
【DIO50】最初で最後のロングなマスツーリング
1994年、大学1年生から2年生の間の春休み。
大学の旅行サークルに所属していたのですが、
春の合宿が和歌山県の周参見という所で行われる事になりました。
そこまでの移動の手段は参加者の三々五々、現地集合の現地解散です。
さて、当時の私はホンダのDioという50ccのスクーター、
原動機付自転車いわゆる原チャリってやつがアシでした。
そいつで向かってみようかと。
その時は一人ではありません。
幸い同級生に似たような奴らが居たので、
初めてのロングツーリング初めてのキャンプツーリングは、
原付3台中型バイク3台合わせて6人のマスツーリングでした。
マスツーリングというのは、
マス(集団)ツーリング(旅行)という事で、
ようは皆でツーリング、みたいなニュアンスですが、
その時の私たちは、
その日の集合場所を決めて、そこまでは単独行動。
てな具合で、ちょっと変わったマスツーリングでした。
初日の集合は長野の諏訪の駅。
まずは原付チームの、
ユーイチとチヒロと私がそこに集合します。
クッソ寒い。
なんか雪降ってきたし。
この日はキャンプを断念して、茅野市のライダーハウスへ。


2日目、
この日の集合場所は、愛知県東部の新城市。
そこまでは単独行動。
この日もまじで寒い。
積もるレベルの雪。
ヘルメットのシールドにも積もるんだわ。
前見えないじゃん。
ヘルメットのシールドを開けるじゃん。
今度は眼鏡に積もるのよ雪が。
なんとかかんとか新城にまた集合する原付三銃士。

この辺でキャンプしようか、とアタリをつけてた場所が、
なんか地元のお祭りで賑やか過ぎて、
さらに離れた場所の人気のない公園でキャンプする事に。
3日目の集合場所は伊良湖岬。
ここで中型チームと合流。




「ばくおん」と「ゆるキャン△」を30年前に先取りですわ。
ただまあ、やってるのがむっさい男達というね。

4日目、伊良湖→鳥羽のフェリーで紀伊半島へ。
伊良湖までは冬の寒さとの戦いだったが、
ここでは春の暖かさを感じる事が出来た。

それにしても良い眺めだ。
点と点を結ぶ道。
アクセルを捻る、長閑な風景が流れる。
ヘルメット越しに感じる匂いと音と風。
上手く説明出来ないけど、
「バイクで旅する醍醐味」がそこにあった。
それは底なしの大沼だった。
今もそこから抜け出せないでいる。


そして、この旅を終えて思った事がある。
それは「ひとりでやってみたいな」という事だ。
初めてのキャンプツーリングで、
気の合う馬鹿な仲間が一緒なのは、楽しく心強いものだった。
一方で、「俺ひとりだったらなあ。」
と不自由に感じる面もあった。
その年の夏、私はひとりでキャンプツーリングに行くことにした。