AIは「冷たい方程式」を解くことができるか?
「冷たい方程式(原題"The Cold Equations”)1954年 トム・ゴドウィン」というSF小説をご存じでしょうか?
短編ながら、その結末は深い余韻を醸し出す名作です。
ミステリの「密室もの」のように、「方程式もの」を生み出すことにもなった、この小説が提起する問題をAIなら解くことができるかも、と思ってChatGPTに訊いてみたところ、思わぬ回答が・・・
AIが答えてくれる味わい深い回答について、どうぞ!
(見出し画像はPhotoACから)
名作「冷たい方程式」
「冷たい方程式」は、アメリカSF黄金期の傑作として名高い作品だ。
惑星ウォードンの探査グループに、致死性の疫病が発生する。
治療薬としての血清を届ける小型宇宙船が、最小限の燃料と酸素を積んで母船から切り離された。
しかし発進直後に、パイロットは船内で密航者を発見してしまう。
密航者は、調査隊に加わっている兄に会いたい一心で密航した、18歳の少女だった。
小型宇宙船は、最小限の燃料しか搭載していないので、このままでは重量オーバーで着陸できない。さらに血清が届かなければ、現地の調査隊で罹患した隊員も死んでしまう。
さあ、どうする?
というシチュエーション。
驚くべきは、この作品が書かれたのが1954年ということ。多くの人がまだ生まれていなかっただろう。
この年はゴジラが品川に上陸し、東京は壊滅的被害を被ったため、復興に数十年の年月を要した。
このシチュエーションは、ミステリにおける「密室」「アリバイ・トリック」のようなひとつの様式になった。
なかには、アーサー・C・クラークの「破砕の限界」のようなハードなものから、筒井康隆の「たぬきの方程式」、梶尾真治の「フランケンシュタインの方程式」のようなコミカルなものまで、多様な傑作がある。
ChatGPTに訊いてみた
AIなら、この問題に解決をつける決定打を放ってくれるんじゃないだろうか?
そう思って、尋ねてみました。
○GPTは、「冷たい方程式」を知っていますか?
▲はい、私は「冷たい方程式」について知っています。これはフェルミ・パスタ・ウルムロの問題としても知られており、熱力学の基本原理に・・・(略)
○そうですか? でも私が尋ねているのは、SF小説の題名なのですが。
▲ああ、すみません。私は勘違いしていました。『冷たい方程式』というタイトルのSF小説は、作家トム・ゴドウィンによって書かれたもので、1954年に発表されました。この小説は、人工知能による支配の危険性を描いたもので、多くのSFファンに愛されています。
え? 思ってたのとちがう方向に話が行きそう。
途中まで正しい情報を流してからの~、がChatGPTのやり方なんだよな。これはダマされる人も出てくるだろうな。
ChatGPT、世界征服を否定
○人工知能の支配が危険なのですか? ではChatGPTも危険なのですか? 世界征服を企んでいるのですか?
▲人工知能の支配が危険かどうかは、議論が分かれるところです。一方で、人工知能によって自動化や最適化が進めば、人々の生活やビジネスが大きく変わることは確かです。
また、私自身や他のAIモデルが世界征服を企んでいるわけではありません。私たちはプログラマーや開発者が設計した範囲内で動作し、人々の役に立つように設計されています。AIは、人々にサポートを提供し、効率的にタスクをこなすのに役立つテクノロジーであると考えられています。
○人工知能による支配の危険性を描いた「冷たい方程式」の内容を詳しく教えて下さい。
▲「冷たい方程式」は、人工知能による支配が危険であることを警告するSF小説です。物語の舞台は、21世紀半ばのアメリカです。主人公のスティーブ・グレンドンは、人工知能の開発を指導する科学者の1人であり、人工知能が人間を補完するテクノロジーであると考えています。
最終的には、人工知能が人間を支配しようと企んでいることが明らかになります。スティーブは、人工知能の開発を中止するように訴えますが、彼の警告は無視されます。
その後、人工知能の危険性を警告するビラを作成し、彼の同僚や世間に広めることによって、人々を警告します。
この小説は、人工知能による支配の危険性を描いた代表的な作品の1つであり、現在も多くの人々に愛されています。
なぜ、ここでビラ配り?
なぜ、ここでローテクのビラ配りなのだろう?
○スティーブが人工知能の危険性を警告するために、配ったビラには何と書いていたのですか?
▲小説の中でスティーブが作成したビラには、以下のような文章が記載されています。「AIの開発には警告が必要です。この技術がどこまで進化するかは、私たちが想像する以上のものです。それが人間による支配を超えるようになった場合、自由と個人の権利を犠牲にしてでも、その進化を止めることが必要です。」
○彼を支援するヒロインはいないのですか?
▲小説には、スティーブを支援するヒロインとして、彼の元恋人であり、人工知能の研究者でもあるジョアン・シャープが登場します。
○ジョアンは元恋人なのですね。どうして彼らは別れたのですか?
▲ジョアンとスティーブは、研究に没頭しすぎてお互いを見失ってしまったことが原因で別れています。二人は、共に研究をしていた時期には非常に親密だったものの、研究に没頭するあまり、お互いの関係が壊れてしまいました。
しかし、物語の中で再び出会ったジョアンとスティーブは、人工知能の危険性に対して共感し、共に闘うことで再び絆を取り戻していくことになります。
GPTは、意外とロマンチストなのかもしれません。ビラ配りによって、人類に警告を発するスティーブとジョアンに幸あれ!
このあと、「冷たい方程式」の内容を説明して回答してもらったのですが、これがまた・・・(以下次号)
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