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みみずくの保存方法
泥沼に吸い込まれそうになってもがいている みみずく。
もがいてももがいても、どんどん奥へ飲み込まれるだけ。
みみずくはとうとう目から水を流した。
それはやがて氷となり、体の周りを固めてゆく。
羽毛の一本一本の形を、そのまま残して引き継いでいく勢いで氷は育ち、そして。
火山は噴火し、隕石が二度も三度も四度も落ち、世界は目まぐるしく変わっていった。
みみずくは金色の瞳を見開いたまま、氷の中で、その時を待っている。
ある日、太陽が消えた。
空は灰色を通り越し、植物はしおれ、動物は次々と倒れ・・
そして、みみずくの氷に、ピシリと亀裂が走った。
みみずくは翼を激しく動かし、体にくっつく氷のかけらをふるい落とすと、その寒くて暗い世界へと飛び立っていった。