北海道一人旅 最終章 スプウン谷のザワザワ村
アラフィフ一人旅の最後の宿「スプウン谷のザワザワ村」に衝撃を受けた私。この宿にまつわるあれこれは、ぜひこちらを読んでみてください。
他にもこちらに泊まった人たちの感想及び感動は、あちこちのブログに綴られているので、内容やディテールはあまり詳しくは書きません。
ただおこがましくも同じくコテージを所有するオーナーとして、強い衝撃を受けたことは記しておきたいと思います。実は最初私は、このコテージの訪問を言うほど楽しみにはしていませんでした。何故に、日本でムーミン谷?(個人のイメージです)と思ったから。もともとメルヘンチックなものに興味もないし、美瑛とヨーロッパ調のコテージという組み合わせが、ミスマッチに思えたのです。しかし一歩スプウン谷に足を踏み入れると、そんな先入観はものすごい勢いでぶっ飛びました。(風速100メートル)
まずは畑・空・建物群の調和した美しさが、半端ない。声を失う。立ち尽くす。これは誰もが同じ経験をすると思います。
そして、建物の中に入ってみます。ここでもびっくり。
手抜きしたと見られる箇所がない!
風景が綺麗な宿なんて、山ほどあります。大きく窓をくりぬけばいいのだから。しかし、いわゆる「ラグジュアリー」な宿でも、細部を手抜きした宿はたくさんあります。建具がペコペコだったり、床がいわゆる安いマンションの床みたいのだったり。(語彙が…)
でもここは、正反対。窓枠、鍵、取手、雑貨、蛇口、棚、見えないところにも気が配られているのがわかります。いや、そんな簡単なものじゃない、オーナーの心を感じます。心が注入されているのです。それは、他の建物も同じで、レセプションのある建物やスタッフさんが寝泊まりする建物も、デザインも建築も手を抜いたところがありません。
ちょっとインバウンドブームに乗って、宿でもやって一稼ぎしようなんて輩とは全然違う!(自分への戒め)
「風景を作ることは人の記憶になるということ」オーナーの言葉です。言葉通り今ではコテージの周りの広大な農地をオーナーが買取り、自ら耕しているのです。近年カフェも敷地内にオープンし、自分たちが作った小麦で作ったパンなども提供しています。
人の思いというものは確かに存在して、それが良い思いであれば他の人を優しく包むのである、と私はこの宿で身をもって体験しました。
心震える宿との出会いでした。
アラフィフどうでしょうの旅日記は、これで終わり。
長距離ドライブがたたり、五十肩をこじらせた私はこの後1月以上腕の痛みのため眠れぬ夜を過ごすこととなりますが、それでも言わせてもらいます。
「アラフィフどうでしょう」最高の旅でした。