とんでもない一週間だった
先週は、なんだか、とんでもない一週間だった。
鍵がない!
4月12日月曜日
そうだ、この日は年に1度の旗振り当番だった。
朝7時20分から7時50分頃までの小学生が登校する30分間、こどもたちが渡る道路に立って、こどもたちの安全を見守る役目だった。
前の日から、アイロンをかけたりして、朝早く出かけられる準備は用意周到にしていた。
そう、前日は、ある本に影響されて、部屋を片付けた。
いつもよりも快適に暮らせるようになったはずだった。
竹格子の籠に、毎日、持って行くものだけを入れるようにしたのだ。
財布、鍵、名刺入れ、ペンなど、毎日持ち歩くものだけを入れる籠だ。
旗振り当番のその日、いつものように、ズボンの右ポケットに家の鍵と車の鍵を入れようとした。
あれ? 車の鍵がない!!
あちこち見回しても、どこにもない。
どこいった?
とりあえず、時間がない。
戻ってきてから探そう。
すぐに見つかるはずだ。
街頭に立つと、うちの2番目の3年生の女の子は、すでに道路を渡った後だった。
いつも、お友達と待ち合わせをして、一番に飛び出して出かけていく。
俺を見つけると手を振ってきたので、振り返す。
しばらく歩いて振り返っては、遠く見えなくなるまで、手を振ってくる。
かわいいやつだ。
こどもたちに挨拶をしながら、旗を振って誘導する30分間。
今年は、一年生が結構多いんだな、とか思いながら立っていた。
今週は、一年生のために、一部の学年では集団登校をしている。
自分の時は、毎日が集団登校だったな、と思ったりしながら、次の信号が変わるのを待つ。
うちの長男が、集団登校の先頭に立って道路を渡ってきた。
6年生だ。
ほら、元気に挨拶して、しっかり歩けよ! なんて声を掛ける。
うん、と言って笑ったが、なんとなく元気がない。
もっとシャキッとしろよ、なんて思いながら、その時はあまり気にもしなかった。
さて、旗振り当番も終わって、家路につく。
まずは、車に向かう。
車の中に忘れてるんじゃないか、と思ったのだ。
車は開かない。
ということは、ここじゃない。
部屋中、思いつく限りを探すけれど、鍵がない。
9時には来客がある。
遅刻するわけにはいかない。
仕方がないので、スペアキーで行くことにした。
とりあえず、9時まで仕事に良ければそれでいい。
ところが、スペアキーでも車のドアが開かない。
なんでだ? 電池がないのか?
このあたりで、焦り始める。
おいおい、やべーぞ。
電池がないのであれば、フックを押して、差し込む鍵が取り出せるはずだ。
あったあった。
これを車に差し込めば、開くはず。
開いた!
よしよし、とりあえず9時に間に合えばもう何でもいい。
プープープープープー!!!!!
!!!????!!?!?!?!?!?
車が警報機を鳴らし始めた。
何だこれ? トラップか?
どうやったら鳴りやむんだ?
何でだ? スペアキーで鍵を開けると警報が鳴るって、どういう仕組みだ?
近所の人は、何事かと思っているだろう。
エンジンボタンを押しても、車は動かない。
ハンドルの周りにあると思っていた、鍵穴もどこにもない。
鳴りやまない、警報音。
うわー、最悪だ。8時45分。間に合うどころの話じゃないじゃん。
どこを見回しても、鍵穴はない。
エンジンボタンを押しても、エンジンはかからない。
でも、気が付いたら、警報は鳴りやんでいた。
もういいや、車は諦めて、タクシーだ。
タクシーを呼んで、事務所に連絡をする。
9時に来客があるから、ちょっと待ってもらうように声を掛けた。
まったく、なんて一日だ。
スムーズにことが運ぶように、あれだけ前日に準備をしたのに、なぜ鍵がなくなるんだ。
タクシーに乗って、車の仕組みを調べる。
どうやら、警報は、一度鳴りやんでも、また定期的に鳴り出すらしい。
今頃、けたたましく鳴っているんだろうか。
でも、タクシーを待っている間は鳴らなかったぞ。
1,500円払う。
9時5分到着。
5分の遅れで済んだ。
お客さんも、まだ来ていなかった。
とりあえず、仕事は何とかなった。
まったく、なんて始まりだ。