かわいくミニチュアフィギュアを塗る!
じわじわ書いていきます。
かわいくて魅力的なミニチュアフィギュア(大体1/35~1/48、50㎜~30㎜サイズくらい)はたくさんあるのですが、これをかわいらしく塗るというと、なかなか参考になる記事を見つけることが出来ません。
自分で塗らなくても誰かがカワイク塗ってくれるのを見れれば十分ですし、そのうち老眼が進んで塗れなくなるのは確定事項なので、塗ってくれる人のためにちょっとメモを書いてみて、誰か自分の代わりに塗って見せてよぅと思った次第。
自分は正統派なミニチュア塗りではないので、曰く美少女フィギュアのフェイスペイント、アイペイントをなんとかミニチュアで出来ないものかと足掻いたチラ裏です。
◆その1 道具
●塗料・溶剤(薄め液)
塗料は好きなものを使えばよいと思います。絶対に失敗しない正解なんかこの理不尽なリアルワールドには無いです。
自分はファレホを使ってます。でもファレホは入手先が限られますね、はじめは入手性の良い塗料を選んで好みの塗料をみつければよいと思います。水性だと塗っているときに臭いがほぼないですが、塗料だけで塗れるわけないのが悩ましいところ。
溶剤ですが、塗料も大抵のものはボトル出しでは粘度が高く濃すぎますので、溶剤で薄めて使うことになると思います。ラッカー系・エナメル系なら溶剤として専用の薄め液が売られているでしょうし、水性ならだいたい水道水でOKですが、使う前に塗料にあった溶剤なのかくらい確認しましょう。なんでもいいわけではないのです。
小さなミニチュアフィギュアを塗るのに売られている塗料は一般的に不透明で隠ぺい力の高いものが多いですが、そんなんそのまま使ったら繊細なモールドが潰れます。溶剤で適度に薄めましょう。薄めれば塗膜の表面だけ乾いて、厚い塗面がいつまでも乾かないということもなくなります。
塗料が薄いと不安ですが、薄い塗面なら乾く前に重ね塗りしても、生乾きの塗料を剥いで、塗面をぐずぐずにするヤラカシが減りますし、塗面もきれいになりますよ。
●パレット
水性塗料のファレホなら100均で、クッキングペーパー、ペーパータオル、浅めのタッパーを買ってきて、タッパーにペーパータオルを敷いて水を含ませ、その上にタッパーに敷けるサイズに切ったクッキングペーパーを敷けばウェットパレットの出来上がりです。
ラッカー系やエナメルだと塗料皿を調達するのでしょうか。ラッカー系・エナメル系は片付けでパレット洗うのが大変ですね。お金に余裕があれば使い捨てという選択肢も。
●染筆バケツ・ツールクリーナー
筆を洗うバケツも必要です。バケツみたいに大きくなくとも、それなりにツールクリーナーや水の容量が入る容器が必要です。
筆を洗うのにラッカー系、エナメル系だと専用の薄目液で洗うか、ツールクリーナーが必要です。水性塗料だと大抵水が使えます、または専用溶剤がある塗料もあるのかな。水で洗えると臭いがないので使いやすいかもしれませんが、それでも乾きの早い塗料の場合、筆先から固まった塗料を落とすのに水ではなくツールクリーナー使わないといけないとすると臭います。換気は大事。
自分はMr.ブラシウォッシャーを2こ準備し、ツールクリーナーと水を入れて筆を洗っています。強力なクリーナーで筆先の塗料を強引に落として、水でクリーナを中和してます。自分の場合そうしないと塗料にクリーナーが混ざって塗料がおかしなことになった経験からこうしてます。ただクリーナー使ってるので臭いはラッカー使っているのと変わりません。
また強力なクリーナーは筆から塗料をさっさと落とせるけど天然毛の筆先は確実に痛めます。合成毛の筆先でも痛むけど筆を使っていくうちの筆先の摩耗とどっこいですかね。自分は合成毛の筆しか使っていないので気にはなっていません。
そして、溶剤を入れておく容器。水性塗料なら水、ラッカー系。エナメル系なら専用の溶剤を入れておいて、必要に応じて塗料を薄めるのに使います。
今頃唐突に理解したのですが、学校で使っていた染筆バケツってのは筆を洗う場所と、塗料を薄める場所を分けるのに分割されてたんですな。当時先生の話なんかまったく聞いてなかった。
●ルーペ・拡大鏡
見えないものは塗れません。見えさえすれば、びっくりすることに手はついてきます。
今だと3000円くらいでルーペとLEDライトがセットになって蛇腹?みたいなアームで机に固定できるものがAmazonで見つけられるのではないでしょうか。自分はこれです。
手っ取り早くはスマホの拡大鏡アプリみたいなのを活用できないかな?
自分は使ってないので判りませんが、これもスマホを保持するアームみたいなのが売られているので、使えそうなのがあればそれで良いのがないですかね。
●筆
筆よりまず使い方なので、初めから高い筆に手を出すのはどうかと思います。とはいえ、ペイントの趣味を続けるなら自分の好みにあった筆を探すことになると思います。
最初は100均一で売られているネイルアート用の筆か、田宮の200~300円台の面相筆で筆の使い方を覚え、手に筆の動かし方を覚えさせるのが良いと思います。この筆の動かし方も見えなければ始まりませんので、塗っているミニチュアが十分な大きさで見える環境は大事です。
自分は筆に溶剤を適度に染み込ませて、極力筆の根元まで塗料が上がってこないようにして(・・・まあどうやっても濃度は均質化しようとしては多かれ少なかれ拡散します)、筆先に適度に塗料を載せるので、ちょと穂先の長いものを愛用しています。塗りやすい塗料の濃度は自分で見つけましょう。
同じ塗料を使っていても、どう塗るかで筆に載せる塗料の薄め方は変わってきます。
●持ち手、曰く治具・ジグ・JIG
塗っているときにミニチュアを手で持っていると、塗れないところや触ってしまい塗面が荒れてしまったり、指を介しての色移りの原因になります。
ミニチュアを固定するジグはいろいろ売られているのですが、持ち手を使おうとすると、ミニチュアの目立たないどこかに軸うちして針金やプラ棒を差し込んでジグに固定する、またはくっつき虫みたいなガム状の固定材をミニチュア付けて、その固定材を塗装用のクリップの棒か何かで持つことになります。
自分はミニチュアの足の裏とかに1mmの穴をあけて真鍮線を差し、100均一の3㎝角のバルサ材に固定しています。書くと簡単ですが、これをやろうとすると道具として
・持ちてに使うバルサ材
自分の使っているものは100円で10個くらい?
・真鍮線
柔らかめの針金です、1mmだとちょっと太いかもしれませんね。
・真鍮線をカットするニッパー
一応金属ですからね、プラ用ニッパーは刃が痛みます。専用のものか100均で適当なものを買いましょう。ただ安いと切断面がつぶれて径が太くなるんですよね。真鍮線ならカッターでコロコロ転がして切ってもいいです。
・ドリル刃
ミニチュアとバルサ材に穴をあけるので金工用が良いですかね。1mmだとサイズによっては穴をあけるところに困るミニチュアもありますが、固定力も欲しいので、自分にあった径を見つけましょう。固定用に使う針金と同じ径で良いかと思います。
・ピンバイス
ドリル刃を固定するホルダです。ホームセンタで安いものだと600円くらいからあります、自分が使いたいドリル刃を保持できる径で選んでください。
・接着剤
バルサ材と真鍮線、真鍮線とミニチュアを固定します。塗っているときにミニチュアが動くとミスにつながりますし、細かい作業のストレス低減にもなります。
ですがガッチリ固定しちゃうと塗り終わったときに外すのが大変、運が悪いと塗面が傷ついたり、最悪ミニチュアが壊れます。ほどほどの量で接着しましょう。こればっかりは自分でうまくやるしかないです。僕は田宮のイージーサンディング瞬間接着剤使ってます。
思ったよりいろいろ必要になりますね。
ジグにミニチュアフィギュアを付けた状態で自立させられるものがおすすめです。塗面が乾いていないミニチュアフィギュアを直置きしたら良いことないですからね。作業途中で置けるってもの大きいです。
◆その2 自分がしてることを理解する
そら、ミニチュアフィギュアをかわいく塗ってやろうと思ってるに決まっているのですが、もうちょっと分解して感度を上げていきましょう。
●自分はどうしたいのか?
自分の好みが誰かの作品と100%一致する幸せな人は、その方の作品を見ていれば良いので自分の手を動かす必要がないです。それが、寡作な方だったら、ちょっと辛いかもしれませんが・・・
ですが、その差分を呑み込めない人は自分でなんとかするしかないのですね。ここには辿っていけば確実に満たされる道も正解もないです。自分の嗜好を100%満たすために、自分で足掻かねばなりません。
自分の嗜好を満たすために塗り始めたミニチュアフィギュアの仕上がりイメージはどんな仕上がりでしょうか?
正統派のファンタジーミニチュアや、ミリタリー系、ヒストリカル系のフィギュアの様に絵画的。ユーロ塗りとかいうな仕上がりでしょうか?
それとも、美少女フィギュアみたいにアニメ絵的なフラットな色調に立体であることをほんのり強調する陰影が入るような仕上がりでしょうか?
絵画的な仕上がりであれば、カルビンタン先生のDVDとか参考になる書物がいっぱいありますし、ファンタジーミニチュアならYoutubeで動画を探せます。美少女フィギュアなら完成品をお手本として入手することが可能です。
自分は残念ながら、自分の嗜好を満たす筋でミニチュアフィギュアをかわいく塗るお手本を見つけられませんでしたので、非常に残念ながらこんなチラ裏をかいているわけです。
●自分は何をしようとしているのか?
塗ろうとしている場所は平面ではないのです。そしてミニチュアフィギュアのかわいらしさを左右する目の周りは眼窩なので、フツーくぼんでいます。塗りたいミニチュアフィギュアの眼窩より大きな筆先なんか入りませんし、眼窩に干渉する方向で筆なんか入れても、塗るつもりのなかった余計なとこに塗料がついてえらいことになるだけです。
なので、一度塗る対象物が立体的にどんな形をしているか良く観ましょう。小さすぎてよく見えないなら、ルーペやらスマホやら拡大鏡で拡大しましょう。自分の中で塗るミニチュアフィギュアのお顔が小さくてよくわからないナニカ?であるうちは決してカワイクなんて塗れません。
百聞は一見に如かずで、一度双眼の実体顕微鏡なんかで10倍くらいで見れれば一撃で理解できるような気もするのですが、そんなものにお金出すのはなかなかハードルが高いのでそんな環境は揃わないと思います。ちょっと扁平に見えるかもしれませんが、スマホとかで拡大して見てみるのが良いかと。
小さいお顔にも原型士さんが作りこんだ凹凸があってお顔は構成されているのです。そこに自分の筆はどのくらいのサイズ感なのかが判れば、次は塗料の濃度の調整やら、筆をどのように当てるかということになるかと思います。
●自分の中でそのミニチュアフィギュアの立ち位置は?
自分はそのミニチュアフィギュアを塗って仕上げたらどうしたいのでしょう?もっと掘り下げてみましょう。
情景模型の構成要素ですか?
これなら目との距離は1mくらいでしょうかね。その場合、ミニチュアフィギュアが主役ではないですよね。アイペイントなんか実際不要でしょう。この場合、フィギュアのアイペイントするのは羽織の裏をチラ見させるごとき粋な仕込みですよね。人間の目はそこまで見えませんよ?
単体または複数で使うボードゲームの駒でしょうか?
目との距離は1m~50cmくらい?この場合、ミニチュアフィギュアの塗りの分解能が高い方がアガると思いますが、アイペイントはまっすぐ前を見れていればいいですよね。なぜならフィギュアの立ち位置は盤上の趨勢で刻々変わるからです。
それとも手元でくるくる回しながら、必要なら拡大鏡で眺める小さなカワイイアートでしょうか?
目との距離は30cmくらいですかね。ここで書き込むのはこのカテゴリのニッチなミニチュアの表現になります。
仕上がり後にどうするかによって、どのくらいの労力をかけて、どんな細かさ(分解能)で、どんな色調で塗るかが決まってくると思います。
●自分はどんな塗料を使っているのか?
塗料はボトル出しのまま使えると思っていた時期が自分にもありました。だってその状態で売ってるんだもん。そのまま使えるのよね?と。
ボトル出しのモッチャリして粘性の高いままの塗料を塗りたくったら、自分の中ではカワイク塗り上げる予定だったミニチュアちゃんは、あっちゅう間に綺麗なモールドが塗料で埋まってよくわからないナニカになりますよっと。
で、適度に溶剤で薄めて使うわけですが、余るシャバシャバにしすぎて筆に載せるとフィギュアのモールド沿いにツーって広がってイランとこまで塗れます。
墨入れやウォッシング?技法はこれを狙ってやるんでしょうが、お顔塗るときには勝手に塗料に広がられては困りますので、適切な濃度に薄めるわけですが、ここで、塗料の種類というか色によって癖が出るんですね。
自分はファレホなので、ファレホのモデルカラーというカテゴリなら見た目同じだし、同じ癖の塗料なんだろうと思って使いますと、これが結構違います。色によって乾き方が違ったり、塗料に混ざっている基材の違いで溶剤で伸ばした時の薄まり方や混色した時の混ざり具合は全然別物です。
シタデル系の塗料を使っている人の動画を見るとベースとレイヤーって種類があるので、そういう分類がはっきりしている塗料もあるんですね。ただ、シタデルはお高い。
手っ取り早く塗料の癖を見るなら、溶剤で伸ばしてみて簡単にきれいに薄まっていくならそれは顔料の粒子が細かいと思われるので、別な色と混ぜても思い通りの混色が可能かと思いますが、伸ばしていく過程でなんかムラが出たり、抵抗しながら薄まっていく感じなら、隠ぺい性を高めるために顔料が荒いか、なにか別な混ぜ物(基材)が入ってるんだろうなということです。こういう色ごとの癖を抑え込むのにメディウムという混ぜ物が売られているのですが、これもねー、僕にはまだよくわかりません。
混ぜ物に頼るくらいなら、最初は使う色数を絞って塗料の癖を把握しながら、ちょっとずつちょっとずつその塗料の色の持つ癖を掴みながら使いこなす(ほんとに使いこなす感じ!)ほうがお財布にも優しいです。
◆その3 ミニチュアに色を載せる
●下地の色・基準の色(サーフェーサー、通称サフ)
買ってきたミニチュアはどんな色をしていますかね。そら、素材の色そのままですよね。
出来れば、色を載せる前に自分の塗りにあった下地(サーフェーサー)を塗りましょう。素材の色味が塗膜から透けた時にどう塗膜の色味が変わって見えるかまでわかって塗れる達人なら何とかなるかもしれませんが、自分にはそんな判りません。一度基準の色を決めてそこから練習する方が、塗りと色の使い方が安定すると思います。そうじゃないとミニチュアの素材ごとに違う発色しますので、苦しみますよ・・・多分。
自分は下地の意味を理解して、サフの色を決めるまでだいぶ右往左往しました。
下地はミニチュア塗りでのオーソドックスな黒立ち上げ、または白立ち上げで始めるのが一般的ではないんですかね。Youtubeみてたらシタデルの塗りの紹介なんかでいろいろ見つかると思います、中には人の肌を緑立ち上げする人とかとかすごいのも見たことあります。これはどう色と光を見えているかなんでしょうね。
自分は白立ち上げです、田宮のファインサフ白使ってます。メタルのミニチュアも塗るので、田宮のファインサフはプライマーも入ってるのでどんな素材のミニチュアでも使えて、同じ色味から始められるのが大きいです。
自分は黒立ち上げをやってみてネガ写真を見ているような気分になりました。あと白立ち上げだと塗りのはみだしをいきなりホワイトで修正して同じ色から載せ直せばいいという。自分には白立ち上げが修正が楽に感じます。
なのでここから先は黒立ち上げする人には刺さらないと思われ。
●肌の色
ここから、多分人それぞれなんじゃないかな。自分の塗料と塗り方の話になるので、人によっては参考にならないと思われます。
自分が顔の肌色のベースとして使っているのは、以下ファレホ5色です。
この色ではアニメ絵(ジャパニメーションね)の肌しか塗れてないです。曰く肌色ですね、ポリコレとかシランガナ。自分の語圏・文化圏で閉じてやっといてくれ。
PANZER ACES 342 Highlight Flesh ⇒肌のベース、これ名前のまんま肌色。
PANZER ACES 343 Shadow Flesh ⇒目の輪郭、眉
MODEL COLOR 70.910 ORANGE RED ⇒ 唇、目元、日焼け肌にしたいとき、
MODEL COLOR 70.947 DARK VERMILION ⇒ チーク、派手め唇
MODEL COLOR 70.951 WHITE ⇒ Hiligh Fleshに混ぜて修正用やハイライト
人外肌(緑やら青やら)はたまに気が向いて試しますが、まだいい色が見つかりません。そもそもカワイクならんのだもの。
●自分の顔の塗り方
1. 下地に薄くハイライトフレッシュをシャバ塗り
2. 眼窩にシャドウフレッシュで目の輪郭を作成
3. ホワイトで白目を描く
4. 瞳を描く
5. チークを塗りぬり
6. 唇を描く
7. 眉を描く
8. 髪を塗る
9. お化粧、色味をなじませたりハイライト載せたりバランスをとる
ハイライトフレッシュは肌にそのまま使います。まず白サフで下地塗った上にシャバ塗りします。シャバ塗りするので、下地のサフの白が透けます、シャバ塗りならこの透けがうまいこと顔の造形のコントラストを柔らかく作ってくれます。そう、1/35くらいのミニスケールならね。おっきいスケールは塗ったことないので知りません。黒立ち上げとかだとこの時点でつかえねー話になるはず。
オレンジレッド、ダークバーミリオンはハイライトフレッシュにちょっと混ぜて使います。そのちょっとが難しいんですけどね。
オレンジレッドはハイライトフレッシュで薄めて、目元や唇に。
ダークバーミリオンはチークに使ってます。たまに濃い目のリップなど。原色のままでは使わないですかね。
●アイペイント
ハイライトフレッシュシャバ塗りして色がかすかに乗ったら、眼窩に濃い目のシャドウベースで目の輪郭を描きます。
この自分選んだシャドウベースという色は茶色に見えるのですが、実際は暗く濃い赤です。ハイライトフレッシュをベースにした肌色が載ると肌のくぼみの赤みに見えます。ですがこの色、なんか基材がモッチャリしているので、いい感じには薄まらないです、モッチャリか超シャバかの極端。これを目が収まる程度まで塗ります。
で、はみ出したら後で直す、治った後がイメージできない場合は仕方ないので、ここで直す。
修正にはハイライトフレッシュにホワイト混ぜて直します。ここで白立ち上げなのが効いてくるわけです。白塗ってはみだしを隠ぺいして、また肌色を塗ればいいのです。
白目の描き方はミリ物のアイぺで良く観るやり方で、輪郭を残して白を置きます。白に黄色とか混ぜると良いという説も良く観ますが、そんなん戦場で死んだ目してるオッサンフィギュア向けなので、そのまま白でいいです。どうせ肉眼では差分が見えねーですよ。手が動くようになれば瞳を白で修正するようになるので、調色だとちょっとした修正もやりにくくなるし、この後の目元周りの滲みが生み出すコントラストに埋もれますので気にしない。なぜなら肉眼では見えねーサイズを描いてますので、イメージは滲みます。見える人だけ調色すればいいんでないかな。
で、こっからどう輪郭を残すのか、どこが目の領域を決めるポイントなのかというとこです。自分がたどり着いたポイントは目尻の切り返し?です。
下の絵で左が切り返し無し、右が切り返し有の今の描き方です。ほんのちょっとでも切り返しが付くと目の領域が確定し、視線が強くなるように感じます。目の下側の輪郭は切り返しが残れば消えてしまっても目の領域は勝手に脳が補完します。
●塗り分けの分解能を上げよう
自分の好みの方向が決まったら、もうあとは自分の中で塗り分けの分解能を上げていくしかないです。
手がついてくれば1/35だろうがチークもアイシャドウも塗れます。塗っているフィギュアのどこを自分は狙って塗りたいのか、手がついてくればそれなりに塗れるようになりますし、塗りたいエリアに筆先が大きすぎれば、そこで筆を選べばよいでしょう。
分解能が上がれば自分で置いた色と隣接した領域の色とのコントラストが判るようになると思われます。自分で自然に見えるよう好みの色を置けばいいのです。色の境目がきつすぎたりケバ過ぎたらシャバ目にした塗料でなじませるとかですね。
塗りのうまい人の作品を見たらもうそれだけで自分の中の基準が上がりますよ、そうしたら、肉眼で見て自然になる程度に自分の中で塗りの労力を調整していけばいいのです。バランスがとれていれば拡大写真でうへえーって思う塗り訳でも人の目と脳は補完するので肉眼だといい感じだったりするのです。
神は細部に宿るという言葉もありますが、見えやしない部分に割く量力は羽織の裏地ですので、自分が気持ちいいように塗ればいいのです。正解なんかないです。ゴールは自分が決めるのです。
◆その4 どこから塗りますか?
●顔が先の人、顔は後の人、まんべんなく進める人
ネット情報や参考になる本を見る限り、どこから塗るかは千差万別。人それぞれです。
自分はお顔から塗ります、なぜなら自分は人を塗りたいからです。人を塗り上げた後に、その出来を見ながら最近はベース含めた作品(まだそんなレベルではないですが)の構成を決めるので、作品の主役たるその人を識別する最も印象的な顔、視線を決めて、髪色、服のカラーリングと進めています。
これがヴィネットやジオラマの構成要素であれば、全体の色味を決めて、変な自己主張しない、作品に溶けこむ色味で塗ることになると思うんですよね。
なので、人それぞれ自分の作りたい作品に沿った塗り方になると思います。
◆その5 時間配分
●時間は有限です
フィギュアを塗るにあたり、自分は最初から顔に時間をかけて練習することにしました。自分の中の配分は顔50%その他50%です。
どうやったって時間は足らないし、やろうと思えばキリはないです、顔を塗る時間を決めて、その時間だけその他要素を塗って最後の出来がどうあれ、自分の中では必ず完成させています。
フィギュアを完成させて全体のバランスを見れる状態にならないと完成形で何を良くしていけばいいのか判断できません。自分は顔が見れれれば、それなりにフィギュアは見えるようになると思っていて、優先順位は、顔(アイペイント・視線) > 配色(髪色・服) > 全体の塗り(グラデ・陰影処理)になってます。
全部をよくできれば最高ですが、そんな時間も、出来る様になる保証もない中でペイントを始めるわけですから、自分の一番出来る様になりたいことを決めて、そこをまず出来る様になる練習に時間を使うのがいいと思いますよ。
◆一番大事だと思ってること
自分のお金で買った自分のお気に入りのフィギュアを、自分の時間を使い、自分のスキルで塗って楽しむのであれば、そこに他人の目を気にしたり、意見なんて入り込む余地は無いです。
ただ、コンテストに出して賞をもらいたいとか思うのであれば、その時は作品の一般受けとか、はやりの塗り方を考えないといけなくなると思います。自分の作品を人に見てもらい、褒めてもらいたいと思ったならば、評価は自分でするものではない故に、ね。
自分のありようは自分で決めればいいのです。