良くも悪くも…②孤立
和多志の明らかな孤立が始まったのは、2019年暮れの頃であった。それまでは、何の違和感もなく勤めてきていた職場の人間関係がどことなく「薄ら寒い感覚」として捉えられるようになってきたのである。勤続3〜4年特に問題もなく、いやむしろ好感すら抱かれていたような和多志の職務内容に横やりが突然立て続けに入り出した。和多志に敵意をむき出しにする人物の登場。陰口を叩く同僚。
パンデミック最中になると、今度は旧来の友人ですら和多志を避ける言質をあらわにするようになってきた。義妹には「お義姉さん(アタマ)大丈夫?」と夫伝いに心配される始末。そのころの和多志は、巷では「都市伝説」「陰謀論」と揶揄されるような動画を観ては「テレビは洗脳装置」であることや「人道的に許されない恐るべき事象が秘密裏に進められている」と周囲に警鐘を鳴らしていた。
特に2020年米大統領選の不透明さと世界中の疫病対策の異常さにはいずれも「公平な論議がなされないまま危険な方向へ世の中が向かいつつある」という切迫した思いに駆り立てられ、家族はもとより、身近な知り合いに対しても和多志の率直な思い(リスクへの備え=心の準備)をひたすら訴え続ける日々が続いていた。その結果和多志はほぼ(家族からも)「孤立」の一途を辿ったのである。
おかしいことにおかしいと声高に言えない世の中。明らかに常軌を逸した政策が世界中の権威者たちによって施行され、相反的言論は封殺され、目覚めぬ大衆が目醒めた大衆を攻撃する(支配層にとっては格好の)敵対構図が意図的に社会構築されていった。そして今や主流メディアではなお流されない不審死の増大。止められる立場にある権威者達が一向に止めようと(やめようと)しない戦争。
2023年の今現在に至って、和多志はこのnoteに自分の思いを綴るにとどめ、Youtube動画先にいる数こそ多くはないものの「魂の同志(ソウルメイト)」たちの声に耳を傾け、時に共感コメントを送り、和多志自身の生き方再考を日々積み重ねてきている。和多志の魂に根っから寄り添える魂は…実生活にいない訳ではないものの…まぁ限りなくゼロに近い心もとなさ。
そんなわけで、和多志は新たな目標を見失い、すっかり立ち止まり、決まりきった日々のスケジュールや自分に与えられた本分をただ淡々とひたすら実直にこなす毎日を送り続けている。良くも悪くも和多志の現状は「凪」の状態。ただそこには残念ながら明るさや温かさや前向きさがなかなか見出せない。つまり自分に与えられた可能性を見出すこともできずにぼんやりと漂っている感じである。