【映画の噺#6】異質なヒーロー「ザ・コンサルタント」
『ザ・コンサルタント(原題: The Accountant)2016年 米国』は、バットマンでおなじみのベン・アフレックが主演のヒーローもの。
バットマンと同じく生身の人間だが、特殊な能力があります。なんと、彼が武器とするのは、「数字」。"Accountant"とは「会計士」のこと。
これが異質でかつ、カッコイイ!
好きになった女性を守るためなら、採算度外視でガンバル会計士。異能が光るヒーローです。
(見出し画像のImage Souse=The Accountant | Movies Anywhere)
バットマンよりクール!
なぜか邦題では「コンサルタント」と訳されている”The Accountant”。
本当の訳である「会計士」が、日本ではあまりなじみがないからだろうか。
演じるベン・アフレックは、第六代目のバットマンを襲名している。しかしこの”会計士”、実はバットマンよりクールなヒーローなのだ。
彼が武器とするのは「数字」。驚異的な計算能力をもち、遠距離射撃も接近戦も理詰めでこなす。
会計士(公認会計士)とは、企業の監査と会計を専門に行う職業。
企業の家計簿を調べて、ちゃんと間違いなくやってる? 税金払ってる? ちゃんとお給料払ってる? 社長は儲けをちょろまかしてない? などを調べて保証する仕事。
大事で責任の重い業務だ。
天然?なヒロイン
クリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック)は、優秀だが感情表現に乏しくて淡々と仕事をこなす会計士。
他人との関わりを嫌っているようにも見える。
そんなウルフは、マネージャーの指示に従ってリビング・ロボティクス社の会計監査を引き受ける。
ロボティクス社の経理部に属するデイナ・カミングス(アナ・ケンドリック)が、不審な経理操作を見つけたためだ。
ウルフは驚異的な集中力で、不正操作のカラクリを見破るが、財務責任者の自殺(?)によって監査は終了させられる。
納得のいかないウルフだったが、自身が命を狙われたことでデイナの危険を察知し、間一髪彼女を救う。
デイナはウルフのような天才ではなかったが、正直で数学に強く、彼が心を通わせたくなる数少ない女性だった。
キュートだけど少し天然が入っている。
自分の命が狙われていても、「警察に行こうよ。納税者はふつうそうするんだよ!」という具合。
可愛くて天然なデイナを守るため、「会計士」はたった独りで、ロボティクス社が雇った民間軍事会社の傭兵たちと戦う覚悟を決める。
父親の教育
もうひとりのヒーローとして、ウルフの父親の姿が過去に遡って描かれる。
彼の父親は、高度自閉症の息子に対して「この優しくない世界で、独りで生きる術を学ばせる」ために武術などを教え込む。
そしてウルフの弟とともに、自分をごまかさずに世間に対峙する姿勢を学ばせるのだ。
ウルフは自分の能力を磨くことで社会と関わりをもち、心を通わせたいと思う人とも出会うようになる。
数字に強い天才たち
いっぽう、輝かしい逮捕歴をもつ金融犯罪取締部局の長官は、オフィスに分析官のメディナを呼ぶ。そして彼女の弱みを突くような手段で、特命任務を引き受けさせた。
その任務とは、大きな犯罪現場に常に現れながら、正体を掴ませない「会計士」について探ることだった。
メディナの捜査は難航するが、ふとしたきっかけで「会計士」の偽名が古今の数学の天才であることに気づく。
そして現在のウルフにたどり着くのだが。。。
企業の不正経理を会計監査で暴くヒーロー。
ちょっと地味で、小難しげで取っつきにくいかも。という心配は無用。クールでちょっぴりおかしくて、スカッとするアクション・ヒーローでもあるからです。
カッコイイけどちょっと切ない、トラさん的な側面のある「会計士」は好評だったため、続編の制作が発表されています。
すごく楽しみです!