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【犬噺#7】愛すべきコーギー・ミックスたち
イギリスのウェールズで牧羊犬だった、ウェルシュ・コーギー。短い足に大きな耳の、愛くるしい姿が人気ですね。
コーギーの短足は優性遺伝形質なので、他の系統との交配により、独特の外見をしたミックス犬が誕生しています。
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短足ドッグの由来
イギリスは、正式な国名をグレートブリテン及び北アイルランド連合王国
と言う。イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの四ヵ国が連合してできた国だ。
日本が北海道、本州、四国、九州の連合国家なのに似ている。ただ日本は同一性が高くて、日本人と関西弁を使う関西人の二種類のみで構成されている。
その点ウェールズは、言語も英語とウェールズ語が公用語とされるなど、独立性が高くなっている。
ウェルシュ(ウェールズの)・コーギー(小型犬(dwarf dog)というウェールズ語)は、牧羊犬として牛、羊、ポニーなどの家畜を追う役割を果たしてきた。
賢い犬で、家畜のかかとを噛んで誘導することもある。
そのとき体高が高いと、家畜の後ろ肢で蹴られる畏れがあったので、牧場主が足の短い犬を選択して繁殖を重ねた結果、現在の姿(体高25~30cm)になった。
生理学的には、細胞増殖因子が過剰生産される遺伝子変異をもっているため、骨の元になる組織が早い時期に骨化されて、短足になる。
足の短い個体の人為選抜を、長い時間かかけて行ったので、特徴が安定して発現される。
短足猫のマンチカンは、足の成長阻害遺伝子を片親だけからもらった、ヘテロが短足になる。両親からこの遺伝子を受け継ぐと、死産になってしまう。
マンチカンも別系統の猫と交配すると短足化するが、一定の確率で必ずふつうの猫(「長い足のマンチカン」と呼ぶ人も)が生まれる。
ブリーダーは、このふつう猫をどう扱うか、という問題に直面する。
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ペンブロークとカーディガン
ウェルシュ・コーギーには二系統ある。
そのひとつ、ペンブローク・ウェルシュ・コーギーは1107 年にフランダース(ベルギー)の織工が、ウェールズ(西方のペンブロークシャー(Pembrokeshire))に連れてきた犬が起源といわれる。
いっぽうのカーディガン・ウェルシュ・コーギーは、ウェールズのケレディジョン(カーディガンシャー(Cardiganshire))に持ち込まれた、北欧のスウェーディシュ・バルフントが起源とされる。
スウェーディッシュ・バルフントはスウェーデン原産の短足牧羊犬で、コーギーがバルフントの起源というまったく逆の説もある。
この二系統が互いに交配を重ねた結果、やや大きめなカーディガンとペンブロークに落ち着いた。
ペンブロークのほうが、ひとまわり小型なので好まれ、日本ではカーディガンより100倍も頭数が多いとも言われる。
エリザベス女王が愛好したことで知られ、2022年の葬儀ではコーギーたちが女王を見送った。このロイヤルドッグはお食事として、ステーキやチキンなどを召し上がっておられた。私などよりずっと豪華であらせられる。
コーギーは短毛が優性遺伝なので、ごくまれに劣性遺伝子を両親からもらうと長毛のコーギーになり、フラッフィーと呼ばれたりする(優性、劣性は遺伝子の発現様式を指す言葉で、優劣に係わるものではない)。
あざとカワイイミックス犬
ダックスフンドとのミックス=ドーギー(Dorgi)
ダックスフンドとウェルシュ・コーギー・ペンブロークとのミックス犬が、ドーギーだ。
王室御用達と称されることもあるが、ドーギーはエリザベス女王陛下の妹マーガレット王女のダックスフンドと、女王の愛犬コーギーが愛を育んだ結果生まれたのが始まり。
女王陛下の公務に随行して、専用の飛行機から乗降する姿が可愛いと、日本でもツイートされたことがある。
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ポメラニアンとのミックス=ポージー(Porgi)
日本では、ポメコギとも呼ばれたりする。可愛くなることが予想される種類の組み合わせだ。
ほかには、トイプードルとのミックス(コギプー)やパピヨンとのミックス犬がいる。
さらにビーグルのミックス犬ビーギーや、柴犬とのミックス(”Corgi Inu" コギイヌとも呼ばれる)
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立ち耳巻き尾という日本犬の種類の特徴と、コーギーの短足とのミスマッチが愛嬌のあるミックス犬。性格も愛嬌があり、海外でも紹介されている。
意外なミックス犬
コーギーとハスキーのミックス犬ホーギー(Horgi)
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コーギーとミックスして小型化したミックス犬が、ホーギー。ハスキーの敏感で群を好む性格が、人間の家族という群れの一員としてなじむ傾向に働いている。
ちゃんと運動をさせれば、室内で飼うことも可能。
コーギーとオーストラリアン・シェパードのミックス(Auggie)
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オージーまたはオージーコーギーは、コーギーとオーストラリアン・シェパードのミックス犬。
牧羊犬の性格が強いので、愛玩犬には向かない面が少しあるが、賢いので子犬の事から訓練すればしつけは守るようだ。
ほかにも、コーギーとボーダーコリーのミックス犬ボーギーなどがいる。
コーギーはもともと牧羊犬なので、吠える性質や噛み付く性質があります。この性格をよく言えば、明るく陽気。
しかし吠え癖はトラブルの元にもなるので、しつけが大事です。
コーギーの平均寿命は12歳くらいです。
癌による死因がもっとも高く、ペンブロークには腎不全や尿路閉塞などの好発性疾患があるようです。
眼疾患や股関節形成不全などの遺伝性疾患が多い血統でもあり、肥満にもなりやすいとのこと。
やはり、人為的な選別によって生まれた特異な外見の犬なので、共に暮らすと決めたら、疾患に注意してあげたいものです。