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阿修羅のごとく〜地味着物
最近netflixで是枝監督の「阿修羅のごとく」を観ました。もともと向田邦子作品は大好きで、昭和の連続ドラマ作品も平成の映画作品も観ています。
でも私にとって「阿修羅」と言えば「八千草薫」で、昭和の「阿修羅」を超えるものはこの先出てこない、と個人的に思っていました。
ですが!この度の是枝監督の「阿修羅」はそんな私の固定概念を軽やかに超えてきました。いやー、衝撃的にクオリティーの高い作品でした。油ののり切った俳優たちをこれでもかと使いながら、過剰にならない。でも記憶に残る場面が多々あるのは、やはり名優たちの妙技というものでしょう。これは是枝監督と八木プロデューサーの情熱の賜物でもありますね。
そういえば爆笑問題の太田さんも、向田作品がお好きだそうで「阿修羅のごとく」を熱く語っていました。やっぱり魅力的な作品なんだなー。
って今回は作品を語りたいわけではないのです。ドラマの中で宮沢りえが演じた長女役綱子の着物姿のことを書きたかったのです。
お花の先生である綱子がまとっていたのは、時代設定通り昭和のお着物。
ほとんどが地味な色目の紬で、模様はあっても小さめ。帯は小さくぺたんこに締めています。
これですよ、これ!
インスタを賑わすような作家物の着物や、華やかな色合いの着物も、そりゃあ素敵ですし憧れますが、こういう50代にしか着こなせない着物というものがあると思うのです。そしてこういう着物を着ている年増の女性が醸し出す色気というものもある。いや、これに関しては宮沢りえだからの色気か。
そうだとしても、(多分そうだけど)、同じ世代として憧れてしまう大人のセクシーさというものです。
実は私も祖母の地味着物が手元にあります。これは着ないなー、リサイクル屋さんに出そうかなーと思っていたのですが、「阿修羅のごとく」を視聴後考えを変えてちょっと袖を通してみました。
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これが意外としっくりきたんですよね。やっぱりもうそろそろ地味着物の似合う年になってきたんだなー。これは楽しくなってきたぞ。