増田大輝も選ばれし猛者である
コブ山田です。
ようこそいらっしゃいました。
今回は、なぜ読売ジャイアンツの増田大輝内野手が、野手の中でも登板する役割に選ばれたかについて、記します。
最初に申し上げますが、これは私の独断と偏見が強いものになります。
まず、過去の球歴に投手経験があることです。
バッティングセンターのストラックアウトをやってみてください。プロのピッチャーは簡単にストライクゾーンにボールを投げ込みますが、実際にやってみたらすごく難しいです。かねてから投げ込む練習と、あとは体幹がしっかりしていないといけません。
そのうえで、感覚を保てるよう、野手の練習に加えて直近に投球練習をしている必要があります。
増田大輝は、小松島高校時代にはエースピッチャーでした。
そのうえで、ここからです。
増田大輝が、ドラフト下位指名でプロ入り(育成1位)し、かつ現時点では不動のレギュラーではない点があると思っています。
例えば、ドラフト1位級の待遇で入団できた選手は、その先もずっと好待遇で扱われることが多いです。もし、すぐに結果が出なくても、他に光るものがあれば、コンバートの打診もあります(東京ヤクルト高井雄平、北海道日本ハム糸井嘉男、埼玉西武木村文紀)。
しかし、育成選手からプロ野球選手の座をつかんだような、いわゆる“苦労人”のコースを歩んできた人だと、そういった非常時の役割も委ねやすい、と。決して、苦労人だから雑に扱っていいというわけではなく、彼らならやってくれると感じるものがあるということです。
その結果、事前に投球練習もして問題がないとわかったうえで、増田大輝にこの役割が課せられたのではないかと思うのです。
はっきり書いておきます。増田大輝は、雑な扱われ方をしたわけではありません。読売ジャイアンツが2020年レギュラーシーズン優勝を目指すにあたっての大切な役割を任されたのです。
このロジックで考えると、北海道日本ハム中田翔(大阪桐蔭高校→ドラフト1位指名)、広島鈴木誠也(二松学舎大学付属高校→ドラフト2位指名)が緊急時に登板することはまずないと思います。Twitterには中日根尾昂と書きましたが、考えてみたらありえるなら根尾より岡林勇希でしょうかね。三重県育ちの人間としても見てみたい(笑)
また、中日の大島洋平も享栄高校でピッチャーをしたのちに、駒澤大学→日本生命を経てドラフト5位で中日に指名されてプロ入りしいましたが、1,500本安打達成の看板選手であり、大島の緊急登板もないと思います。
あるとしたら、岡林。現在は高卒入団1年目であり、オプションの投球練習ができるのはもっと先だとは思います。加えて、以前書きましたように、投球を本業とする人たちで完結してほしい気持ちが先です。さらに申し上げますと、大島の次のセンターは岡林であるならば、最高の未来です。
ただ、9人は絶対にグラウンドに出ていなければならず、最低でも相手チームから24個のアウトを奪わなければ試合は終わりません。目先の試合と次以降の試合両方を見据えたうえでの、野手の登板という選択は合理的だと思い、その役割にフィットする選手は、まずは増田大輝であり、他球団も探せば何人かはいるように感じます。
ドラフト1位のエリートも、下位指名の苦労人も、チームに求められる活躍ができれば、その形はそこまで重要ではありません。さまざまな役割を果たせるステージがあり、自身の希望と適性から、それを探せばいい。
最後になりますが、個人的に最も見たい野手登板は、北海道日本ハムの杉谷拳士です。
内外野守れてスイッチヒッター(念のために申し上げますが、彼の本職はプロ野球選手です)。高校時代に投手経験がありますが、そのシーンは、一生十字架を背負っていくと監督に評されるものでした。
あれから14年。現在の彼の実力からしたら、非常事態の登板もできそうだと、私は思います。
杉谷も、猛者です。
ありがとうございました。