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夜になるまでの、あの時間
夜の空
目を閉じれば、あの暗い世界に吸い込まれそうで、でも目を開けると明るい電気の下、変わりないこの場所にいる事をまざまざと知らされる。
どこか遠くへ連れて行って?
お月様に、お星様にそう願えばどこか知らない世界へと連れて行ってくれるだろうか?
かぐや姫のようにお迎えが来るだろうか?
フランダースの犬のように天使が迎えに来てくれるだろうか?
届かない思いは胸に閉まって、やっぱり目を閉じて眠ろうか。
*
朝、目が覚めて、顔を洗う。お弁当を作りながら朝ごはんを食べて、身支度をする。詰まった予定、仕事、たまにはのんびりとして、また夜を迎えようとする。
夕日は沈み、まだ真っ暗にならない薄暗い時間。何かに襲われそうな不安感、恐怖感に怯えて目を閉じる。電気を付ければ安心できることは知っているけれど。
私は何に怯え、迫られ、苦しむのか。
答えを知りたくてわざと電気をつけないのか。
無音の部屋
薄暗い外はいよいよ暗い闇の世界へと移っていく。
なにもないのよ。
お月様がそう言っているように優しく光る。
何も追ってはこないし、誰も襲ってきはしない。
ただ僕は、僕の幻想に…理想に苦しめられていただけなのか?
*
……
ハッと目を開ける。
もう夜か。
またご飯の支度の始まり。
終わらない、日常の始まり。
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