FAKE TYPE. 10周年とツアーに寄せて
FAKE SWING 2 RELEASE TOUR@心斎橋BIGCAT
1月12日、心斎橋BIGCATにて開催されたライブ「FAKE SWING 2 RELEASE TOUR」に参加しました。
エレスイフェスを除けばほぼ一年ぶりのライブ参戦。
しかも今回はゲストに缶缶さんを迎えていることもあって、どんなふうになるのかとても期待していました。
とても楽しかったです。そして最高でした。
前回のツアーの東京公演(@LIQUIDROOM)の時は初現場に日和ってバースタンドのところに陣取っていたけれども、今回は正真正銘・群衆の中にいました。
今回のツアーは声出し解禁+ライブグッズでペンライトが発売されたのもあり、前回以上に大いに盛り上がりました。
ゲストの缶缶さんとの声の相性も抜群だと改めて知ることができたり、イワサキさんのサックス演奏を生で見れたりと、本当に盛り沢山なライブでした。
1年前、初めて彼らのパフォーマンスを生で見た時の興奮をさらに上塗りする日となりました。
…というわけで、めでたく2023年で10周年を迎え、新アルバムを提げたツアーを大盛況で終えたFAKE TYPE. に向けて、いちオタクがちょっとだけ書き殴ります。
FAKE TYPE. とわたし。
まず、簡単に彼らとの出会いについて。
FAKE TYPE. の音楽に出会ったのは今から2年前。
大学時代の同級生が参加していたイベントで使われていた楽曲の中に「FAKE LAND」があり、イベント帰りになんとなく聞き取れた歌詞から検索をかけたところYoutubeに投稿されていたMVに辿り着きました。
普段なら一曲聴いて満足する私ですが、ポップでありながらどこか闇を感じるMVと中毒性のあるトラック、そして何よりメロディラインのあるラップに心を惹かれ、その日のうちに数曲聴いてすぐにApple Musicのライブラリに保存しました。
そこから数ヶ月後にONE PIECE FILM REDの劇中歌「ウタカタララバイ」の情報を聞き、それをきっかけに過去にリリースされたアルバムや提供曲、お二人のソロ名義の曲を聴いているうちにあっという間に沼にハマり、今日に至るまで私の音楽の趣味に彩りを与えてくれる存在となっています。
加えて、23年に10周年を迎えたフェイクに向けて、有志でファンブックを作ったり、フォロワーさんに触発されてイラストを描き始めたりなど、フェイクを通して、SNS上で知り合った人との関わりもできたりしました。
ニセモノとは
オタク故の贔屓もあって「FAKE TYPE. のどこが好き?」と聞かれると迷います。それこそ以前のアカウントで書こうとして半日悩んであまりいい記事が書けなかったくらいには迷います。
簡潔に言うと、
①トップハムハット狂の言葉遊びとボーカルの音
②DYES IWASAKIのスキャット
③クリエイター寄りのアーティスト精神
④アー写のビジュアル
が私にとっての魅力です。
小鳥遊はフェイクにハマる以前からVOCALOIDやその周りの音楽で子供の頃から過ごしているので、セルフプロデュース力の強いアーティストにはとても惹かれるものがあります。
2013年にいちネットラッパーとトラックメイカーによって結成され、2023年にめでたく10周年を迎えたFAKE TYPE.(以下:フェイク) 。
Princess♂(TOPHAMHAT-KYO のソロ曲)、FAKE LAND、ウタカタララバイとじわじわその名前を令和の音楽シーンに響かせている彼らの新作「FAKE SWING 2」は、SWINGで築かれたFAKE TYPE. の音楽をさらに強固にしたものの現れではないか…と(オタクは勝手に)思っています。
さて、ユニット名にある「FAKE = 偽物」が指すものはなんなんだろうな、と思うのですが。
個人的には、「エレクトロスウィング」「J-Pop」の二つを指していると思っています。
※オタクからすると、後者の方がとても強く考えがちです。
エレクトロスウィングというジャンルは、あまり馴染みが無いようで意外と聞いていたりします。
2018年ごろに初めてTikTokをインストールした際、当時よくCaravan Palaceの楽曲を耳にしましたし、高校時代気に入って聞いていたボーカロイドの楽曲でもエレスイの楽曲はありました。
ジャンルの特性上、一つのセオリーだけが正解ではない柔軟性が、一貫した特徴のある他のジャンルとの違いを作っているのだと考えています。
J-popというジャンルは、あくまで日本で生まれたポピュラー音楽の総称であり、その中身を統一することは難しいらしいです。
だからこそ今日まで柔軟な考え方が持たれ、様々な楽曲が生まれてきたわけです。
ただ、その柔軟性ゆえに洋楽や他の国のポップスに比較されがちなのも事実。世界的な売り上げで見たときに日本の楽曲が乗ることは少ないですし、日本に住んでいる日本人ですら「J-popはダサい」という思想の人間はいます。
「FAKE = 偽物」という言葉は、複数のジャンルのいいとこ取りをした上で自国の文化にするという、強固なようで脆くも見える現代日本の音楽の特性と事情に対して皮肉と称賛を込めている…というような気がするのです。
…まあ、ここまでほぼ書き手の妄想にすぎませんが。
最後に
ここまで長々と書きましたが、音楽知識がない人間がここまで一アーティストに対して考察をするのは他ならぬFAKE TYPE. の音楽と出会ったからだと言っても過言ではありません。
歌詞の韻や考察、トラックに隠れた楽器や演出、MVの小ネタなど、片手で数える程度聞いただけでは到底把握しきれない面白さをはらんでいます。FAKE TYPE. と出会ったことで、音楽そのものの楽しみ方を新しく知ったとも考えています。
改めて、10周年おめでとうございます。