿マーキングが減り、繁殖シーズンの大きな鳴き声もなくなる、というメリットもある。
この活動は、ボランティアや保護団体、獣医師さんたちの連携によって成立している。
手術の資金は、個人や団体、募金、自治体の助成によって賄われている。また基金による無料手術事業や、獣医さんの協力による手術料金の減額など、さまざまな支援が行われている。
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さくら耳は痛い?
殺処分によらない減猫法として、TNRは注目された。
しかし実際の効果については、賛否がある。ノラ猫数が減少するには、コミュニティの70~80%の猫に処置を施す必要があり、また個体数が減少するには時間がかかるからだ。
またせっかく捕獲したのだから、保健所へもっていけ! という意見もある。
捕獲した猫を、また放すなんて!と非難を浴びせられるケースもあり、地域住民の理解を得られるような取り組みが求められる。
耳をカットするなんて残酷。痛いのでは? との見方もある。
去勢手術中にカットするので痛くはない、とされるがこればかりは猫の身にならないとわからない。
耳をカットする理由は、同じ猫を何度も捕獲して手術のための麻酔処置をするのを避けるためだ。
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CoCoはオスですが・・・
どちらの耳をカットするのかは、オスは右耳、メスは左耳とされる。
ウチにいるさくら猫のCoCo(ココ)は、左耳をカットされているのと大人しげな容貌から、よくメス?と聞かれる。
しかしオス。いや元オス。
CoCoの場合TNRのとき、さるカレー・チェーン店に出没する、と聞きつけたボラさんに保護された。どのチェーンなのかは知らない。
その際、左前足のひじ関節が固まって動かなかったので、リリースされずに里親募集された。
以前にも書いたが、保護された老夫婦がネット環境になかったので、代理投稿した人が、足のハンデを隠していた。そこに私が譲渡を申し込んだのだ。
里親募集のシステムを知らないご夫婦が、CoCoをトイライアルに連れてきたとき大喜びしていたので、話がちがうとも言い出せなかった。
けど足が悪いせいで、ぴょんこぴょんこスキップしながら近づいてくるCoCoは無類に可愛らしく、今では代理投稿した人に感謝している。
猫との縁は、ホントに不思議なものだ。
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さくら猫を飼うことは?
・・・できます。
ウチにいるデカ猫のWAON(ワオン)クンも、耳カットはないが、やはりTNR活動で捕獲された猫。
WAONクンの場合はハンデはなかったが、おっとりして人懐こかったので里親捜しに出された。
残念なことに、この世界でもっとも恐ろしい生物である人を怖れなくなった猫は、長くは生きていけないのだ。
WAONクンも譲り受けるときに、預かりさんから大変喜ばれた。デカ猫なので、デカウンチが臭くて閉口していたらしい。
WAONクンに限らず、ウチにいる四匹のうち保護猫だった三匹は、みな来たときにウンチが臭かった。
ウチでは、リモナイトをあげたら便臭は改善された。←個人の感想です。
WAONクンは、前にいた飼い主さんとの生活習慣のようなものが、ときおり顔を出す。
遊びの勢いでテーブルの上に飛び乗ったとき、こちらを見て「ごめんなさ~い!」と言う風に慌てて逃げ出す。
一度も叱ったことがないから、以前の飼い主さんのしつけだろう。
またWAONクンは、私が晩酌をしているといそいそと側に来て、つまみの乾き物をくれるのを待っている。
どうやら前の飼い主さんは、私と同じ酒呑みだったようだ。
猫にはよくないので、ほんの一口だけお裾分けしながら、WAONクンと晩酌の時間を過ごす。
おまえは捨てられたんじゃないよな、何か事情があったんだよな、などと言いながら・・・
私が居住する地域では、ノラ猫を見かけたことがありません。
ノラ鹿は今年だけで四回見かけ、そのうち三頭は事故によって路端で死んだ姿でした。
なにか、人を取り巻く生物の環境が変わっているのでしょうか。
ペットとしての犬や猫を考えるとき、その地域にはいないエキゾチックな姿形が好まれる傾向があります。
しかしそうした外見は、別の地域の気候風土に順応した結果で、日本に移して飼いやすいかは別問題。
最近では意識も変わって、保護犬、保護猫を譲渡してもらう人も増えたようです。
以前に保健所での保護猫の譲渡条件が厳しい、と恨み節を述べました。
それも飼育放棄しない人を選んで譲渡する、という意味では良いことなのでしょう。
一匹でも多くのさくらの花びら耳の猫が、よき縁に恵まれますよう。
#さくら猫 #保護猫 #TNR活動 #さくら耳 #さくら猫の日