新しい文学ポテサラに文学春巻き
新作の文学ポテサラと文学春巻きの紹介です。ポテサラは結構頻繁に変わるので、もしご来店しお召し上がりたいときは、大変ご面倒ですが、お問い合わせをお願いします。
文学ポテサラ「青い山脈」
男女の清い交際を描いた「青い山脈」は、映画やドラマもになり、戦後日本を象徴する青春小説と言われています。日本国憲法が施工された翌月から、朝日新聞で連載が始まり、作者の石坂洋二郎には作品を通じて、民主主義をわかりやすく啓蒙する意図もあったそうです。
十勝産のブランドじゃがいもを塩と胡椒、お酢とコメ油とマスタードでシンプルに味付けし、マヨネーズは使わずに卵黄を合わせてコクを出し、温かい牛乳を徐々に加えて滑らかさを出しました。
白いポテサラの上に、卵の白身と黄身を「ミモザ」にして載せて、雪国の春を。厚めに切って油で揚げたジャガイモの皮を刻んでちらし、力強い木の皮を、それぞれ表現しました。
また、このポテトサラダを食べながら、民主主義とはなにかを、もういちど考えるきっかけになれば幸いです。
文学春巻き 「芥川龍之介 葱」
芥川の短編に「葱」という作品があります。主人公は神保町のカフェーの女給お君さん。徹夜で「不如帰(ほととぎす)」を読むような文学少女です。鼻は少し上を向いているが、色白の美少女です。
ある日、常連客の田中にサーカスに誘われます。喜んで待ち合わせをしましたが、田中はサーカスをやっている芝浦ではなく、逆の方に歩き出します。あやしい。不審に思いながらもついていくと、八百屋の店先に安値で売っている葱をみつけ、思わず二束も買ってしまうお君さん。葱を手にする彼女を見て、田中のよこしまな心はしぼんでしまったのでした。
という物語です。この女給にはモデルがいて、小説家の宇野千代だと言われています。
葱の青い部分をくたっとするまで炒めたのと、長く切った白葱を入れてつつみました。葱は免疫力を高くすると言われています。風邪の季節、コロナの第六波を、葱の力で乗り切りましょう。ちなみに宇野千代が亡くなったのは99歳のとき。晩年は「なんだか死ぬ気がしないのよ」と言っていました。宇野千代にあやかって健康ですごしたいものです
仏蘭西ソース
「土産物づくりを通して街を元気にする」という目的で今年4月に結成した「我が街プロジェクト」の第1段が西荻土産の「仏蘭西ソース」です。戦前から西荻の街の基盤をつくった井荻村の名村長内田秀五郎。大正時代にフランスにわたり、ヨーロッパに柔道を普及させ、戦後は西荻の名店「こけしや」の立ち上げにかかわった石黒啓七。この二人の思いを形にしたのがベシャメルを基にした仏蘭西ソースです。