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FRUITPUNCH AUDIO MIDNIGHT;ウルトラセブンです、よっこいしょと。

https://open.spotify.com/show/5cydz0ct4lcmMa6pAqIi6W?si=oqVcDKC4QQ6hUTQftINdnw&dl_branch=1

 よっこいしょ。おばんでございます。カクテルです。
若い頃見た春風亭小朝師匠の落語の中でですね、『おばさんが豹や虎の顔のついたセーターを着るのは実は弱って来てるからで、外側から勢いつけたくてアレをまとってるんだ』というくだりがありまして、すごく面白かったんですが、
ーー虎セーター着てしゃしゃり出て来るようなおばさんが、どうして弱い事があるかしらん、という疑問も当時は湧いたものでした。


しかし実際自分が年齢を重ねるとなんかこう、これがしみじみ思い出されるんですよね、ふざけ半分で言ってた『よっこいしょ』が心・技・体ピシッと決まるようになりますと。
表には出さなくても身体のあちこちが傷んでおりますし、景気のいい話ばかりじゃございません。保険や介護の心配なども増えて来ては、勢いづけに掛け声というものが必要になって来るというものでございます。
よく観察してみれば『しゃしゃり出て来るようなおばさん』ではなく『無口で目が木のウロみたいな小動物おばさん』までもが猛獣をセーターに住まわせておりますよね。皆さんやはり無意識に強さを取り入れておられるのではないでしょうか?


 こんな話を思い出したのはですね、わたくしさっき、高い段差を越える時に『ヘヤッ!』と掛け声を出してしまいまして、それがウルトラセブンの声にそっくりで独り笑ってしまったのですね。
ご存知かもしれませんがセブンはM78星雲から地球を観測に来た恒点観測員340号という設定なのですね。地味ですね、とても。
こうなるとセブンって30代後半〜50代前半って感じでもアリな気がして来ませんか?『どっちかつーたらオレは学者肌なんだよな、戦いとかイヤなんだけど…でも地球は侵略者に狙われてるからなァ…いや、グズグズ言っても始まらんな。さて行くか、よっこいしょと』って姿が見えて来ませんか?

友人を助けるために自らザイルを切った薩摩次郎に感情移入したのも、中年らしいと言えるでしょう、最近オレ涙腺弱いのよ、とかなんとか言いながら。
そう言う視点で作品を再見してみますと『ヘヤアッ!』という掛け声が格闘から来たものではなく中年の勢いづけに見えて来て、哀愁すら感じてしまいます。
事実最終回ではボロボロになっており、セブンの上司から色々小言を言われておりました。ここも哀愁!

ウルトラマンレオで再登場する際には胸に咆哮するライオンの顔をペイントして出て来て欲しかったです、そうすればマグマ星人に不覚を取る事もなかったでしょう。

 何が言いたかったのかと言いますと、みんな〜〜、掛け声ってきっと身体に良いものなんだよ〜〜っ、心配事あったら掛け声で気持ちを切り替えるんだよ〜〜っ…ていう事ぐらいでしょうか?…なんでしょうね、初秋を感じさせる虫の声が聞こえるこんな夜は、わたくし心が澄んで慈愛が満ちて来るような気持ちになってしまいます…お昼にノーマスクで「はべら、ぶべらっ!」と大きな息を吐きながらすれ違って行った中年ランナーを睨みつけた事も忘れ、わたくしおじさんのクセにおばさんのようにタッパーウェアーに芋の煮っ転がしかなんかを入れて誰彼構わず配りに行きたくなってしまいます…

 人肌恋しいセンチな夜に、ポッドキャストFRUITPUNCH AUDIOMIDNIGHT、今夜も最後まで、どうぞよろしくお願い致します。■

(セブンには戦いが得意な『レッド族』という設定もあるのですがまァこれは長いシリーズゆえ後付けによる矛盾と言いますか、もはやそれぞれのファンの描くカタチがあるのでしょうね)

とにかくやらないので、何でもいいから雑多に積んで行こうじゃないかと決めました。天赦日に。