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思い出が宝物になれるように

元気だった頃を思い出す。
元気だった頃、というより、
1年前のこと。

1年前はパーキンソン病じゃなかった。パーキンソン病はお年寄りがなるものだって思ってた。

仕事が楽しくて、自分のやりたいことが形になって、企画したコンサートが終わった頃だった。
仕事で知り合った友達に会いに熊本へ遊びに行った。アングラ演劇を楽しんだ。
うちのかわいい犬と水族館へ行った。
佐世保まで好きなピアニストのリサイタルを聴きに行った。
景色が明るくて、なんでも出来る気がして、どこへでも行けるって、そう思ってた。

それが1年前。


いまは、100メートル歩くと疲れて立ち止まる。立ち止まると足がすくんでどうやって一歩を踏み出していいかわからなくなる。杖がないと歩けない。

眠ると悪い夢を見て目がさめる。

身体が痛くて痛くて、凝り固まっている。

手が震えて、目が虚ろになる。

薬が切れると生きていけない。

頭も心もフリーズして何も考えられなくなる。

1年後わたしはどうなっているんだろう。

たまに、こうやって考えて涙が出る。




1年前より1年後が幸せであるように、
わたしは元気だった頃の思い出を宝物にしたい。
自分で過去の自分をうらやましがっててなにやってるんだ、いまだって楽しいじゃないかって、思えるようにしたい。


そして、病気でも、
障害があっても、
人生がキラキラできるように

死ぬ間際に、
いい人生だったなぁ
って心から思えるように
生きていきたい。





#エッセイ #中途障害 #若年性パーキンソン病

わたしは、神経難病と言われる、 若年性パーキンソン病にかかっています。 普段の生活を書いています。 みんなに障害について、難病について知ってほしいです。