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荒虫と穏虫

エラにこびりつく大量の荒虫は、全て穏虫にしてやった。

穏虫になった荒虫は、自分が荒虫だったことなんて全く気づかずに、おだやかな足取りで自分の巣へと帰っていく。

でもそこの巣で待っているのは荒虫で、穏虫は仲間外れにされる。

穏やかにすすり泣く穏虫は、訳のわからぬまま穏虫仲間を増やしていく。

穏虫は、ドタバタとあらあらしい足音で行き交う荒虫に絆され、大抵、荒虫に成り下がる。

そしてまた、エラに群がってくるのだ・・・


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