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『態度に気をつけな、彼女は色彩検定を持ってんだぞ』

『態度に気をつけな、彼女は色彩検定を持ってんだぞ』

書いてて笑ったけれど実際に知人に言われたことがある台詞である。別に私が無礼をした訳じゃない、と思う。こんな会話の最中に言われたのだ。

Aさん『Bさんは凄い人なんだからね』
わたし『そうなんですね!!』
Aさん『だから態度に気をつけな、彼女はね、…色彩検定を持ってんだぞ!!』

Bさんは、Aさんが紹介してきた方だ。私はBさんと知り合ったばかりな上全く喋ったこともない。だから態度に失敗しないように老婆心からの言葉なのだと思う。実際AさんもBさんも私よりざっくり10歳くらい歳上だから私は言わずもがな態度にはもちろん気をつけるべきだと思う。会話はこう続いた。

Aさん『しかもカラーセラピーの資格がある』
わたし『そんな資格があるんですね、全く知りませんでした!!』
Aさん『他にも凄いことは沢山あるよ、教えないけど』

10歳歳上の大人に『お預け』された瞬間だった。なんというかすごく訳の分からない会話すぎて、友人にこれを話した。色彩検定を持っている友人にだ。

友人『カラーセラピーの資格って、正式なのはなかったはずだよ。それこそ色検とってて、カラーセラピストの講座をとってたりしたらより楽にカラーセラピストとして雇われることはあるけども、あれ名乗った勝ちだから』
私『そうなの?』
友人『うん、自分の調べた限りなんだけどね。比較的簡単に取れる資格を片っ端から取りたくなって色彩検定調べた時にそういう話を先生かなんかに聞いた』
私『じゃあAさんは何を凄いって話したかったのかな?』

友人『Bさんに嫉妬しているんじゃない?』

私『なんで??』

この後の友人の解説がちょっと目からウロコだった。

友人『AさんはBさんに嫉妬してるとしたらその謎会話に納得がいくのさ。
もともとあなたはAさんと知り合いだったんでしょ?そのAさんからしてみれば、自分を尊敬してくれる年下がBさんに取られるかもって思うじゃん。でも知り合うのは止められないから、Bさんのもつ凄さを自分が説明することでちゃっかり自分の凄さにも変えちゃったわけだ。「自分はこの人のことをより知っているんだから凄いんだぞ」って。
AさんはBさんを紹介することで、自分の有用性を証明したかった。でもBさんに食われかねないほどBさんが凄いから、紹介して大人っぽさを見せつけた後でその権威を借りた。』

私『それだけじゃただの見栄じゃない?嫉妬じゃないじゃん』

友人『あなたからの伝聞だから実際のニュアンスは分からないけど、わざわざ色彩検定のはなしをさもめっちゃ凄いことみたいに話すとは思わないんだよねー。そもそも検定の話自慢するか??だって知り合いにあの人英検準1級もってんだよすごくない?って話さなくない?自分の体感的には英検より簡単だし。
わざわざ微妙な所を話したところに自分は悪意を感じる!!自分はね!!そんな紹介されたくないもんな。』


なんでこんな話をしたかと言うと、最近『嫉妬の正体』という本を読んだ時に思い出したから。
AさんとBさんは同じ年代で同じ業界らしく、Bさんは「すごいひと」である。ちょうどその構図が『嫉妬の正体』で提示された嫉妬の生まれやすい環境と合致するのだ。
大人同士の嫉妬なんてぞっとするけれど、友人の言う通りAさんは嫉妬していたのかもしれない。とかく、嫉妬は見抜きにくい。
結局Aさんがよくキレる方で怖かったので私はその流れで御二方と関わることは今ではなくなったのだけど、ちょっと思ったのは『嫉妬ですり減らし合いをしている人には関わりたくないなぁ』ということだった。

憧れはどこまでも遠く、評価はどこまでも低いか貰えない。だからこそ嫉妬という安直な手段に訴える人は多いし身近すぎて見抜けない。なんとなくその険悪な雰囲気に心が刺されていく。私は嫌だな、嫌だから逃げようって思う。人を尊敬している人を探そう。心が荒んでいる時、もしかしたら近くに『険悪な空気』が流れているのかもしれない。

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