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aurora ark

(これは2019年11月5日に書いたものです。)

2019年11月4日、東京ドーム。BUMP OF CHICKENのツアーaurora arkが、ファイナルを迎えました。

7月から始まって、ドームとライブハウスを織り交ぜながらの、約4ヶ月のツアー。ロングランなツアーだったはずなのに、あっという間に終わってしまいました。

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私はBUMP OF CHICKENの事を語るとき、"切ない"という言葉がいちばんぴったりで、もうこれ以上の言葉はなくてよく使ってしまいます。


だってもう、ほんと、人生なんてわからないじゃない?数の暴力で話をすれば、私が今まで行ってきたBUMPのライブの中、一緒にBUMPの演奏を聞いた何十万人もの人の中には、今この瞬間、もうこの世にいない人だって絶対にいるんだよ。それが私でない保証なんてひとつもないんだよ。あなたでない保証だってないんだ。そしてそれはBUMP OF CHICKENの4人だってそうなんだよ。誰しもが明日、突然消えてしまう可能性を持っている。

(可愛く着られたaurora arkライブTシャツ)



私はいつも、愛おしいものに想いを馳せるとき、こんなに愛おしいものに出会えて幸せだと心の底から思うのと同時に、いつかぜったいに手放す時が来ること、が必ず頭の片隅をよぎるのです。きっとそれはBUMP本人たちが口を酸っぱくして、もうしつこいくらいに歌で何十年も言い続けている事だからで。そりゃあ多感な10代の頃に出会って完璧に射止められてしまったら、人格形成に大きく関わってきてしまうの、仕方ないよね。きっと誰しも経験がある事だと思います。それをずっと追い続けたり、認識し続けているか否かは別として。


意外に思う方もいるかもしれないのですが、このバンドがこんなにも精力的に活動しているのって、23年続くBUMP史の中で正直ここにきて1番なのでは?というくらいです。(駆け出しの頃を除く。)新曲も聴けてライブもしてくれて、チケットもどうにか取って、会える。バンドの方向性の違いとかで解散するなんて事も、多分他のバンドのそれと比べものにならないくらい可能性が低いという、すごく安定した全盛期に、

俺らは音楽をずっと続けていたいしいつまでも君達といたいし、何回だって会いにきたいよ、実際また会いに来るよ、でもどうしたっていつかは終わるんだよ、君たちも僕たちも明日絶対に目が覚めるという保証はどこにもなくて、今は奇跡みたいなことなんだよ

っていうことを、ライブ中に曲でも言葉でも散々言われるんですよ。ライブが終わる事と、私達の人生の邂逅が終わる事を重ねざるを得ないことを言うんです。

無理でしょ。切なすぎるでしょ。

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私達の藤原基央はどこまでも現実主義者で、無闇矢鱈に優しくなんかないから、いつだってザクザクと釘を刺すんですよね。こうやって。恐ろしい男だよほんとに…。

けれどライブ中、刺される釘も含めて私達に向かってくるものは全部が重量級の愛しかなくて、受け止めようと必死なんだけど、愛が大きすぎて深すぎて、私のメモリはすぐめいいっぱいになって、何か言われるたびに肩を震わせて泣いてしまう始末で、もうどうしようもなかった。実際ライブの後半はもう動けないと思う瞬間が多々あって、よく倒れなかったなぁ…というくらいでした。ちょっと怖いね、とも思うけど、ライブで失神するファンというものは本当に存在するんだから(昔の海外アーティストのライブ映像とか映してたりするよね)そういうものの一種なのかな。…でもやっぱりちょっと怖いね。笑


けれど、東京ドーム規模の会場で、バンドから受け止めきれない愛をファンが感じるってやっぱり凄い。あの日は間違いなく1バンド対何万人じゃなくて、1対1だった。
オタクきもちわる…て思われると思うんですけど、これはもう10年近くかけて立派なBUMPオタクへと育ってしまった私だけじゃなく、さらっと友人に誘われてライブに来れたって人とか、いくつかある好きなバンドの中の一つがBUMPです、って人も含め、あの場所にいた数万人が感じてる事なんです、これは本当に…。

騙されたと思って一度ライブに行ってみてほしい。あの場所だけ、なんだか時間の流れとか人の在りようとかがもう…異空間だから…。

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(会場の外ですごく立派なカメラで私達を撮ってくれたお姉さんの写真…すごく素敵です、、ありがとうございました…!)



なかなか上手く言葉が出てこないので、藤くんの昨日の最後のMCの言葉を書いて、他力で良いことを書いた風にします…。(??)

今日は魔法みたいな夜だったね。
お前ら今日、沢山歌ったり、叫んだりしたじゃん。
大きい声だったり小さい声だったり、心の中だけでかもしんねぇ。俺、結構しつこく煽ったよ?笑
で、それはまあ全部、今日ステージの俺たちに向けて、やってくれたんだと思うけど、同時に時間と距離を飛び越えて未来の自分に向かっても歌ってたんだと思うよ。あのね、未来っていうのはさ、なにが起こるかわかんないから、なぁ?今は全然平気かもしれないけどいつか、5年後、10年後もうダメだこれ、もう辛いもうしんどい、立ち上がれない、生きていけるんだろうか…って思う日が来るかもしれない。でそんな君が大ピンチのとき、それが1年後、5年後、10年後、いつ来るかんかんねぇけど、そん時こんなに手を上げてやって歌ってた事を、君たちは忘れちゃう、思い出せないかもしれない。
俺は、そんな時のために歌ってるんじゃねえかなと思ったよ。俺たちの曲は、そういう時に、今日みたいな君を思い出す手助けをするために生まれてきて、君をどんな時も絶対1人にしないから。気づいてくんねえかもしれないけど。だけど勝手に、勝手にね?お前のそばにいるから。
綺麗事に聞こえるかもしれないよ?でもさあ、それには根拠があんだ。それは何かって言うと…。君達…君が、俺たちの曲を見つけてくれたんだよ。音楽ってものがこの世に生まれてから何億何兆、今この時も新しいものが次々に生まれてくる中で俺たちを、俺たちの曲を、君が、見つけてくれたんだよ。
数ある分母の中から、その上にのっかる1にしてくれたんだ。それは俺たちにとって奇跡みたいなことで、幸せなことなんだ。俺にとって、お前はそういう人なんだ。それが理由。だから歌も、いつでも君たちのことを見つけるから。俺の歌う歌は絶対に、必ず、お前のそばにいるから、だから、なんだろうな…こんなに喋ってんならもう一曲やればいいよな。なにやって欲しい?
なにやるかな…
…バンドの格好いいところみせてやろうか?



想像してください。この言葉のあと、スノースマイルのイントロを弾き歌い出す藤原基央。そこに小走りでステージ袖からでてきて楽器を持ち出すチャマ、秀ちゃん、ヒロ。長い長い1人語りのあとだし、普通なら1人で弾き語ってもおかしくないような"間"だったんだけど、BUMP OF CHICKENにそんなことは勿論なくて、音でメンバーを呼び出す藤くんと、当たり前のようにスッと完成するバンドの音に、多分、その日で1番泣きました。嬉しくて、大好きで、大切で、すべての感情が決壊しました。

そしてアンコール全部で4曲演った後のもう一声が、

魔法のような夜だったねぇ。
アイラブユーだぜ。
宇宙のどこにいたって抱きしめてやっかんな!
ひとりになんかさせねぇぞ。
ツアー終っちゃって寂しいねぇ。
寂しいけどすぐ次、ってわけにもいかねえからさ。
会うための口実にまた曲でも書くわ。へへっ。
おやすみ。またね。


でした。ひぃ…。



どんなに大きな会場でライブをしようと、BUMPと私は1対1で向かい合ってる、ということをこれまでで1番感じたツアーだったかもしれないな。完全にキャパオーバーでお手上げ。幸せだし怖いし楽しいし苦しい。飴とムチがうますぎるよ…恐ろしい男だよ…。(2回目)

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BUMP OF CHICKENのことが好きでよかった。バンドってすごい。あなたのバンドはかっこいい。私が好きになったバンドはこんなにも強い。
いつまでだって続いて欲しい。でもそんなことは絶対にないから、その事実を忘れられることなんてないから、切ない気持ちと一緒に、ずっと、そばにいたい。そんなものに出会えて、私はすごく幸せです。


ねぇ、みんな。寂しいね。どうかしてしまいそうだね。4人がいつも、幸せであったらいいね。4人の笑った顔がみたいね。新曲、はやく聴けたらいいね。でもその前にちょっと、ちゃんと、休んでもらいたいね。


また、会いたいね。会いに行こうね。

2019.11.04 Tour auroa ark FINAL @Tokyo Dome

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