平成22年2月22日
夜、連絡が来た。
「今、何してるの?」
その日は昼間にマラソン大会へと行っていて、疲れた身体をドーンとベッドへと投げ出しウトウトしそうな時だった。
「ん?今⁉︎なんもしてない!」
そんなに焦らなくてもいいのに。
電話の相手が彼と知ってから今日2回目のドキドキ感を味わっている。
「マラソンお疲れ〜。どうだった?」
「あー!まぁまぁ良かったよ‼︎」
「そっか!疲れてない?」
「ん?全然大丈夫ー!もう元気!」
「はは。そっか!ちょっとドライブしない?」
「ドライブ?あ〜いいよー!」
「ほいじゃ迎えに行くね。また着いたら連絡する!」
「はーい、そいじゃまた!」
プツ。
…。
急になんだろう。
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ピロリーン♫
着いた
「ちょっと行ってくる。」
母親にそう告げて外へと出る。
今日は1日ドキドキしっぱなしだなぁ。
パタン。
車に乗ると笑顔の彼がいる。
「お疲れさん♩」
「ありがとう!」
「さて、行こうか。」
行く先もわからぬまま走り始める。
どうして急にドライブなんて言ってきたんだろう。
「急にどうしたの?」
「ん?」
「え?なんかあったの?」
「…。うーん。ちょっと気になったことがあって。」
「何?」
「…きのう、なんでシカトしたん?」
ムムム⁉︎
シカト⁉︎
「覚えてない?」
…。
覚えてる。
「いや〜覚えてないなぁ、いつ?」
と、しらばっくれてみる。
バイト先の先輩が結婚式の写真を見せてくれた時、彼が私に何か言ってきたけどそれを完全に“シカト”した。
聞こえなかったわけではない。
「みんなで結婚式の写真見てた時。」
それな!
「…。そういうつもりじゃないんだけど。」
「けど?」
「いや、特に…。」
「…。」
「…。」
「…嫌われたのかと思った。おれ、なんかしたかなぁ〜って。考えてた。」
「…ごめん。」
「嫌いになったの?」
「違う。…本当は、なんか…忘れたくてシカトした。関わることがなければ好きな気持ちもなくなると思って…。」
「…。」
「…。」
「着いた。」
「あ、海。」
「外は寒いかもね〜。」
パタン。
ザバーン、、、
「おれ、シカトされてショックだった。なんかしたかなぁ〜ってめっちゃ考えたし。でも、違くて良かった。」
「うん。ごめん。」
「おれは好きだよ。」
「えっ?」
「付き合ってほしい。」
平成22年2月22日
彼と付き合い始めた。
今でも鮮明に覚えている。
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