結局、私何がしたいんだっけ
研修医1年目が終わった。
ずっと憧れていた精神科研修は、実際研修医の立場で回ってみると、期待を裏切られる結果となった。
一方で、ずっと敬遠していた脳神経内科は、思いの外面白く、のびのびと自然体でいれて、客観的にみても適性があるようだった。
単純に、脳神経内科に行くべきかなと思う。
でも突き詰めると、脳神経内科で扱うような疾患、例えばパーキンソン病や脳卒中などに果たして興味があるのか・・・そこまでない。
脳神経内科が素晴らしいのは、脳のことがよく知れて、集まる医師達が知的で常識人であることが多いからだ。
やはり、仕事をする上では居心地の良さが大切、居心地の良さは人間関係が重要なキーとなる...という流れでひとまず脳神経内科を選びそうになっているけど、果たしてそれでいいのだろうか。
理屈としては間違ってはないけど、どこか引っかかるものがある。
なにかを決められない時は、きっと判断するための情報が不足しているか、あるいは自分と向き合えるほどの心の余裕がないときだ。
というわけで、精神科を憧れるきっかけとなった神田橋先生に近々会いに行くことにした。
正直、楽しみな気持ち以上に、不安と緊張で胸がいっぱい。
ずっと憧れていた先生に会って、もし「なんか違うな」とガッカリしてしまったらどうしようか。
精神科での研修は、本当にそんなことばかりだったから(もちろんそれが全てではないし、見方を変えればポジティブな意味合いを引出すこともできなくはないけど)。
10-20代の頃の私を、あれだけ熱く燃え上がらせた精神世界が、それを専門的に扱う医療機関にいる中で、どんどん遠いものになっていく気がする。
そんなふうになって初めて、精神世界への憧憬は、いつしか自分の生きるモチベーションになっていたことを痛感する。
一体これからどこに向かうのだろうか。