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部外者が考える「最前管理」の解決策の提案
こんな記事を読んだ
私はライブに行ったことは一度もないがアイドルは割と好きなので、このようなアイドル側と客側が両方みんなが幸せになれていない状況を知って少し悲しくなった。それと同時に興味深い文化だと思ったので少し分析してみたくなった
アイドルに好意的だが現場には全くの部外者がこれらの記事を読んで思ったことを的外れに書いていきたい
まず、上の2つの記事の要約し、それから思ったことと解決策を述べる
上の記事を読んでいなくても理解できるように書いてあるが、上の記事は熱量高く書かれていて面白かったのでおすすめだ
主な登場人物
アイドル運営:ライブに客を集めて、チケットの売上と特典会で利益を上げることが目的
アイドル:アイドル
フェス運営:第三の組織、または、アイドルの運営
最前管理グループ:ライブ会場の最前列を集団で陣取り管理するグループ(詳細は後述)
一般客:個人でライブに参加している客
フェスに関する基本知識
フェス=複数のアイドルのセット売り
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基本的にライブは立ち見で行われるので、指定席という概念は存在しない
ライブ会場の前方に柵があり、これより前では見られない(つまり会場の最前列が存在する)
入場前に客は整理券番号を受け取り、その番号が早い順に入場する
上の画像からもわかるように各ライブの間隔がほぼゼロ、そのため整理券番号の配布はフェス開始前の一度しか行われない
最前管理とは?
フェス開始前に整理券番号順に入場し、自分の好みの位置を定められる
しかし、ここで問題となるのが全体入場はこの一度しか行われないことである。自分の目当てのライブが8時間後というのもありえて、仮に良い場所を得られたとしても8時間ずっとその場所を確保する必要がある
ここで慣例的に、場所の貸出がファンの間で行われているらしい
たとえば、フェスがアイドルA→アイドルB→アイドルAで行われるとして、入場時に良い場所を確保できたアイドルAのファンが、その場所をアイドルBのファンに「あなたにこの場所を貸し出しますが、最後のライブのときに返してください」という交渉が行われることがあるらしい
このような2つのアイドルの例だと交渉は簡単に行われることが予想できるが、実際は8時間後というのもありえて、8時間分の交渉を一個人が行うことは難しいだろう、十数人の他のグループのファンとマッチングして交渉する必要がある
ここで、このような交渉の管理を行う「最前管理グループ」が生まれたらしい
最前管理グループとは、フェスの開始時に最前列を集団で独占し(どうやって最前列を確保するのかは後述)交渉のマッチングを行うグループである
このように聞くと百利あって一害なしのグループのように思えるが、実際は最前管理グループの各メンバーもいずれかのアイドルのファンであり、このような交渉は自分たちのグループだけで回すことが多いらしい
つまり、フェスの各アイドルのライブを最前で見ている主な客は、一般客ではない最前管理グループの誰かということになるので、一害なしということはないようだ
最前管理グループとフェス運営
このような不公平さを助長する最前管理グループに対して、フェス運営が敵視しているかといわれたらそうではないらしい
最前管理グループがフェス運営(アイドル運営)にとって利益的である点として
彼らは全てのライブに参加する固定客
最前列を確保するためには良い整理券番号を複数入手する必要があるが、チケットを大量に購入することでそれを叶えている
余分に買ったチケットは、彼らが他の一般客に定価以下(?)で販売しているらしい
がある
最前管理グループと一般客
最前管理グループが一般客に利益的である点として
仮に一般客が良い整理券番号を手に入れたが8時間後のライブだけに興味がある場合、前述の交渉問題が発生する。このとき、最前管理グループは常に最前列にいるので、彼らと一度交渉するだけで済む
があり、不利益的である点として
最前列は最前管理グループに独占されているので、たとえ最前列に行けたとしても集団の中の個人となってしまい居心地が悪い
がある
不思議に思った点
「場所を自由に貸し出しできる」というのは強すぎる権利だと思った
整理券番号1番の客が、10番を通り越して100番の客と自由に貸し出しできるのは変だと思うので
ナイーブな解決策
現在、整理券番号は「フェス参加前に場所を確保できる」権利となっているが、「フェスの間中、整理券番号が弱い客よりも良い場所にいられる」権利という通行許可証のようなものにすれば良いと思った
理想的な状況として、
フェス開始前に整理券番号を発行し、その番号が書かれたビブスを配布(ビブスの交換や譲渡は禁止)
客は他人の整理券番号を簡単に確認できるので簡単に交渉できる(交渉の際は必ず自分の整理券番号を見せる)
立ち見なので場所の些細な変更は簡単(誰かに場所を渡したときに、場所の変更は雪崩的に発生するが、立ち位置を若干変えるだけ)
が考えられる
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実際は、整理券番号をガムテープに記して胸に貼り付ける(不正に弱そう)、首からぶら下げる(こちらのほうが不正に強そう)、みたいなことが実現可能なのではないかと思う。遠くから目視しにくい場合は、他人に番号を聞くために話しかけるという負担が発生するが
他の解決策として、フェスをブロックごとに分けて、そのブロックごとに抽選するとかが考えられる(1ブロックが60分や90分くらいなら離席せずに見てほしい)
ただこの解決策だと、フェス運営の思惑(できるだけ多くのグループにライブをさせる、ファン層が違うアイドルグループをセットで売りたい)を叶えられないかもしれない
まとめ
フェスの座席配分が難しい点として
立ち見なので指定席を作れない
整理された全体入場はフェス開始時の一度のみ(運営の都合によるもの)
目当てのライブが数時間後というのもありえる
というものがあり、それの解決策の一つとして最前管理グループが生まれたのだと思われる
自分が確保した場所を自由に貸し出しできるというのは越権的であると感じたので、そこは運営側がルールを決めて解決すれば良いのではどうかと思った