ペアレントトレーニング始めた理由、やってみて思ったこと
息子が発達障害の可能性があるのが初めて分かったのは、確か4歳ぐらいの時で保育園の個人面談で先生から、「他の子に比べて少し行動が幼いようですが、、、検診で何か言われたことはないですか?」と言われた時でした。
その時は「子供なのだから幼くて当然で、変なことを言う先生だな」としか思わず気にも止めませんでした。
確かに他の子供と比べて、癇癪が激しかったり、じっとしていることがないなとは思っていましたが、そういう性格で大人になれば落ち着くだろうと思っていました。
ところが、小学校にあがると友達と喧嘩して学校を飛び出して先生たちが探し回ったり、体育でゲームをして負ける度に癇癪を起こして泣き叫んで授業を中断させたり、授業中に床で寝始めてしまったり、それまでは「元気でマイペースな子だね」で済んでいたことが、クラスの中でも目立ち始めました。
「僕はバカなのかな」「僕は頭がおかしいのかな」「勉強大変だから学校行きたくない」と息子が独り言を言うことが増えてきて、段々と自信を無くしているようでした。
私自身も「他の子供は年齢が上がるにつれて、少しずつ落ち着いてきてるように見えるのに、うちの息子はなんでこんな感じなんだろう、、、」とイライラしたり、落ち込んだりする時が増え、その頃にようやく発達障害の症状について対応が必要だと感じ始めました。
もともと心理学に昔から興味があって、その分野の本を読むことが多かったのですが、たまたま読んだ鷲津秀樹さんの「発達障碍、グレーゾーンに役立つ知識と知恵: ~ADHD・アスペルガー・学習障碍(LD)~」を読んだことで、発達障害はそんなに珍しいことではなく、精神論で子供を無理矢理に頑張らせなくても、症状に合った適切な対応方法があることを知りました。
なんなら、本書を読んでいて私も発達障害の兆候があることにも気づきました。時間や約束に遅れる、目の前で人が喋ってるのに違うところに意識が行ってしまうなど。なんでみんなが普通にできることが、私はすごく頑張らないとできないのだろうかと思っていましたが、発達障害の症状だと分かってなんだかホッとしました。
この本の中で発達障害の対処方法として、行動療法が紹介されていていました。
行動療法とはざっくり言うと、やってほしい行動は促進して、やってほしくないことは抑制するアプローチです。
行動療法は良さそうだなと思って、ネットでやり方をいろいろ調べていた際にそのやり方の一つとして、ペアレントトレーニングを見つけました。このトレーニングは普通の子供でも小学校入学前の準備としても、役立つ手法として使われています。
私の場合はシールが貼れるぐらいのマスの大きなノートを使っています。一応いくつかルールがあって、書く項目はできるようになってほしいことを書く、子供と前もって相談して決める、できなくても怒らないというルールで運用します。
シールはダイソーにご褒美シールが売ってるのでそれを使用しています。
はじめは息子に自信を取り戻させたかったので、ちょっと意識すればできることを項目として設定しました。
よかったことは、息子を褒める機会が増えたことです。問題行動が目立つようになってからは、怒ることが増えていましたが、褒めるポイントが明確なので毎日何かしら息子を褒めるようになりました。当然、息子も嬉しそうにしていて、自信に溢れた表情をすることが増えていきました。
また、息子を可愛いと思うことが増えました。「それまでは何で他の子みたいにできないのかな」と比べてばかりでしたが、発達障害がどういうものかというのが理解できたので、「それはできなくても当然だな。そもそもそういうものなんだな」と受け入れられました。その結果、自分の子育てのプレッシャーも軽くなって気持ちに余裕ができたので、そのままの息子をこういう生き物なんだと受け入れられるようになりました。なので、前より子育てが楽しくなってきました。
さらに、授業もしっかりと参加できることが増えてきたので、「僕、勉強が楽しくなってきた」と言うことが増えました。相変わらず、苦手なことがあると「難し〜!」とごねますが、そこは子供が好きなキャラクターの物真似を取り入れて気分転換させて取り組んでいます。息子は鬼滅の刃が大好きなので「ここは、筆算の呼吸、10円貸して下さいの型だよー」(繰り下げ筆算の場合)。学校の成績も少しずつ良くなってきました。
ただ、注意が必要だなと思うのが、子供が大人の顔色を伺いがちになりかねないことです。行動療法は子供のコントロールにもつながるので、子供が発達障害を原因に自信をなくしたり、鬱っぽくなってるのを改善することを目的に、子供とあらかじめ相談して取り組むことが大切だとおもいました。
良い点も書きましたが、なんせ仕事をして帰ってきて家のことをこなしてからペアレントトレーニングをやるのでなかなか大変です。もう、疲れ切って眠くて、ぼーっとしながらノートにシール貼ってる時もあります。
また、学校がある日とない日では設定する項目が違うので、どうノートを使おうか試行錯誤中です。
他にもペアレントトレーニングの親側への効果として、育児に対する気持ちが前向きになるという調査結果も出ています。(どこかの論文で見たので、見つかったら出典改めて記載しようかと思います。)なので、沢山の項目を設定しなくても、親側が発達障害児の子育てを楽しむために少しだけ取り入れてみるのはありなんじゃないかと思いました。
私も毎日のことなので、できることから少しずつ、途中でやめてもいいやと思って気楽に続けてみようと思ってます。
また、数ヶ月続いたらその結果について振り返ってみようと思います。