豆の木の一生
豆の木は、アステカ王国のテッペンボロジーに向かっていた。
豆の木は、その途中でイロロン星人に葉汁を吸い取られたりしながら、ぐんぐん上へと伸びていった。
豆の木は、花を咲かせたが、中身を全てアステカ王国に献上する羽目になったので、実はできなかった。
実のできなかった豆の木は、今度はぐんぐんと痩せ衰えて、枯れていった。
イロロン星人や、アステカ王国のテッペンボロジーを恨みながら。
枯れた豆の木は、地上にくにゃりと落ちた。
ただ、一人のイロロン星人がそれを伝って、地上に降りてきたのは、豆の木さえも知らなかったのだ。