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築く壁
見たくないものがあると
そっと目に蓋をする。
聞きたくないことがあると
耳が寝息を立て始める
嗅ぎたくないにおいがあると
鼻に弁をして吐くだけの一方通行の道を作る
触りたくないものがあると
いつの間にか猫型ロボットのような手になる
それでも耐えきれなくなると
小人達がカンカン!と大きな音を立てて分厚い壁を作り上げてくれる。
前方、左右、後方と進めていくのは外界の不快な音を耳に入れないため。
前方は視界を塞ぎ言葉も届けようとすることを諦めさせる。
右、左。両耳を完全に覆い、いらない思考を休止させる。
後方までくると壁作りは穏やかになる。完全には塞がない。
少しの隙間から外の様子を伺って、すぐに飛び出せるように。
もしくは…誰かの助けを待つために。