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Photo by
ugto310
座敷童子
茶道具屋の扉をあけると、停めていた車の真後ろに男の子がいた
黒目がちな瞳でこちらをみている
「子どもがいるから!車動かしちゃだめだよ!」
車の中にいる家族にそう合図する
年齢は3〜4くらいだろうか
むきゃきゃっと笑っていそうだけど決して音は聴こえない
「パパとママは?」
近づくと口周りとシャツに醤油のような汚れがついているのに気付く
その口から言葉は出てこない
「こんな車の近くにいたら、あぶないよ」
しゃがみこんで、同じ目線で、丁寧に伝える
彼はにこにこしながらこちらをみている
「ねぇねぇ、パパやママはどこ〜」
そう言ってお腹をツンツンすると、嬉しそうにお腹を守る
周囲を見渡しても大人は誰もいない
さっきまでいたこの茶道具屋の子供だろうか
いつまでも車を動かさないわけにもいかないから、男の子を茶道具屋の中に入らせる
素直に入ってくれたけど、茶道具屋の大人たちは奥にいるのか何も反応がなかった
そんなこんなで、そのおかっぱな前髪をした少し古風な男の子を守りながら、
なんとか車を細い路地から広いところまで進ませる
いつしか男の子はいなくなっていた
「もしかして、男の子と一緒にいた?」
「うん、茶道具屋からでたら車の後ろにいて、びっくりしてすぐ伝えたでしょ」
「いや、、ミラーに映らないし、検知もされなくて、、最後らへん2人が一緒にいるときだけ姿が見えた。あと普通でない黒目をしてた、全く光を反射しない」
「ん?」
あとで二人で色々と答え合わせしていたら、不思議な点がいくつも発見された。
山奥でのことだから、さもありなん?
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