雲の上はいつも晴れている
子供の頃から夢だった。
雲の上に広がる空。
地上がどんなに雨降りでも
雲の上にはいつでも青い空が広がっている。
初めて飛行機に乗ったのは社会人1年目の春。
二回目は友達が結婚するとき。
そして初めての海外は新婚旅行だったな。
窓から見るその場所は想像以上の世界だった。
思わず雲の上にダイビングしたくなる感覚。
その後、仕事で何度も乗ることになったが、
そのたびにワクワクしながらその小さな窓から写真を撮った。
CAがクスクス笑いながら、
「奇麗ですよねぇ」と話しかけてきたこともあった。
どこの田舎者だよって思われたかもしれないけれど、
それくらい飽きもせず何度乗ってもワクワクは止まらなかった。
部署が変わってもう仕事で海外に行くことも無くなった。
一緒に仕事をした現地スタッフとも会うことはないだろう。
ちょっと寂しい。
コロナ禍の最中に更新したパスポートは真っ白のまま。