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食べ物は心を満たす
食生活は人それぞれで何を食べるかを決める時に、感情のままに食べる人もいるだろうし、体調に合った物を食べる人、価値観に合った食べ物を食べる人もいるだろう。
食べ物に関する情報はいつの時代も多く、ある人にとっては正論でも、ある人にとってはその正論がつらく感じることもあるだろう。
わたしはこれまでの人生で食に向き合うことが多かった。
それは食べる物によって体調が悪くなることが多かったことが要因で、なぜこんなにも体調が悪くなるのかを追及したくなったことが始まりだったように記憶している。
わたしの母は
「毎日32品目食べることが健康に良い」
「好き嫌いはしてはいけない」
という観念を持っていた。そのため幼少期は出された物は必ず食べる。嫌いな食べ物も水分と一緒に流し込むが当たり前だった。
体の弱かったわたしは、同級生の平均体型よりも遥かに小さく、細くそのことが母の強固な観念に拍車をかけていたのだと思う。
母の思いとは裏腹に、私は毎日朝昼晩と食べるごはんが苦痛だった。
とにかく食べたら腹痛を起こし体調が悪くなり、食後しばらくはトイレを気にしておかなければならない状況が嫌で、思春期は特に苦難だった。
そして成人した頃、ふと「本当にこんなにも食べる必要があるのか?自分に合った食生活ってなんだんだろう?」と疑問が湧き、そこから自分に合った食生活を探すようになった。
元々、肉や牛乳が嫌いで食べると必ず腹痛が起こっていたので、動物性の物を食べることを控えるところから始めた。
そして食についての本を読むようになりベジタリアン、ビーガン、ローフーダー、フルタリアン、マクロビなど色んな食生活があることを知った。
野菜が好きだったこともありベジタリアンになるまで時間はかからなかった。ベジタリアンになってから3年経った頃、私の食生活に興味を持った友人から一冊の本を紹介してもらった。それは「半日断食」と書かれてあり、わたしは夢中になって読んだ、そして実践することにした。
半日断食は朝は老廃物を排泄する時間なので、朝食を摂ってしまうと消化にエネルギーを奪われてしまうので、朝食は控えるとよいという考え方で、他にも朝食を抜くだけで体調不良が改善されたり美容にも効果があるとのことで、これはやるしかないと即実行した。
始めの10日間は「お腹すいた」感覚に午前中は支配されていたが、10日間過ぎた頃には体が慣れてきて気づけば1か月、数か月経ち、すっかり朝食を食べない生活に慣れてしまった。途中味噌汁だけを食べた日があったが、その日異様な空腹感に襲われ、仕事に集中できなかったことがり、その時に半日断食の効果を実感した。
そしてその後、海外をバックパッカー旅を始めたのだが、旅の途中でローフーダーをしている人がいることを知った。生食と言われ、加熱した物は食べない生の野菜、果物をメインに食べて生活している人がいた。とにかく印象的だったのは肌が綺麗ということだった。
またしても、興味を引かれたわたしは、ローフード生活を始めた。
ネパールやトルコの野菜が美味しかったこともあり、何の支障もなくローフード生活はわたしの基盤になった。なんと言っても、調理する時間がなく、単に野菜をカットしてオリーブオイルと塩コショウで食べるというシンプルスタイルが気に入った。
ヨーローッパに移動してからは野菜に豆腐を入れたり、アボカドを入れたりしてアレンジを楽しんだ。
日本に帰国してからもしばらくはローフード生活を実践していたが、ある時突然にからだから「もういい。ローフード生活は終わり」と反応があり、止めることにした。
そうやって色んな食生活を試したいまは「食べたい物を食べる」を実践している。
「今日は何を食べようか?」とその日の気分に合わせて選ぶ。
食べたかった物を食べれたことへの喜びはとても大きい。
「食べたいけれど、今日は我慢しよう」という選択した日は結局その後異常な食欲になってしまうことがわかった。
振り返ってみると、以前は「こだわり」を持つことが自己を表現することに必要と思っていたが、いまは「こだわりを捨てる」ことに心地よさを感じる。
そして「食べてもいいし、食べなくてもいい」という心の余裕がうまれた。
そうやって選んだ食べ物がいまの自分を満たしてくれている。
「美味しいな」と感じれる感覚を大事にしよう。
今日も読んで下さりありがとうございます。