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本の感想 『印象派とタイヤ王』

今日は本の感想です。
タイトルは『印象派とタイヤ王』、著者は林洋海さんです。全く読んだことのない分野の本で、タイヤで有名なブリヂストンの創業者である石橋正二郎さんの美術作品収集話みたいな感じですね。

この本を読むきっかけは、最近ハマっているYouTubeチャンネルの山田五郎さんです。
青木繁という日本人画家の話だったのですが、その中に石橋正二郎の話が出てきて、へーとなんとなく引っかかっていました。図書館に行ったときに、たまたま『印象派とタイヤ王』というタイトルを目にして、五郎さんのいうてたやつやなあと思い借りました。

読んでみた感想は、「ブリヂストンの創業者ってこんなに大物だったんだあ」ということでした。Wikipediaで調べてみると、政治家の鳩山さんのお祖父さん?くらいに当たるそうで、なかなか政財界の大物という感じみたいです。

石橋さんは九州の久留米出身で、元々は小さな足袋屋さんだったところからのしあがり、足袋の底にゴムをつけるという発明で関東大震災の時に大ブレイクしたそうです。その後、ゴムに目をつけてタイヤに注力するようになり、現在のブリヂストンに至ったとのことです。そうだったんだあという感じでした。

そんなタイヤ王が、なぜ美術品を収集し、そして美術館を開くことになるのかという話です。

元々久留米にいた頃に、学校の先生に坂本繁二郎?さんという方がいらしたそうです。その方は、のちに画家として大成するそうですが、その方に教えてもらった影響で美術を好むようになったとか。
そして、話はとんで戦争の前くらいになりますが、多くの日本人美術品コレクターたちが生活苦から秘蔵品を手放すようになったそうです。このままでは日本の文化的資産がなくなってしまうと石橋さんは危惧を覚え、これらのコレクションを買い取ったそうです。多分に税金対策的な意味もあったのだろうが、やはり日本の大人物として見過ごせなかったのだろうということでした。
そうして戦中戦後に収集したコレクションを個人で秘蔵するのではなく、広く大衆に開くべきだという考えでブリヂストン美術館を建てたそうです。えらい!!

本の中では、画商たちの話もたくさん出てきます。もちろん画家たちの話もたくさん出てきます。画家の個人的な背景を知ることで彼らの作品を見たいなと思えるようになったのが、この本を読んだ一番の収穫でした!美術館行きたい。当時の日本の西洋画界の黎明期には正当な価格帯もなく、画家たちは辛かったろうという話をたくさん読めて楽しめました。
正二郎の伝記としてではなく、日本の美術界の歴史本として楽しめる本だと思います。おすすめです〜!

ブリヂストン美術館は、アーティゾン美術館と名前を変えて今も東京駅の近くにあるそうです。なんと学生は無料!!美術館に入るには来館予約が必要なので、ホームページからしましょう。下にリンクあります。

アーティゾン行ってみたい〜🎵東京行きたい〜🎵
ということで感想終わりです。


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