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噴出


雪の下を掘り返すと、ひたすら音がする、ひょうたんのような機械が出てくる。

ごっふんごっふんと、地響きを鳴らすような音の主は、雪を放出する機械だった。

降り積もった雪を取り込み、中で綺麗にして、空へ放出するのだ。


この機械がなくなってしまったら、南極からさえも、雪が消えるかもしれない。

その機械の全体を掘り起こすと、それは本当にひょうたんそっくりだった。
それを持ち帰って真っ二つに切ると、中には何も入っていなかった。
なので、糸で元通りに縫って、また土に埋めた。

それから、その年は一度も雪が降らなかった。

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