見出し画像

ビッグブルーの苦悩

皆さんは『ビッグブルー』という楽曲を知っていますか。かの有名なレースゲームである「F-ZERO」のBGMです。

時代を感じさせない色褪せぬ名曲ですね。

私はこの楽曲をマリオカートで知りました。「マリオカート8DX」にはこれをモチーフにしたコース「ビッグブルー」が存在しますが、そこで流れるBGMが下のこれです。

元祖ビッグブルーとは対照的に全編生演奏で構成されたこちらのアレンジ。私はこのアレンジがめちゃめちゃ好きです。カッコ良くないですか。


5月上旬、私はこちらの楽曲(アレンジ版)をマリオメーカー2で演奏して投稿しました。

聴いてね

今回はこの演奏を作った経緯や、制作の裏側にあるぐじゅぐじゅした部分を長々と語る気でいます。完全なる自己満足。

マジかよ読むのやめようかなと思う方も多いだろうと思って、今回は目次をつけてみました。何か気になるところがあれば、そこだけでも読んでもらえると非常に嬉しいです。


演奏グランプリの話

ビッグブルーという曲の話の前に、まず演奏を作るきっかけの話からします。今回制作したこちらの演奏、実はMr.クロスさん主催の『音色を響かせろ!演奏グランプリ』に応募するために制作したものになります。

他にも色々行われていますが
私が戦えるのは間違いなくこれだけでしょう

というのも、情けないことに私は既にマリメで制作することに対するモチベーションの大部分を失っています。私1人で考えて1人で勝手に作って投稿するというのがほぼ無理な状態です。歳をとりました。

したがって何かしらの企画に参加するか、あるいは世間で流行り始めたばかりの曲を演奏するか、とにかく何かしら 締め切り が与えられないと制作ができないんですよね。

流行りたての曲は鮮度が命なので、界隈内で誰よりも先に投稿にありつくことが求められます。これが締め切りに近い緊迫感をもたらす訳ですね。

今回も例外ではありません。しばらく何も投稿してないけど何も作る気しないな〜どうしようかな〜という気持ちから参加しました。

まあ実際細かい話をすると、いつもお世話になっているとある方に誘われたとか、本当は審査員として参加したい気持ちが強かったとか色々あるんですけど、今回はその話は我慢して割愛しようと思います。


そんな訳で参加させてもらえることになり、いよいよ制作開始となりました。




演奏曲の決定

まずは選曲からです。何を演奏しようか、正直なところかなり悩みました。というのも、このグランプリ、上のスクショにも映っている通り題材曲に関しては指定がありました。


◎お題: ゲーム音楽


これ、一見簡単そうに見えて実は結構難しいんですよね。私も参加を決めた当初は具体的な曲こそ決めていなかったものの、まあゲーム音楽なんて考えればいくらでも出てくるやろという安易な考えでいました。

しかしいざ考えてみると…


…曲が決まらない。

これに関しては問題点がいくつかあるんですけど、まず1つあるのは、私がゲーム音楽を知らなすぎるという点。致命的です。

私が知っているゲームなんてせいぜいマリオシリーズ(最近のは全然知らない)とゼルダの伝説ブレスオブザワイルド(BGMほぼ無い)とカービィシリーズ(申し訳程度の知識)くらいしか無いです。懐かしいゲームBGMと謳う演奏コースのコメント欄で思い出を語れる方々に、私は尊敬の眼差しを向けています。


グランプリに応募する訳なので、とりあえず再現度とか雰囲気とかより盛り上がりを重視したほうが良いかなと思って、マリオカートシリーズのどっかから引っ張ってこれたら良いなぁとぼんやり考えました。

実のところ、最初に演奏しようと思ったのはビッグブルーではありません。

DKスノーボードクロスでした。

マリオカートシリーズの楽曲の中でもかなりハイテンポな類の曲だと思います。ちょっとドラムがドラムンベースっぽくて、かわいい音を中心に組まれている感じが好きなんですけど実際はどういう音楽なのか知りません。

これをやろうとしてたんですけど、なぜか挫折したんです。なんでだったかなぁ。

たぶん1番あるのは先ほども言ったテンポの問題だと思います。でも私の記憶が正しければ確か音域も微妙にやりづらかったんじゃないかな。とにかく途中で諦めたんですよね。


ちなみに同じく候補として考えていた曲に、スーパーマリオブラザーズのタイトルBGMがあります。

演奏難易度的に言うと最難関はやっぱりスノボクロスで、その次にビッグブルーで、1番簡単なのがたぶんこれです。

だからビッグブルーに失敗したらささっとこれ作っておしまいにするつもりでした。まあ結局ビッグブルーで通しちゃったんですけど。

ビッグブルーを演奏するにあたって、お世辞にも簡単な曲とは言えないから、かなり色んなハプニングを想定した上で制作を始めた記憶があります。不安でした。




制作(前半)

制作を始めたのは確か4月に入る前、たぶん3/29とかその辺だった記憶です。それが結局5月に入ってから完成するんだから、いくらなんでもちょっと時間かかりすぎだなと思います。

そうは言っても実は前半部分はそんなに苦戦する部分も無くて、4/4くらいにはもうほぼ出来てました。確かこの日、意外と時間に余裕があるなと思って調子乗ってスペースでコメントを読んで喋る配信をしたような記憶がありますが、このあとの苦労を考えるとこの時の私はやはり殴られるべきだなぁと思いますね。


構成が約48小節まとまり、作り始めました。前述の通り前半で苦戦したところはあまりありませんが、強いて言えばパーツ制限ですね。


実はこれがビッグブルーの制作画面でした


一瞬でパーツが溶けました。以前ニューマル演奏でも同じようにパーツがめっちゃキツかったことがあって、また限界節約術考えないといけないのか…という憂鬱。

ニューマルのときはサンボとかの動く敵がいたので、そこで節約を考えやすかったんですけど、今回は基本パックンとブロスだけなので、コード隊を節約するのは無理だなと思いました。したがって目をつけるはドラムということになります。


これ節約あんま関係ないけど大落下遅延


これも落下遅延(?)


これ、ベタ打ちだと音が重なる部分が出てくるんですよね。キックが重なってドドッってなったり、スネアが重なって装飾音符みたいになったり。だからこうやって落下遅延で鳴る回数を調整します。

初めは本当に極限まで節約しなくてはと思い、これらのPスイッチは白音符からスーパーボールフラワーで排出する機構にしていました。

なんでそれをやめたかというと、なかなかリズムが正確にならなかったからというのと、音符から出てくるときのモロモロモロみたいな音が絶妙にダサかったからです。まあそのままにしておけば節約してますよ感が出てそれはそれで良かったのかもしれませんね。

最終的には敵パーツがまだ若干置ける状態で作り終えたので、それならわざわざPを音符から出す必要も無いかなと思って、このような形に作り直しました。例えば仮にグランプリの評価観点に「見た目のインパクト」などというものがあるなら間違いなくそのままにしておけば良かったですね。まあいいや


そういえば見た目のインパクトで思い出しましたが、今回は少し特殊なテンポ調整を採用しています。


これ


ベルトコンベア上を歩くハナチャンのテンポで進みます。まったく新しいかと言われると全然そんなことはなくて、探せば割とあるテンポ設定なんですけど、ちょっと挑戦的にしてみました。

マリカでは悪花などと呼ばれワルイージとともに多用されている「ハナチャンバギー」をイメージしたというのもあります。なんか全然思ったようにはならなかったですけど。

このテンポのせいで落下遅延が若干大変でした。歩き演奏の落下遅延より若干早くて強制スクロール演奏より若干遅いくらいの調整になるので、必然的に半当たり地形を置くハメになり、ぐちゃぐちゃになります。

あとからよくよく聴いてみると、強制スクロール演奏のほうがテンポ的には近かったかもしれません。こうなってくると本当に「ハナチャンバギー」が言いたいがためだけにハナチャンにしたみたいで恥ずかしいです。




制作(後半)

そんなわけで後半戦を作るにあたって重い腰を上げたのは4月の中旬頃でした。感覚的にはだいたい2週間くらいサボった気がします。

後半にエグいものが待っていることは、選曲の段階でわかってました。だから早く着手しないといけなかったのに、私という人間は実に愚かですね。

後半のエグいところというのはズバリ、


高密度6連符7連発!!


最初のほうで記載したアレンジ版の生演奏動画を見てもらえるとわかると思います。多分サックス?か何かだと思うのですが、いきなり覚醒したかのごとくペレレレレレペレレレレレってやり始めます(語彙力)。何言ってんのと思った方も聴けば間違いなくわかると思います。あ、これか ってなると思います。

選曲の段階で既にここをどうするかはかなり悩んでいた点で、最終的に1番現実的かなと思ったやり方が、

ゴリ押しレール演奏

という訳です。聴いていただけましたでしょうか、私の脳筋レール演奏。

色んなところで何度も言っているのですが、私は重度のレール恐怖症を患っており、レール演奏がまったくできない人です。ですからもうめちゃめちゃ大変でした。なぜこれを残した状態でギリギリまでサボったのか。


レール演奏のプロの方々が見たら
恐らく吐き気を催すレベルの汚い配線


この機構を編み出すのに結構かかった


私はレール演奏の理論をまったく理解していない上に理解しようともしていないので、音を1つ1つ足しながら微調整してました。

まあもともと本職のスクロール演奏のほうも最初から別に特段何かを見ながら作っていた訳ではなくてやりながら覚えていったので、いわゆる「作り方解説」的なものが肌に合わないんだと思います。教科書をカンニングしたくない的な。

この部分に着手し始めたのがゴールデンウィーク突入1週間前くらいのところで、平日も使わないと間に合わないぞという話になりました。

学校から帰ると毎回マスクやら低気圧やら何かしらが原因でめちゃめちゃ頭が痛いことが多いので、とりあえずひととおり暴飲暴食だけして横になるのが日課なのですが、この時期はマジで焦ってたのでその時間を返上してドデカ頭痛を抱えながらレール組んでました。やっぱりこの時期が1番キツかったですね。


幸いにもレールの他に後半で苦戦するような部分は無くて、妥協した箇所こそあるものの何とか4月末には間に合いました。

それから適当にナンセンス装飾を済ませて、5月はじめに完成という運びです。いつもだったら絶対に装飾はしないんですけど、なぜ今回したかというと、グランプリの評価観点に「装飾」があるかもしれなかったからです。

実際はどうかわかりません。5つの観点で評価されるとだけ伝えられていたので、それが何なのか私は知りません。でもまあ、やれることはやったほうが点は稼げるだろうということで、マーク式テストでわからないところを全部3で埋めていくような感覚で装飾しました。

果たしてこれが吉と出るか凶と出るか。
装飾下手クソすぎて減点されるとか無ければいいんですけど。

ちなみに装飾したはずみに消えてしまった演奏機構のパーツがいくつかあって、それを見つけて直すのに意外と時間がかかりました。これだから装飾はやりたくないんだけど


そしていよいよ投稿です。

2023.05.03

「とうこうしました」の表示が出た瞬間ここまでの疲れがどっと出て、しばらく放心状態でした。だからこの写真を撮らないとと思って来た頃には既に数人遊んでくれていました。ありがとうございます。

そういえば説明文がどんどん適当になってきているのを最近痛感しています。昔はかなり張り切って、

ぜひ遊んでください!!🤣

とか

頑張って作りました!!🤪

とか書いてた気がするんですけど、今はもはや句点のひとつも打たなくなりました。本当はもう少しこだわって書いたほうが遊ばれやすいのかもしれませんが、伸びへの興味を失った今それはもうどうでもいいことなのかもしれませんね。遊んでくれる方が遊んでくれるだけで私は嬉しいです。




終わりに

こうして私のビッグブルー制作は幕を閉じました。思い返すと改めて地獄ですね。

誇張無しにも今までで一二を争うレベルで疲れた制作だったと思います。グランプリの存在が無かったら間違いなくボツにしてます。

レール演奏もどきに関しては、ゴリ押しでも1回チャレンジできて良かったな思います。こんな調子だと一般的なレール演奏を作るのには1年とか掛かりそうな勢いなので、今後しばらくはレールと距離をおくと思います笑


ありがたいことに投稿後、一瞬だけ人気ランキング1位に載れました。本当にありがとうございます。


優しいFFさんが撮ってくれました
ありがとう


というわけで、私のビッグブルーとの戦いはこれにて終わりです。毎度のことですが、結局予定より長く書いてしまい超長文となってしまいました。ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。

おかげさまでかなり燃え尽きているので、次演奏を上げるのはいつになるのか、あるいは果たしてそのときがあるのかはわかりませんが、もし再び私を見かけたらそのときはよろしくお願いします🙇

Cobaltでした。





追記


演奏グランプリ優勝しました!
2位のまよねぇづさんとは3点差ということで、かなりの接戦となりました。
応募作品5つ、すべて聴きましたが本当にどれも素晴らしい作品で、参加者の熱意が感じられました。

こういう企画ものは制作者のモチベーションやインスピレーションを引き出してくれるので非常に貴重な機会だと思います。

私も主催やってみたいですね。今度はもっと大規模に参加者を集められたら面白いかなと思います。あと私が主催者になれば私自身はコース作らなくても

まあ冗談はさておき、何かしらの形で演奏勢のための企画をやってみたいというのはずっとあるので、何とか実現できたらいいですね。また誰か何かやってください(他力本願寺)