テスラモデル3で都内から青森まで往復1,600kmを走りました


はじめに

とある2024年3月の土日(実質は土〜月)、お一人様の機会を得られましたので、愛車であるテスラモデル3で一人東北旅に出かけました。

目的地は青森県弘前市の弘前駅前のホテル、なぜそこを目的地にしたかというと、

  1. 青森県に行ったことがなかったから

  2. 天気予報を確認したところ北東北しか晴れの見込みがなかったから

というやる気が有るのか無いのかわからない理由によるものですが、巷では保有しているだけでなぜか人格まで叩かれがちな電気自動車オーナーとして、どこまでそれなりに快適な長距離旅ができるのかを、実体験してみたかったというのも本心でした。

今回の旅の前提条件

車のプロフィール

自身は40代のしがないサラリー(略、愛車のプロフィールは以下の通りです。

  • テスラモデル3RWD(2023年12月納車の通称「ハイランド」)

  • 現在満充電で430キロ強走行可能

  • 日常は自宅普通充電が主(都内マンション住まいではありますが、ありがたいことに自宅に6kw普通充電器があります。CHAdeMOアダプターは(高いので)持っていません。)

  • 18インチのスタッドレスタイヤ着用

  • 直前の愛車はマツダCX-5ディーゼル(ガソリン満タン50㍑で800km走行)

旅の前提

  • 1泊2日(土曜日の深夜出発、日曜日中に帰宅(実際は月曜日の朝に帰宅))

  • NEXCO東日本が提供している、ドラ割「東北観光フリーパス(東北6県周遊プラン)」を使用する。

  • 充電は、テスラスーパーチャージャーによる経路充電のみ(宿泊先に普通充電器があるも使用不可(後述))

今回の旅のサマリー

まず最初に画像1が、Teslafiからキャプチャした今回のロードマップです。(これ以降も特段の注記がない限りは画像はTeslafiのキャプチャです。なお蛇足となりますが、TeslafiはTeslaのサーバが公開しているAPIを利用した、愛車の走行距離や充電履歴などのログデータを閲覧できるWebサービスです。50米ドルかかりますが、運転(もはや人生)の記録化の観点で神サービスと感じています)

画像1 ロードマップ

続いて画像2は運転に関する定量情報です。

画像2 運転に関する情報

今回の旅はまるっと運転時間が24時間(!)、移動距離は1,600キロといった感じです(SA等での車内での休憩時間は含まれていません(はず))

最後に、画像3は充電の情報です。

画像3 充電の情報

約200kwhを5回(往路2回、復路3回)に分けて充電しました。図2の使用電力量と充電量は概ね近似していますので、1,600キロを走破するのに13,560円電気代がかかったことになる、つまりは電費は8.5円/kmになります。
ちなみに高速道路では電費の観点で原則90km/h(&キープレフト走行)を心がけていたので、時速100km/h〜120km/hまで速度を上げると、おそらく電費は低下したと考えます。

なお私の以前の愛車CX-5はディーゼル車だったこともあり、ガソリン車対比で燃費が良かったのですが、手元の同時の記録によれば燃費が15km/㍑程度(それなりの高速道路走行含む場合)、現在の軽油価格は150円/㍑のようですので、10円/kmという燃費になります。

上記を踏まえると、テスラwithスーパーチャージャー運用[8.5円/km]vsディーゼル車[10円/km]の比較では、電気自動車としての電費(燃費)の優位性はさほど無い結果になりました。(以前のスーパーチャージャー料金はもっと割安だったそうで、テスラオーナー先輩の皆様は、昨今の充電料金の度重なる値上げに色々と思うところがあられるようですが、私自身はテスラ初心者ですので、CX-5対比でちょっと安い感じなのね良かったわ、という程度の感想しかありません)

テスラモデル3で快適な旅ができたのか

「快適な旅」の定義は人それぞれではありますが、電気自動車のネガポイントとされる「航続距離の懸念」に対して実際にどう思ったかを中心に記し、その後で「車の機能として快適な運転ができたか」をちょっとだけ記します。

「航続距離の懸念」に対して感じたこと

もともとガソリン満タンでの航続距離が800kmもあるCX-5ディーゼルに乗っていた経験からすると、今の愛車は約半分の航続距離しかなく、かつガソリンスタンドほど航続距離を伸ばすための設備の数が多くないことを踏まえると、特に長距離旅に出た時の懸念が全く無かったのか、というと嘘になります。一方で今回の旅を通じての素直な感想は以下のとおりです。

  • 経路充電のタイミングやルートを余計に考えないといけないという負荷はガソリン車対比で確かにあるが、テスラのナビで自動でスーパーチャージャーでの充電含めた最適なルートを考えてくれるので、それほど手間ではなかった

  • テスラのナビの電費予測がそれなりに正確なので、目的地が明確にセットされていれば航続距離への懸念は思ったより低かった(裏を返すと気ままに車を走らせふと見つけたガソリンスタンドで給油できることこそ至高と考える方には全く持って合わない)

前者については画像4が、テスラのナビ上での弘前までのトリッププランナーですが、目的地の弘前まで郡山&盛岡のスーパーチャージャーで経路充電せよと出てきて私はこれに従って旅を続けただけですので、目的地までの経路を考える手間は全くありませんでした。

画像4 テスラのナビのトリッププランナー(往路)

なお、経由地を追加したければルートの編集で経由地を差し込めば、自動でスーパーチャージャーでの充電時間を延長する等の補正は行ってくれますので、その点でもあまり頭は使いませんでした。

加えて後者について、画像5が往路の都内から郡山スーパーチャージャーまでの電費予測と実績の差異分析ですが、大きな差異はなく感心しました。

画像5 都内から郡山スーパーチャージャーまでの電費予測と実績

なお、スーパーチャージャーでの充電のために現在は、高速道路を一旦降りる必要があることから「高速道路のSAにスーパーチャージャーがあれば・・・」とは思いましたが、青森以南、福島南部以北のIC乗り降りが自由になるドラ割「東北観光フリーパス(東北6県周遊プラン)」(画像6)で、高速道路乗り降りによる金銭面での追加負担を無くす工夫をしました(ドラ割とスーパーチャージャーでの経由充電は親和性がすごく高いと考えます。1泊2日で8,700円です(2024年4月1日以降値上げ後の価格))。

画像6 東北観光フリーパス(東北6県周遊プラン)のエリア(赤下線は今回立ち寄ったSCの最寄りIC)
【出典 NEXCO東日本ホームページ】

上記を踏まえると、テスラモデル3RWDでも航続距離の懸念無く長距離を旅することは十分に可能と感じました。

なお蛇足とはなりますが、目的地である弘前のホテルの専用駐車場には、テラチャージというアプリを通じて使用することができる6kwの普通充電器が2基設置されていたのですが、他の宿泊者のガソリン車がいずれも止まっており、残念ながら使用することができませんでした。駐車場の枠予約は不可ということで、せっかく導入された充電器が泣いているなぁと感じました。

画像7 使えなかった普通充電器
【出典 テラチャージアプリ】

「車の機能として快適な運転ができたか」

長距離運転という観点で、快適に運転できたと感じました。特に、Apple Musicの90年代JPOPメドレーをバックミュージックにした運転、Youtubeを見ながらのスーパーチャージャーやサービスエリアでの休憩は、本当に捗ります。

一方で、運転支援の観点ではテスラが優れている要素は感じませんでした。確かにテスラの「オートパイロット」は無くてはならない機能ではありますが、マツダの同様の運転支援機能(画像8)よりも優れているのかというと、特に優位性を感じませんでした。

画像8 マツダのオートクルーズ機能
【出典 マツダホームページ】

むしろテスラのオートパイロット機能は、追い越しのために車線変更すると解除されるため、車線変更後オートパイロットを改めて起動する手間がかかり面倒くさいのと、オートパイロット時に自動でオンされるオートワイパーを、車線変更の都度オフにする必要がある(オートワイパーの挙動が激しくお馬鹿なので普段からオフにしています)のにイライラした次第です。オートワイパーの挙動はどうにかならないものでしょうか。

終わりに

家族に「なぜ弘前に行くのか?」と問われ「弘前に行きたいから」と答えて家族に無視されるところからこの旅は始まったのですが、実際にはCX-5でもチャレンジしたことがなかった「超長距離」を電気自動車で走破できるのかを試してみたいというのが本心でした。

前述の通りその目的は達成できたのですが、テスラオーナーとしては長距離旅では特に、スーパーチャージャーの存在が大きいなぁと感じました(というかスーパーチャージャー無しではこの旅が成立しなかった)。

加えて、旅の計画をそれなりに事前に立てる性格の人でないと、電気自動車の長距離旅は楽しめないのだろうな、とも感じました。

次の機会(あるかわかりませんが、、、)には、西に向かって長距離旅チャレンジしてみたいと思います。

(秋田にもスーパーチャージャーできたら嬉しい)


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