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バブル期の結婚と令和の結婚

兄と私は、なかなか変わった関係性だ。

というのも、もともと仲が悪く、性格も合わない。共通の話題もない。高校時代には大ゲンカをし、口を全くきかなかった。

大学生になり実家を出てからは、よけいに疎遠に。社会人になってからというものの、会うたびにズレを感じてしまい、あえて私からも連絡はとらずにいた。会ったときのエピソードを友人たちに話して笑い話にしているほどだった。

が、兄が結婚した。ただふたりは結婚式をしないそうなので、結婚祝いの品を贈ろうと思う。何にしようかな~とサイトを見ていたら、

両親からの一言が、私(の財布)を震わせた。

「お祝い金として、兄妹間では10万円準備しなさいね」


え??????????初耳にもほどがある。急いでネット記事や友人たちに聞きまわった。すると、家族間で色々な話が聞けた。

「お金のやり取りは兄弟間では何もない」「結婚式のご祝儀として5万円渡した」などなど、これは「気持ち」なので正確なことはなさそうだ。

両親にこの事を伝えると、時代が違うから兄妹で決めなさいとのこと。

両親たちのときは、それぞれの祖父たちからは嫁入り道具として桐箪笥(100万円ほど)や家紋の入った羽織が贈られ、かつ兄弟間で10万円と家電類が贈られたらしい。友人の両親の結婚式の引出物は、なんとお布団一式だったらしい。

ととととんでもない。さすがバブル期。

さすがに、兄にも念のため伝えると、「やりすぎ笑」と。そこの価値観は同じで、心底安心した。私たちは、ご夫婦の欲しい家電リストを作ってもらってそれを贈ることにした。

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結婚のことだけを見ても、ずいぶん生活スタイルの変化が分かる。どれだけ質のいい高価な桐箪笥を渡されても、正直、困る。衣類はクローゼットにしまいハンガーに掛けるのが主流なので、むしろ置き場所がない。家紋入りの羽織もなかなか出番がない。両親でさえ、一度しか袖を通していないらしい。

それなら、いらないよね。と言い切ってしまうのも、少し寂しい。

実際私は、両家の家紋を思い出せない。なにせ、お墓でしか見れない。家紋は家についていない。母の嫁入り道具の桐箪笥は重すぎて、新居の2階の主寝室には運べず、なんと今は小屋に眠ってしまっている。ただ、桐箪笥はとてつもなくいい物だ。今もなお、きれいな木目の重厚感のある扉は、小さい頃何度も開け閉めしては母に怒られていた。

「あんたの嫁入りのときに、あの桐箪笥、譲るわね」

と母に言われたときは、「重すぎて運び出せないよ、、、」と渋った私だが、なんだか最近はあの桐箪笥の似合う渋い部屋・家にするのも楽しいなと思っている。

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バブル期の豊かな時代だからこそできた、祖父から母への贈り物は、昭和・平成・令和の時代を経て、孫の私にとっても価値のある物になった。こういう贈り物を私も兄夫婦へ贈りたい。



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