科学的根拠ナシ!?《デコイ》を狩猟に使う理由とは
こんにちは。コッコちゃんです。
こんなものを見たことありませんか?
日本の狩猟シーンではなかなか見ることはありません。
これはデコイ(Decoy)と呼ばれる等身大の模型で、主に北米を中心に、狩猟時に獲物を誘引する(呼び寄せる)ために使用されます。
しかし、誘引効果は認めらているものの、誘引に至る詳しいメカニズムは研究でも明らかになっていません。
今回は、そんなデコイの種類や、使用方法、その効果について発信します。
どんな種類のデコイがあるの??
ひと口に《デコイ》と言っても、対象となる動物、デコイの形状、姿勢は様々です。
狩猟で用いるポピュラーな動物はシカやカモですが、中でも鳥類の種類は豊富でハトやガチョウ、シチメンチョウもあり、幅広い狩猟鳥に対応しています。
デコイは種類が豊富なだけあり、形状にもいくつかのタイプがあります。
カモを始めとした鳥類は基本的に立体で、樹脂製品や、木彫り製品もあります。シカのデコイも樹脂製の立体製品がありますが、近年では等身大の写真が印刷されたパネルタイプも登場しています。折りたたむことで瞬時に展開、収納が可能なパネルタイプは、パーツや重量が多い樹脂製品と比較しても安価で利便性も高いとレビューされています。
重要な「動物の姿勢」
動物によってはデコイが示す「姿勢」は、狩猟を行う上で重要なポイントです。例えば、
・座って休んでいる姿勢
・頭を下げて餌を食べている姿勢
・立って周囲を見渡している姿勢
・耳を立てている、下げている
などが挙げられ、使用する場面によって最も効果的なデコイを選択する必要があります。
長野県の信州大学が行ったニホンジカの実験によると、休息姿勢(座って休んでいる姿勢)のメスが最も誘引効果が高いことが明らかとなっています。
使用方法
デコイの利用は、社会性動物の特徴を利用した誘引方法で、対象動物に仲間やライバルとして認識させることを意図して設置します。主に、北米を中心に使用されており、待ち伏せ猟を行う際使用します。
カモ等は水辺に浮かせたり、シカは遠くからでも発見できる広野に設置します。また、専用の匂いスプレーをデコイに散布つけるなど、視覚以外に嗅覚でも誘引を促しています。
デコイ設置の効果とは
メスジカのデコイを使用したとある実験では、デコイに興味を持った個体が以下のような行動をとったことがわかっています。
・至近距離まで接近する
・匂いをかぐ
・マウンティング(オスのみ)
・陰部の臭いをかぐ
・頭突して破壊
シチメンチョウのデコイの場合は、設置することで縄張りを侵されたと認識し、デコイを攻撃を始め、ボコボコにしたという映像記録もあります。
おわりに
これらのことから、デコイは視覚的に野生鳥獣に認識され、捕獲チャンスを増大させるアイテムとして有効であることが考えられます。
様々な実験が行われましたが、誘引に至るまでのメカニズムまでは解明されていません。
・本物と間違えているのか
・ニセモノと理解した上で寄ってくるのか
・そばにいると安心するのか
これを解明するのは困難が予想されます。
しかし、現代の日本のハンターの現状として高齢化が大きな問題となっており、計画的に捕獲を行うには、時間、労力、費用のコストカットが重要なポイントとなります。ハンターが動かなくても、動物から寄ってきてくれるデコイは、そういった諸問題を解決に導くヒントになるかもしれません。