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ソラリス



ピンポンをたのしみに待って、ついに。
届きましたー。




上下巻にサイン付。とてもうれしいよねー。



あの...
装丁かっこよすぎません??


ブックデザインは、鈴木成一デザイン室さん。

『塔のない街』のかっこよさも思い出した。



一ページ目をめくって、出会えるこの紙。
うっとりしちゃった。


読む前からうっとりしちゃって、
ゆっくりページをめくる時間の
目と手と脳内のしあわせ度数の高さ。

本篇に行く前にすでに気持ちが静かに高揚する。もう、この時間を味わえただけでもすばらしい体験。


読み終えました。
いろいろ感情が揺れ動いてうまく言葉にならないけれど、圧巻でした。
そう。とにかく圧巻でした。
(圧巻とは、とくに優れている部分を差すようですが、そう感じたのが全篇すべてだった、ということです)


帯に使用されている表情に出会えたときには、この場面からの切り取りだったのかぁと唸り、本篇を終えたあとに眺める景色からさらなる余韻を引き起こし、深い感情につつまれた。

クリスの視線の先、映されていた光景。
そこにいたるまでの出来事、思いを連れて
一歩一歩すすみながら自分の目で確かめていく姿、そしてたどり着いた思いに。
最後にみせてくれた背中と歩みに静かなおおきな感動の波が待っています。

ハリーのこの、どこか思い詰めているような形容し難いアンニュイな表情を見せていた場面なんて...いたみがよみがえる。

それになんといっても
森泉さんが描かれたソラリスの海。海。海。
もう、吸い込まれるかと...
下巻のはじめなんて圧倒されつづけてすごい連続だった...
緻密に描かれる濃厚さと、余計なものは削ぎ落とした淡い感じとのコントラストもまたすばらしかった。こんなふたつの味わいを堪能できたコミック、はじめてかも。

そして、レムの物語にもう、
うわあああってなりながら、レムがたびたび投げかける問いに、その鋭さに意識が遠のく感じでぐらついて、大変でした。

クリスとハリーにも気持ちが入っちゃって、胸が締め付けられるおもいで大変でした。
(褒め言葉の塊です!)

それから
知識の限界を超えた存在との向き合い方。
わかり得ない他者との向き合い方を
『ソラリス』という作品が教えてくれるもの。



沼野さんの解説の中で、最も心に刻まれたのは、「ソラリス」という作品に「絶対的な他者と向き合うことの大切さ」というメッセージが込められているという指摘です。そこには、まさに今、世界を覆っている重苦しい暗雲をふりはらっていくヒントがあります。

しかし、人間の真の勇気とは、自分とは全く異なる他者に身をさらし、自分自身が変わっていくことも恐れず、違和感や異質性に向き合い続けることではないか? 「ソラリス」の主人公、クリス・ケルヴィンが最後に示した姿勢こそ、レムが最も訴えたかったメッセージであり、私たちが今、最も学ばなければならないことだと思えてなりません。


https://www.nhk.or.jp/meicho/famousbook/71_solaris/guestcolumn.html%0A


『ソラリス』を読み始めて、私はすぐに理解しました。自分がいま手にしているものは、これまで読んできたSFのどれとも似ていない、何か根本的に違うものだということを。読み進めるうちに、これは特別に強い力をもって読者を引き込む作品であることがわかり、私は単におもしろいというよりは、むしろ、恐怖のような感覚を覚えました。まだ十代半ばの少年であった当時の私には、それを何と呼ぶべきかはまだわかりませんでしたが、いまならば、「形而上的(けいじじょうてき)恐怖」とでも呼んでみたいと思います。それは人間の認識能力の限界を試し、それを越えようとする状況から生ずる感覚です。『ソラリス』の登場人物たちは、読者とともに、「未知の他者」と向き合い、その前で自分の認識能力の限界を悟るとともに、他者に向かって自らを開いていき、違和感そのものに身をひたすのです。



レムって、すばらしくないですかーーーー!
と声を限りに出したいきもちを抑えて


沼野さんの解説をひとあし先に、しずかに読もう。

そして、時間をかけて『ソラリス』原作をゆっくり読もう。

やっぱり装丁すてきね。
それにね、ページ数の書かれ方もすき。

服のロゴのSOLARIS文字がときどき読めたりしちゃう、忍ばせていた遊びゴコロもすてきでした。

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