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「キャリアコンサルタント×占い」の可能性:先入観を排除できる

Vol.2


☆~キャリコンの自己一致とは

キャリアコンサルティングのロールプレイ(ロープレ)や、実際のカウンセリングをやってみると、セッションが思うように進まず、困ってしまうことがありませんか?

一生懸命に受容し共感しようとするけれど、どこか相談者の考え方についていけない、と思っている自分もいたりして。
いわゆる「キャリアコンサルタント(キャリコン)の自己一致」の問題です。

キャリコンの自己一致とは、キャリコン自身の考えと相談者の考えが異なっても、自分の考えはあくまでも自分の考え、と分けて考えることです。そうすることで、キャリアコンサルティングの場では相談者の視点・枠組みで物事を見て、一緒に「相談者にとっての」解決策を考えることができるようになります。

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☆~ロープレがうまくいかない…

筆者がキャリコン養成講習に通っていたころの話をしましょう。
授業で、代表者がクラス全員の前でロープレを行う「代表ロープレ」がありました。
受講生のうち60歳くらいの男性が相談者役、50代後半の女性がキャリコン役に手を挙げ、みんなの前でロープレをしてくれました。

男性の相談の内容(主訴)は「まだまだ仕事をしたいが、母親が高齢なので、そばにいて介助などもしたい。両立は簡単ではなく、どうすればいいのか悩んでいる」というものです。

それを聞いた私は「仕事と家庭の両立」の問題だと理解しました。
程度の差こそあれ、働く女性なら一度は悩む問題です。
この男性は今まで仕事一筋が許される環境で働いてきたため、そのように悩んだことがなかったのだろう、でも、両立したいなら仕事も家庭も「完ぺきを目指さない」ことしか解決策はないのでは……などと考えながら、ロープレを見守っていました。

キャリコン役の女性も、筆者と同じように考えているらしく、それが相談者に向けた質問の内容からも感じられました。

ロープレが進むにつれ、その男性はどんどん頑なになっていきました。「仕事は全力で取り組まなければならない。私はずっとそうやって生きてきたんです。それが私の価値観です」と言うのを聞いて、私は「その考えを変えないと解決は難しいのでは」と思っていました。

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☆~価値観は否定されるべきではない

ロープレ終了後の振り返りで、先生は「仕事は全力で取り組む、それが私の価値観だ、と相談者は言いましたが、キャリコンはそれを少し否定するような質問をしていましたね」と指摘しました。そして先生は「この価値観はかなり一般的な、多くの人が持っている価値観ですよね。決して否定されるべきものではありません」ともおっしゃいました。

筆者は正直言って、先生の言うことが理解できず、授業が終わった後も「じゃあ、どうすれば解決できるの?」と、ずっと納得できずにいました。つまり「キャリコンの自己一致」ということが全く理解できていなかったのです。

自分とは考え方も価値観も違う人が、世の中にはたくさんいます。
キャリコンにとって、相談者の多くも、そういう人です。
……と、頭では理解しているつもりでも、ちゃんとわかっていないんですね。

「自己一致」するためには、まずその点をちゃんと納得して理解すること、言い換えれば、自分の考え方へのこだわり=先入観を脇によけることが重要です。

これが、簡単ではないんですよね。

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☆~占いで他者の価値観を知る

筆者が、これを理解できたのは、西洋占星術のおかげでした。

よく「占いによって、先入観にとらわれることはありませんか?」と質問されますが、逆なのです。
むしろ、元々自分が持っている先入観とは別の視点を、占いは授けてくれます。

占いで「意外な」(←筆者にとって)内容を読み取り、おそるおそる相談者に伝えたところ、「わが意を得たり!」という感じの反応が返ってきてびっくり!という経験が何度もあります。
その度に自分の先入観の強さを思うと同時に、自分と他者の価値観の違いに驚き、本当にそういう人が世の中にはたくさんいるんだ、と感動します。

養成講習の代表ロープレと同じような相談者と出会っても、今ならきちんと受容し共感して、その方にとって最善となる答えを引き出すお手伝いができるかもしれない、と思っています。

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筆者・‥…━━━━━━☆
サイトウユキコ
【PROFILE】
国家資格キャリアコンサルタント。元新聞記者・編集者。退職後にコーチング、キャリアコンサルティング、西洋占星術、アロマによる感情解放を学ぶ。 太陽双子、月水瓶、ASC射手、MC乙女、水のグランドトライン持ち。趣味はクラシック音楽鑑賞とドイツ語と旅行。ビールが大好き。

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