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海産物解体備忘録(2)

(※死んだ魚の画像が出てくるので、苦手な方はご注意ください。)

なぜこんなことをやっているかは前回参照

 ぱっと見だけゴージャスな生活をしていそうだが、今のところ一食あたりおよそ150円のタンパク質で供給できているようだ。もう少し下げられる気もする。

 我ながら食費を削って本を買うために魚を解体するのはかなり奇妙な行動に思えるが、現段階だと他に削るところがない。
 実は一回一日一食で行けないか少しの期間試したが、さすがにそもそも本を読むエネルギーがなかった。というか普通に動けない。
 本を買って読めないのでは元も子もないので、読書する体力があるのを大前提にすると、削れるのは一食までで、一日二食はどうやっても要る。あと食えばいいというものではなく、あまりに雑な食事をするとやっぱり頭が働かない。(その点、魚の栄養価はとてもありがたい)
 金がないと、生物学的な生命維持と、文化的に健康な生活が、常に天秤にかけられているのを感じる。

捌いた魚たち

クロムツ

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(塩焼き前のお姿)
 この魚が刺さる!2021 暫定一位
 牙が半端なく鋭い。うっかり口開けたまま死後硬直した個体を引っ掛けたらスパッと切れた。フグやウツボでもあるまいに、死んだ魚に噛まれる人はなかなかいないだろう。
 深海魚フェイスの割に冷凍に強く、解凍後塩焼きにしたら美味しかった。

マダイ
 説明不要
 想定通り頭が落ちないので内臓を抜いて塩焼きになってもらう。
 タイの牙はタイ牙と言って、漆を磨く道具に使われる程度には頑丈なので気をつけよう。

キダイ
 説明不要
 色が綺麗でかわいい。
 初めてタイノエがいる個体を引いたので、引っ張り出そうとしたら、死後硬直していたタイの口が途中で閉じてしまい……
 よくもあんな危険な場所で暮らしていると思う。

ニギス
 名前の由来は"似鱚"らしいが、キスの仲間ではない。

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というか正直全く似てないと思う
 シロギスは愛らしい馬面をしているが、ニギスは目がデカすぎる。お腹が透明っぽくて若干透けているのも深海魚っぽい。口が尖りすぎなのもなんか腹立つ。
 お腹を開いたら油が尋常じゃなかった。油が乗っていたのか、こういう生き物なのかがわからないが、直感的にはこういう生き物な気がする。
しかも尻尾のギリギリまで内臓が入っている。綺麗に開けないので下ろしたほうが早い。

 そしてここまでバカにしておいて何だが、天ぷらにしたらキスの味だった。そんなことあるのかよ……
キスの1/4ぐらいの値段なのでジェネリックキス天にちょうど良さそう。

イワシ
 かわいい。
 手開きしますと書かれているが、非力太郎には手で頭はちぎれない。内臓とるまでは包丁だ。ここまでやれば手開きで骨が取れる。
 ……と思ったか?尻尾の骨は折れないのでキッチンばさみで切った。
 個人的に食べるなら一番好きかも。鮮度落ちが早い魚だが、なんとか冷凍できないだろうか

エソ 
 叩き売りになっている小骨魔王。
下手するとキロ100円とかで売られている蒲鉾の原料。
 安いのでなんとか食えないかと思ったが、普通に無理だった。
 味はいいのだがとにかく処理が大変すぎてどうしようもない。小骨はもちろんだが鱗もかなり硬い。1人前ならともかく3人分は無理、体感アンコウより厳しい。
 エソの骨抜きなるものもあるにはあるのでやってみたが、普通にクッソ難しい。あれは相当こなれてこないとにっちもさっちも行かないと思う。上神経骨を許すな。
 最終的にフードプロセッサーには勝てないと思った。
 しかも捌いてから我が家にはフードプロセッサーがないことが判明した。
 泣きながら小骨避けて食いました。

生ワカメ
 かわいい。
 ヒラヒラフワフワしている。
 洗ったら大量のワレカラが出てきたので拾ってみた。

画像5

 エビっぽいのはアミだろうか?
 ちりめんモンスターを思い出すので子供は好きそうだが、ワレカラは半端ない量が出るので、虫が苦手な人はビビるかもしれない。
 タイムラインではカレワラを読むワレカラのネタが人気を博した。

ハマチ
 ブリじゃんお前
 ブリだったなそういえば……

オアカムロ
 アジじゃんお前
 尻尾が赤くておしゃれな他は全部アジ。
 お腹開くときに血合いが異常にスッキリ取れて気持ちいい。 お腹開くときに血合いが異常にスッキリ取れて気持ちいい。
 しかもやたらと安く、500円分の魚から800gの肉が取れた。鶏胸肉と戦える次元も見える。

タラ
あああああくせええええええええ
 引いた個体が古かったのかもしれないがくせえ、他の魚で嗅いだことのない、ただの生ゴミ臭や腐敗臭とは違う独特の"タラ臭"がする。
 くさすぎて写真撮る余裕なく速攻解体し冷凍庫にぶちこんだ。
 しかもクッソ捌きにくい。肋骨が変な風に入ってるのを開き終わってから調べて知った。
 お腹の中は真っ黒で不気味、内臓はクソ頑丈で刃物で切らないと撮れない。
 メスが欲しかったけどオスだった。
 腹の中全部キンタマの魚だよお前は。
 この項目だけ記憶ではなくほぼ実況で書かれている。
 目の前にはタラの生首。
 顔がナマズっぽくてかわいいのでもう許せるぞオイ。

子イカ
 めんどくさすぎて死ぬかと思った。
 子イカをどこまで捌くと食えるラインなのかが全く分からない。結果的にほぼ成イカ同様に捌く羽目に。
 多分子イカは手の抜き方を覚えないとどうしようもない。
 一応ゲソとったけどあるかなきかにも程がある。
 クソーもうでかいイカしか買わねえ。
 あととにかく量が多かったので、100匹あるかないかのイカを解体すると、容赦なく手がイカ臭くなる。ウタマロ石鹸で落とせるのでご安心を。

メバル

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かわいい。クロメバルかな。
 活魚が格安だったので買ってきて自分でしめた。
 この形状の魚の解体の練習にしようと思ったが、練習不要なぐらい、あまりにも簡単に解体できてしまった。

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 普通にお刺身にしたけどちょっと痩せてたな。

今回のまとめ

 MVPはタラの激臭に贈呈する。
 あのあと実に12時間以上部屋がタラ臭かった。腐敗臭ではないのでバカガイの内臓ほどの破壊力はないが、タラ捌いた部屋は臭いでわかる程度にはタラ臭くなる。
 全体的に食いづらい奴ばかりだった、あと写真忘れが多い。

今後の課題

キッチンペーパー消費問題
 完全に便所のトイレットペーパーより使う。そこまで高い買い物ではないのだが、ワンロール飛ぶとなると流石に気になる。ストック作るのも面倒。

冷凍と解凍
 正直全く分からん。
 特に解凍。やるたびに鮮度が落ちたり落ちなかったりしている。とりあえず、常温解凍できるのは唐揚げ用の切り身サイズまでっぽい。
 前日に冷蔵庫解凍すればいいのだが、毎回忘れる。

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