【マーケター向け】ティザー施策の難しさを実感!期間限定商品の1.7倍売上の裏にある3つの課題
こんにちは。
バイオフィリアでマーケティング部に所属し、CRMを担当している小田嶋です。
私たちバイオフィリアは、ワンちゃん用フレッシュフードを提供する「ココグルメ」というブランドを展開しています。
今年はホリデーシーズンに向けて、「ココグルメスペシャルホリデーセット2024」という期間限定商品を発売しました。
ホリデーセット2024はワンちゃんと飼い主さまが一緒に召し上がれるというコンセプトで開発したものです。結果として、売上は昨年の1.7倍を記録しました。
しかし、残念ながら目標販売数を達成することはできず、反省点が多くあります。
特に、「ロイヤルユーザーの熱量を高める」を1番の目的に初めてトライした「ティザー施策」について振り返ることで、次回の改善に役立てたいと思います。
「自信を持って良い商品といえるものを準備できたし、情報を小出ししていくことで気になっていただけるはず!」
そんな軽い気持ちで始めましたが、その結果は反省と学びの連続でした。
この体験を通じて、ティザー施策の難しさを共有しますので、ぜひご覧ください!
ティザーは簡単じゃない!見えてきた3つの課題
今回のティザー施策から見えてきた3つの課題と今後の改善ポイントについて考えていきます。
1. 告知―発売までのユーザー心情の理解不足
ティザー施策の第一歩は、ユーザーの心を動かすタイミングと手法を深く理解することです。
しかし、今回はそこが不十分で、「早く購入したい」と思わせる仕掛けが弱く、購買意欲を持続的に高めることができませんでした。
今回のホリデーセット2024では以下のような内容をPRできました。
しかし、最初に公開したティザーのメッセージは「発売決定」という一般的な内容すぎて、ユーザーにとって差別化された価値を感じてもらえなかったと感じています。
結果として、PV数の山は一番最初のティザー公開のタイミングでした。
<こうするべきだった>
「ユーザーの熱量を高めるにはどうするか」をより深く考える必要があったと思います。
・自分でとことん期間限定商品の購買体験をしてみる
・期間限定商品を購入したことがあるユーザーへのヒアリング
など商品を購買する本音を徹底的に調査することに、より時間をかけるべきでした。
(当時の私は商品を売るためのシステム的な準備にかなり時間を使っていました)
ティザーにかかわらずですが、今回の企画での1番の反省点は「ユーザー体験の設計」が不足していたこと。
「購入してくださったお客さまにどんな体験をして欲しいのか」
「逆にどんな体験が現状できていないのか」
「それを解決するためにはどんなことをすればいいのか」
この部分に全然時間を使えてなかったことを猛反省中です…。
2. ユーザーに刺さるコンテンツ力不足
次に、コンテンツそのものに課題があったと考えています。
4回にわたってコンテンツを配信しましたが、最も反応が良かったのは「開発秘話」でした。
(上記のグラフで、最後に反応が盛り返している箇所が「開発秘話」を配信したタイミングです)
この「開発秘話」が反応を得た理由として考えられるポイントは以下の2つです。
①商品の背景にいる"中の人"が見えることで、ユーザーに商品への愛着が生まれた
②開発者の想いやストーリーに共感を得られた
この結果から、「ユーザーに本当に刺さるコンテンツは何か」をもっと深く考え、山が来るであろうタイミングで最初に公開する必要があったと思います。
<こうするべきだった>
ティザー公開時は、ユーザーにとって発売開始前で購入ができない状態です。
その中で購買意欲を維持できるようなコンテンツとは何かをじっくりと考え準備をするべきでした。
購買意欲を維持できるようなコンテンツとは、今回の場合「開発秘話」の反応が良かった点から、「ユーザーにとって愛着が持て、共感を得ることができるコンテンツ」が良かったのではないかと思っています。
ティザーにかかわらず、ユーザーの好意度を高められるコンテンツは非常に重要だと思いますが、ティザーはすぐに購入できない分、より強くそれが必要だと痛感しています。
今回で言うと公開当初から下記のようなコンテンツをお届けすることができれば良かったのではないかなと思います。
・開発秘話
・企画者と開発者のトーク動画
一方で、「愛着と共感を得ることができる」コンテンツがその後の購入にどれほどの影響を及ぼしているかの計測ができていないため、この仮説が正しいかを確認するために、今後開発秘話を見たユーザーの購入率をウォッチする必要があります。
3. 拡散誘導ができていない
最後の課題は、SNSなどでの拡散を促す動線を準備できていなかった点です。
実際には、拡散用の動線について準備を進めていたものの、スケジュールの遅れやリソース不足により実現できなかった部分がありました。
しかし、人の心理として「本当に気に入ったものは誰かに共有したい!」という気持ちが生まれるはずです。そのような熱量の高いユーザーの行動を支える仕組みを提供できなかったことは、今回の大きな反省点です。
<こうするべきだった>
ユーザー体験を設計した上で、ティザーサイトに訪問し、高まったユーザーの熱量を最大限に活かすために、共有を自然に促せる設計を初期段階から取り入れることが必要でした。
具体的には、
・ページ下部にSNS投稿リンクを貼る
・拡散してもらうためのプレゼントキャンペーンを用意する
などが考えられます。
開発の工数がかかりますが、SNSへの投稿誘導だけでなく、ティザーを見た感想を投稿していただき、それをサイトに流す、というような仕組み(変なコメントが来ないかのチェックも大変そう)もページ内でシェアできるので良いかもしれません。
また、ティザーサイトを作る上でSNS拡散動線の設置の優先度を下げてしまっていましたが、よりユーザー体験を良いものにするためにはどうすればいいかという視点で施策の洗い出しと優先順位を設計できていれば、拡散誘導は何かしらの形で実装できていたかもしれません。
作りたい全体像を順番に作っていくのではなく、限られたリソースの中で何がよりインパクトが大きいか、ユーザー体験として重要かの優先順位をつけていくことの重要性を改めて実感しました。
結果と今後の方向性
今回のティザー施策は、初回のPV数が最も高く、その後徐々に下降していく結果となりました。これは、施策全体の設計が一貫していないことが原因であり、特にユーザー体験を中心とした企画の必要性を痛感しました。
ティザー施策の難しさを改めて認識し、次回以降は以下の点により注力していきたいと思います。
ユーザー心理を深く理解する調査と分析
コンテンツの質を向上させるための時間投資
ユーザーの拡散動線の設計
ユーザーの体験を重視した優先順位の決定
また、販促準備やコンテンツ作成においては、効率性よりもユーザー体験を重視した設計に時間をかけるべきだと改めて感じました。
(当時スケジュールがタイト(前日に完成させるぐらいパッツンパッツン)だったので、余裕を持ったスケジュールとそれ通りに実行することは改めて非常に大切だと痛感しました…。)
今回、反省点の多いティザー施策となりましたが、成功すればかなりの反響が得られるものなのではないかと思っています。
次回の施策では、これらの反省点を活かしてより良い結果を目指したいと思います!