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【グローサーイベントレポート】トークライブ「共感と応援の輪を広げる!ファンコミュニティの作り方」

こんにちは、co-ba ebisuです。
"働き方解放区"co-ba ebisuのCommunity Growth Member制度企画の一環で、高橋龍さんと共催でアパレルブランドオーナーと一緒にイベントを行いました。

その中で4ブランドが集まったトークライブ「共感と応援の輪を広げる!ファンコミュニティの作り方」の様子を届けします!
※トークライブはClubhouseでも配信しました。

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左から、
ITONAMI 山脇 耀平さん
ヘラルボニー 松田 崇弥さん
NAKED QUILT 児玉 晃野さん
anytee 高橋 龍さん 

応援してくれている熱烈なファンに支えられて

高橋さん
「よろしくお願いします!皆さんのブランドのファンは、どういう方ですか?」

松田さん
「僕たちヘラルボニーは知的障害のあるアーティストの作品を発信しているので、まずは福祉関係の方が応援してくださいますね。その他の熱烈なファンは2極化していて、ファッション感度が高く唯一無二のものが欲しいという方と、ストーリー共感型の方。」

山脇さん
「僕らのファンも大きく3つですね。
まずは、熱烈なジーンズマニアというよりも、愛着を持って長く付き合いたいという方が多いイメージ。一点ずつにじっくりと付き合っていく方が多い印象です。
そのほかは、デニムは瀬戸内の地場産業なので、地域文化を応援したい・共感してくださっている方や、兄弟のキャラクター感を楽しんでくださり、僕らの取り組みに共感してくれている
方ですね(笑)」

高橋さん
「山脇さんは創業して何年になりますか?」

山脇さん
「7年目になります。元々EVERY DENIMというブランド名でやっていたのですが、自分たちの活動をアップデートしていこうというタイミングで、昨年ブランド名を変えて『ITONAM』で再出発しました。」

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松田さん
「山脇くんに初めて出会ったときはEVERY DENIMだったし、僕らもMUKUという名前だったね。2017年にロンドン発のムーブメント『ファッションレボリューション』を日本版で田中千代専門学校で開催、そこが最初の出会い。僕は最初副業的にブランドやっていたんだけど、楽しくなって本業に。それを含めると5年ほどになりますが、会社を辞めて起業したのが2年半前です。」


児玉さん
「私も今秋で5周年ですね。」

高橋さん
「みんな近いね。NAKED QUILTさんのファンはどんな人が多いですか?」

児玉さん
「私のファンは、デザインに惚れて気に入ってくださる方と、物づくりに対する姿勢や情熱を応援してくださっている方が多いですね。一人でこれだけの量を作っているってすごい!と言ってくださって。」

ブランド認知に火がついたきっかけ

高橋さん
「転機はありますか?明確に覚えているターニングポイントだったりだとか。」

児玉さん
「私はコロナの影響で跳ねた人なんです。それまでもハンドメイド作家としての収入で生活はできていましたが、もっと作品を広めたいのにとくすぶっている気持ちがありました。コロナきっかけで、村上淳さんがマスクを購入してくださり、インスタで上げてくれたのがきっかけですね。村上さんはコロナ以前から作品を応援して下さっていたのですが、マスクというアイテムが時流に乗りやすかったのか一気に火がついてたくさんの方に興味を持って頂けるようになりました。当時はオフラインのイベントが出来なくなったのでブログ等のSNSも積極的に始めてよりブランドの認知が広がりました。」

高橋さん
「僕も村上さんの投稿でNAKED QUILTさんのことを知りました!」

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山脇さん
「ITONAMIは、2017年6月の『ガイアの夜明け』の地域特集がきっかけですね。出身じゃない若手の人が、しかも兄弟で、活躍していると取り上げてもらいました。ちょうどクラウドファンディングをしていて、兄弟でキャンピンカーで全国を回るというのがキャッチーだったのかも。
地方紙(山陽新聞)で取り上げてもらってたのが、のちにTV局の目についたのかもしれないです。」

高橋さん
「なるほど、メディアの応援があったと。児玉さんも村上淳さんSNSが後押ししたというお話がありましたね。尖ったものづくりをしているからこそ、メディアと相性が良かったんですね。ヘラルボニーはどうですか?」

松田さん
「山脇くんのように、僕らも一卵性の双子で活動しているっていう引きはあるかと思います(笑)
会社立ち上げたばかりの頃は、障害者支援・福祉関係って企業にも「素晴らしい活動ですね」と言われるものの、それで終わり。その先になかなか進めず、前職で身に付けたスキルで食いつないでいた時期はありました。
そんな中、とあるピッチコンテストに出たときに、オフィスや商業施設の壁紙に使いたいと言ってくださったパナソニックの社員さんがいたんです。そのおかげで、その後に様々な企業案件が決まっていったので、今でも感謝しています。」

高橋さん
「素敵ですね。振り返ると、みなさんそれぞれに背中を教えてくれる存在がいますね。」

山脇さん
「身の丈以上の何かが起きる瞬間があって、そこからギアが入って進んでいった感じがあります。
自分たちでは意識してなかったけど、外から見たら面白がってくれる部分に気づかせてくれた。ITONAMIは兄弟ブランドで表に出ていこうとはしていなかったが、周りの反応を見て「なるほど、これは生かすしかないな」と思ってブランディングしていったところはありますね。」

葛藤と向き合って、今に繋がっている

高橋さん
「反対に、悔しかった・辛かったと思い出すエピソードはありますか?」

山脇さん

「立ち上げ資金がなかったけど、早くやりたいという気持ちはあったので、大きく2つで資金を集めました。
1つめは地方創生系のビジネスプランコンテストへの応募、2つ目はクラウドファンディングです。合計400万を集めて、事業をスタートしました。
その時はまだ実績もないし判断基準の自信もないので、周囲の声をどこまで取り入れていいのか…悩みましたね。」

高橋さん
「暗闇の中を進んでいく感覚ですよね。」

山脇さん
「そうですね。僕らの場合は小売なので、お客様との距離が近いのがよかった。声が届きやすいので、それが光となって一歩一歩進んで行けましたね。」

高橋さん
「心強いね。児玉さんはブログがいいなと日頃から思っていて。マーケターもびっくりな視点の切り口や洞察力があって読んでいて面白いです!」

児玉さん
「ありがとうございます!
私は製造販売も一人で全部やっているので、大きな失敗もないかもしれないなとふと思いました。それは、個人のハンドメイド作家の強みであり弱みなのかもしれないですが。」

松田さん
「個人の作家さんだからこそ、よりファンに近く、寄り添っている感じがしますね。」

児玉さん
「そうですね、個人だからこそファンとの繋がりはより濃いと思います。
龍さんが私のブログが面白いと言ってくださったのですが、最初は自分が前に出るべきではないんじゃないか…と思い込んでいました。
むかし知人の美容師が『髪型失敗したときにトークで挽回する』っていう話をしているのを聞いたときに、それって技術者としてプロじゃないと思ってしまって。
キャラクターで差別化するのって逃げなのではないか、と思っていたのですが、SNSで発信してみて、考えがガラリと変わりました。
本当に作品に自信があるんだったら、自分が作品のために前に売り出していくのは悪いことではないなと気づいたんです。」

松田さん
「僕らも双子ブランドがあるが、最近は社員を前に出していこうとしている。企業としては双子、ブランドとしては身を引いて次に受け渡していくようなイメージです。」

これからのチャレンジ、目指す世界

高橋さん
「ヘラルボニーはこれから岩手県にギャラリーを構えようとしていると聞きました。コストもリスクもあるなかで、どうしてですか?」

松田さん
「覚悟を示したいと思っていて。これは僕らから社会へのメッセージなんです。障がい者の(しかも決して安くはない金額の)作品を、岩手から日本のみならず世界に発信していくために『これから精力的に拡大していきます』という宣言。
僕らは知的障がい者のイメージを変えたいという気持ちが強くあって。
マリメッコをベンチマークしているのですが、もしマリメッコのテキスタイルを障がい者が作っていたら、世界の認識って変わりますよね。
僕らは、人々の普段の意識が変わるような世界を作りたい。
ライフスタイルの一環にしたいので、僕らの活動は今後もスケールしていく必要があると考えています。」

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児玉さん
「場所の話で言うと、私は今つくっている作品を量産して世の中に普及させて経済的に成長していくというよりも、アーティストとして自分を伸ばしていきたいという気持ちがある。なので、今のところお店を構える予定はないですが、工房は検討しています。資金面などハードルもありますが、大きな作品にも挑戦したいです。」

山脇さん
「僕らは、ITONAMIを通じて瀬戸内地域の方々と一緒に、新しい価値を生み出して、デニム産業を魅力的にしていきたい。いろいろな方法がある中で、今しているのはアパレルや宿泊業です。
人々の消費観を変えていきたいんですよね。
もっと地域に足を運んでもらえる軸足を増やしていく。足を運んでもらうことで、生産者・製造関係者と触れて、購入体験やライフスタイルに変化が生まれていく。大きい話かもしれないですが、デニムを通じて生きている実感を感じてもらえたらやっぱり嬉しいですよね。
製造現場と消費者をもっと繋いでいきたいし、地域のことを発信する場所を他のエリアに作る、というのもやりたいことの1つにあります。」

松田さん
「うん、山脇くんはまるで歩く岡山県だね(笑)この先どうなっていきたい?」


山脇さん
「やりたいと思ったことをピュアにすぐに始められるような環境にして行きたいっていう気持ちが強いでしょうか。
宿泊業をするなんて思わなかったけど、floatを始めてみたら別側面のアイデンティティも手に入れることができた。宿泊業界の人との接点や、まちづくり・観光業に関心のある学生が住み込みで働きに来てくれたりとか。それは、想定外の面白い出会いでしたね。」

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高橋さん
「NEO東京夜市にも参加しているブランド立ち上げ中の、みきさんから質問ありますか?」

みきさん
「商品はもちろんSNSなどで拝見していましたが、ご自身もキラキラしていて素敵だなと思いました。
ブランドと一緒にご自身も成長されてきたのかなという印象を受けましたが、
ブランドを育てるために大事にしていることはありますか?」

山脇さん
「等身大であること、ですかね。
必要以上に自分たちをすごい存在だと大きくも見せようともしないし、反対に弱く見せて助けてもらおうとも思っていません。等身大の自分の実力に向き合って、逃げずに、まっすぐに進んでいくこと。その気持ちを、僕らは大事にしています。」

松田さん
「自分の言葉で話すってことは大事ですよね。
僕らが最近決めたことは「順番を定める」ことですね。
前職広告で働いていた時はクライアントファーストが鉄則だったが、会社のルールとして、クライアントファーストよりも福祉施設ファーストでいこうと決めた。そうしたら目に見えて、関係性が変わってきた気がするんです。会社としてのスタンスやスタイルを定めていくって重要なんだなと日々実感しています。」

児玉さん
「ブランドは他と被らないな差別化が必要。だけれども、作り手である『人』は差別化できないと思っています。ハンドメイド作家というと個性的でユニークな印象を持たれますが、人として普通に小さなことで悩んだりだってするし、人並みにかっこ悪い部分だってあります。人間的にはみんなと同じなんだよと感じてくださると、より作品が寄り添ってくる気がします。そんな私の作った作品を身につけてもらえることで、元気になってもらったりするのかな、と思い、必要以上に飾らずにSNSで発信していくことを大事にしています。」

高橋さん
「今日は、素敵なお話しありがとうございました!」

今後のPOP UP情報

記事を読んで「手にとってみたい」「お話を聞いてみたい!」と思った方は、ぜひPOP UPにお越しください!

◆ ヘラルボニー
日時:3/19〜
場所:ダイバーシティ東京プラザ
内容:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000039365.html
◆ NAKED QUILT
日時:4/28〜5/4
場所:松屋銀座
内容:展示販売会
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日時:6/4〜6/6
場所:大阪堀江(ギャラリー名は後日インスタグラムで告知)
内容:展示販売会
◆ 高橋 龍さん「NEO東京夜市」
日時:4/10(土)12:00-18:00
場所:Nui.hostel
内容:https://instagram.com/tokyoyoichi?igshid=y02roluuw4jj

ご紹介

● ITONAMI

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「株式会社ITONAMI」は山脇耀平と島田舜介の兄弟が2020年に設立。2015年に立ち上げた「EVERY DENIM(エブリデニム)」から2020年にリニューアルしたデニムブランド 「ITONAMI」を運営している。
アパレル事業としては、瀬戸内地域のデニム工場と連携し、オリジナル製品の企画販売を中心に活動。2018年には、クラウドファンディングで購入資金を募ったキャンピングカーで、移動販売をしながら全国47都道府県を巡り、衣食住のつくり手に出会う旅を行った。
2019年には初の拠点、宿泊施設「DENIM HOSTEL float(デニムホステルフロート)」をジーンズ工場の街・岡山県倉敷市児島にオープン。泊まれるデニム屋、海の見えるホステルとして宿泊事業を展開している。
https://ito-nami.com/

● ヘラルボニー

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「異彩を、 放て。」をミッションに掲げ、 福祉を起点に新たな文化を創ることを目指す福祉実験ユニット。
日本全国の知的障害のある作家とアートライセンス契約を結び、2,000点以上のアートデータを軸とする事業を展開する。
知的障害のある作家が描くアート作品をプロダクト化するアートライフブランド「HERALBONY」、建設現場の仮囲いに知的障害のある作家が描くアート作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」など、福祉領域の拡張を見据えた社会実験に奔走中。
世界を変える30歳未満の30人「Forbes 30 UNDER 30 JAPAN」受賞。
www.heralbony.jp

● NAKED QUILT

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スラッシュキルトの技法を応用しながらキルトというジャンル特有の懐古的な価値観に囚われず、色や素材を自由に組み合わせたエッジの効いた作品作りを行うハンドメイドブランド。
NAKED QUILTのスラッシュキルトは様々な種類の布を混ぜて使用することが特徴で、切ってみないとわからないそれぞれ違った布の断面の風合いを活かすことから、人間の内面も同じように表面からだけではわからない個性があり、社会の中で一人一人がアクセントであり大切な存在だという信念をコンセプトに活動している。
instagram


● anytee

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映画、音楽などカルチャーの香りただよう80~90年代のアメリカ製を中心としたヴィンテージTEEシャツの専門店。
オンラインとポップアップショップを不定期で展開。クリエーター"好都(yoshito)"やナイトマーケット"NEO東京夜市"など、インディペンデントなプロたちのプロデュースも手がける。
instagram

最後に

いかがでしたでしょうか?
今回は高橋さんと共催して、co-ba ebisu会員さんと共創する企画や配信スタジオとしての取り組みを行いました。
起業家やスタートアップ、クリエーターが多いco-ba ebisuですが、ブランドオーナーやD2Cサービスをローンチしているメンバーにとって刺激と出会いを創出してくださる機会でした。
高橋さん、ありがとうございました!

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全国各地に広がる「あらゆるチャレンジを応援する」をコンセプトにしたシェアードワークプレイス。co-ba ebisuは、「働き方改革」が叫ばれる中、企業側ではなく、働き手が自らのイニシアチブで自由に働き方を選べる『働き方解放区』を目指しています。
HP:https://co-ba.net/ebisu/
note:https://note.com/coba_ebisu

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